2014年05月11日
No.2760 ちょっと一休み その436 『宇宙船地球号 その17 目指すべきは心地よく暮らせる持続可能な社会!』
昨年11月29日(金)から今年1月24日(金)まで4回にわたって「スペースシップ アースの未来」(NHK BS1テレビ)が放送されました。
そこで、以下のような流れでこれまでご紹介してきました。


1月24日(金)放送の「スペースシップ アースの未来」(NHK BS1テレビ)の4回目は「『新たな海図』を求めて」というテーマでした。
今回でいよいよこのシリーズは最後を迎えますが、これまでお伝えしてきた総括として、目指すべきは心地よく暮らせる持続可能な社会であるということをお伝えします。
 
私たち人類は産業革命以来石炭や石油などの化石燃料を大量に使うことで多くの富を手に入れていました。
ひたすら欲望を拡大させ続けてきたヨーロッパ、アメリカ、日本などの先進国、そこに今中国やブラジルなどの新興国が加わっています。
ようやく繁栄を手にし始めた新興国では持続可能な成長を求める声は消されがちです。
世界のエネルギー消費は拡大を続け、私たちはまだ化石燃料への依存を断ち切ることが出来ません。
 
地球温暖化の加速とともに異常気象が多発、ところが世界は温暖化防止のための合意さえ出来ないままです。
一方、世界では私たちの未来を救う取り組みも進んでいます。
脱化石燃料の切り札の一つとされるバイオ燃料、その開発の最前線で期待を集めているのが特殊な藻です。
光合成によって細胞の内部に油を作り出すことの出来る藻を利用してバイオ燃料を効率よく作り出そうというのです。
開発が難しいとされてきた旅客機の代替燃料としても実証実験が進んでいます。
実用化されれば化石燃料脱却に一歩近づきます。
 
こうした新技術の開発を諦めずに続けることが何よりも大切だと、ケンブリッジ・エネルギー研究所のダニエル・ヤーギン博士はおっしゃいます。
「エネルギーの分野における技術開発は長い時間がかかります。」
「太陽光発電や風力発電の開発には既に40年もかかっているのです。」
「現在のような実用レベルに到達するまでには非常に長い年月が必要でした。」
「今、最も重要なことは将来の技術開発や技術革新のために長期的な視点から継続的に投資を行うことだと私は考えています。」
 
スペースシップ アースに乗り合わせた私たち人類、今世界中で多くの人たちが持続可能な社会、持続可能な成長に向けて動き始めています。
これをもっと大きな流れにしなければいけないと考える、化石燃料に頼らない社会を作らなくてはならない、世界に先駆けて1970年代から訴え続けているアメリカのエネルギー学者でロッキーマウンテン研究所のエイモリー・ロビンス博士はおっしゃいます。
「現代社会の問題は私たちの選択の結果と言えます。」
「つまり、問題の解決も賢明な選択をすれば可能なのです。」
「地球上の70億人が頭をひねって考えること以上に強力な武器はありません。」
「70億人の知恵のネットワークには今まで誰も追いつかなかったような解決策があるかもしれません。」
「解決すべき問題はまだいくつもありますが、人間には無限の可能性があります。」
「世界をより良くする責任が私たち一人一人の選択にかかっています。」
「そして、未来への希望も一人一人の選択から生まれてくるはずです。」
 
ロビンスさんのおっしゃるように、現代社会の様々な問題の多くは私たち人間の選択によるものだと思います。
地球環境問題やエネルギー問題もその一つです。
ということは、遅ればせながら地球環境問題やエネルギー問題も私たち人間の取り組み次第で解決出来るはずです。
ただし、そのための時間はあまり残されていないようです。
ですから、そのためには、私たち一人一人がまず問題意識をしっかりと持ち、解決に向けてそれぞれの人が出来ることを行動に移すことが求められるのです。
ここで、とても救いなのは、過去の歴史でも明らかなように私たち人間には無限の可能性があるということです。
 
さて、ここで私たち人類が生存し続けるうえでもう一つ大切なことがあります。
それは心地よさです。
どんなに持続可能な社会であってもそこで暮らす人たちが日々の暮らしに心地よさを感じることが出来なければ片手落ちで、それは目指すべき社会とは言えません。
 
私たち人類がこれから目指すべきは心地よく暮らせる持続可能な社会なのです。

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています