2020年02月07日
アイデアよもやま話 No.4559 産業界で進む価値基準の転換!

前々回、前回とミライを創る『大切な真実』、そして産業界に地殻変動が起きていることを示す数字についてご紹介してきました。

そうした中、昨年10月29日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でこうした産業革命の流れと並行して産業界で進む価値基準の転換について取り上げていたのでご紹介します。 

 

世界で累計450億食の即席麺を販売した日清食品ホールディングスですが、主力商品「カップヌードル」の容器を(昨年)12月に刷新し、植物由来のプラスチックの割合を増やします。

安藤 宏基社長兼CEOは次のようにおっしゃっています。

「SDGsとかESGを満たさない企業はダメだと。」

「投資対象にも値しないし。」

(SDGsについてはアイデアよもやま話 No.3729 これからの企業存続の重要要件、SDGsとは・・・を参照、ESGについてはプロジェクト管理と日常生活 No.531 『世界のビジネス界で影響を増す地球温暖化対策 その2 国際的な取り組み!』を参照)

 

更に、次のようにおっしゃっています。

「(いわゆる「謎肉」の進化の予知について、)今は大豆と豚肉の混合なんですけど、これを100%大豆ミートになるでしょうね。」

「「カップヌードルをぶっ潰せ」と言っているけど、かたちのロゴだけは変わっていないけど、中身はガラガラ変えてますから。」

 

世界人口の増加による食糧危機を見越し、大豆を使った代替肉の他、培養肉の研究も進めているといいます。

 

なお、日本企業が世界で勝ち残るためにはある転換が必要となりそうです。

番組コメンテーターでみずほ総研エグゼクティブエコノミストの高田 創さんは次のようにおっしゃっています。

「私は“価値基準の転換”、やはりこれまでの基準のところから持続性とか、もしくは環境とか、グローバルな価値基準に則した経営を志向していくということじゃないかと思うんですよね。」

「(無駄遣いしていないか、環境を大切にしているかどうか、搾取をしていないかどうかですとか、)そういうものが単なるコストとか、やらされているということじゃなくて社会の要請なんだと、そういうことに向かっていくんだということで、新しいチャンスに変える経営が出て来たんじゃないかと思うんですよね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

以前から繰り返しお伝えしているように、人類による絶えざる暮らしの豊かさを求め続けて来た様々な活動は、豊かさを得る一方で、地球環境の破壊、地球温暖化、あるいは化石燃料の大量消費による可採年数の急激な減少をもたらしつつあります。

中でも地球環境の破壊、および地球温暖化は人類のみならず、地球上に生存する他のあらゆる生物の暮らしにまで大きく影響を及ぼしています。

更に人類の活動が原因で次の大量絶滅につながると訴える専門家まで現れているのです。(参照:アイデアよもやま話 No.3051 次の大量絶滅の原因は人類!?

地球の資源に限りがあることを最初に提唱したのは、「ローマクラブ」の第一次報告書「成長の限界」(1972年)だと思いますが、徐々にその危惧が現実味を帯びて来たようです。(参照:No.2412 ちょっと一休み その377 『国民である前に地球の住民である意識が必要な時代』

 

一方、テクノロジーの進化により、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に代表されるような企業とテクノロジーをうまく使いこなせない企業との間の収益格差、あるいは正規社員と非正規社員との間の収入格差といったように格差が複合的に広がりつつあります。(参照:アイデアよもやま話 No.4376 30、40代「貯金ゼロ」が23%!

また、世界には未だに自分の考えを自由に言えないような国もあります。

 

こうした状況を打破するための理念は大きく2つあると思います。

それは、持続可能な社会、および自由で平等な社会です。

では具体的な価値基準ですが、持続可能な社会に向けてはSDGsがあります。

また、将来的な収入格差対策としては、最低限の生活保障(参照:アイデアよもやま話 No.3401 ”仕事がない世界”がやってくる その3 新たな生活保障制度の必要性!)が考えられます。

 

こうした持続可能な社会、および自由で平等な社会の実現を目指す方向で取り組むことが特に国や企業のリーダーには求められていると思うのです。


 
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