2014年04月06日
No.2730 ちょっと一休み その431 『宇宙船地球号 その12 目指すべきは小規模・分散型社会!』
昨年11月29日(金)から今年1月24日(金)まで4回にわたって「スペースシップ アースの未来」(NHK BS1テレビ)が放送されました。
そこで、以下のような流れでこれまでご紹介してきました。
 
 
1月24日(金)放送の「スペースシップ アースの未来」(NHK BS1テレビ)の4回目は「『新たな海図』を求めて」というテーマでした。
今回は、目指すべきは小規模・分散型社会という観点からご紹介します。
 
フランスの詩人、ルイ・アラゴン(1897−1982)は「人間だけが明日のために今日を生きる」と言いました。
 
世界中で拡大を続ける巨大都市、人口1000万人を超えるメガシティは今や23を数えます。
繁栄を求める現代文明は化石燃料の大量消費を続けています。
 
化石燃料に頼らない社会を作らなくてはならない、世界に先駆けて1970年代から訴え続けているのがアメリカのエネルギー学者でロッキーマウンテン研究所のエイモリー・ロビンス博士です。
タイム誌で世界を変える100人に選ばれたロビンスさんは化石燃料に代わる新たなエネルギーに支えられた”持続可能な社会”を作るべきだと警鐘しています。
 
ロビンスさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「化石燃料を使うことで人類は快適な生活と多くの富を手に入れましたが、一方で脅威も忍び寄っています。」
「かつてないほど大きな気候変動が短期間に次々と起こり始めるなど今の状況は人間の文明を破壊しかねない大変危険なレベルに達していると言えます。」
「私たちはこの化石燃料への依存を自ら断ち切るしかないのです。」
 
化石燃料に頼らない社会を作るにはどうすればいいのでしょうか。
ロビンスさんなど多くの有識者が提唱するのは一極集中の巨大都市ではない小規模・分散型社会モデルです。
このモデルでは小規模の社会がエネルギーや食料などの資源を自給自足しています。
そうした社会があちこちに分散して存在するのです。
社会を小さく分けて運営することでエネルギー需要を抑え、化石燃料への依存を減らすことが出来ます。
 
ロビンスさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「小さな社会に分散していると消費者と生産者の距離が近くなります。」
「そうすれば、必要な分だけエネルギーが供給されるようになり、経済的にも効率がとてもよくなるのです。」
「更に、電力システムとしても現在の主流である大規模集中型の電力網に頼るよりも小規模分散型の方が緊急時に一度に全てが止まることがなく安定しています。」
 
化石燃料の大量消費は環境破壊だけでなく、そもそもいずれ枯渇してしまうのですから、ロビンスさんのおっしゃるように、私たち人間はこの化石燃料への依存を自ら断ち切るしかないのです。
そのためには、冒頭のフランスの詩人、ルイ・アラゴンの言葉「人間だけが明日のために今日を生きる」の通り、今の自分たちの豊かな生活のことばかりを考えるのではなく、後世の世代のために少しでも良い状態の社会、地球環境を引き継いであげるという意識が必要なのです。
そして、具体的に目指すべきは小規模・分散型社会、そして持続可能な社会なのです。

 
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