2013年03月31日
No.2412 ちょっと一休み その377 『国民である前に地球の住民である意識が必要な時代』
現在、環境問題、そしてエネルギー問題は世界各国に共通する大変大きな問題です。
環境問題には、地球温暖化だけでなく、今話題になっている中国のPM2.5のような大気汚染も含まれます。
そして、大気汚染は喘息や花粉症のような症状の大きな原因とされています。

一方、エネルギー問題ですが、途上国の経済成長とともに世界的なエネルギー消費の増大が加速しています。
それに対して、アメリカを中心としたシェールオイルやシェールガスの発掘地の新たな発見により100年単位の化石燃料の可採年数の延長が期待出来ます。
でも、これらの地下資源の大規模な掘削による周辺地域への影響の有無については明らかではないようです。
また、現在得られる情報からすると、このまま世界的な消費が継続されればせいぜい後300年くらいで化石燃料は枯渇してしまうはずです。

ということは、何十億年という地球の悠久の歴史の中で作られた化石資源が産業革命以来、高々500年の間に生存していた人類により使い果たされてしまうことになるのです。
あまり多くの人たちはこのことに関心を寄せていないようですが、私はこの事実は人類史上驚くべきことだと思っています。
では、その後の時代に生存する人類はどのようにエネルギーを調達すればいいのでしょうか。
このような長いスパンでモノを考える声はあまり聞こえてきません。
そもそも、限られた資源を高々500年の間に生存していた人類が使い果たされてしまうこと自体、人類として許されるものではないのです。

地球の資源に限りがあることを最初に提唱したのは、「ローマクラブ」の第一次報告書「成長の限界」(1972年)ではないでしょうか。
いよいよこのことが現実味を帯びて来つつあるのです。

ここで救いなのは、化石エネルギーから再生可能エネルギーにシフトすれば、環境問題の多くも解決出来ることです。
勿論、事故リスクの高い原発は論外です。
ですから、再生可能エネルギーの普及・拡大、そして省エネを進め、持続可能な社会を実現させれば、後々の世代の人類に迷惑を掛けることがなくなるのです。

そこで、必要になるのは、国民である前に地球の住民であるという意識を世界中の人たちが持つことです。
それぞれの国の指導者によって、政策は大なり小なり変化していきます。
これらの政策に引っ張られることなく、世界中の人たちが連携して再生可能エネルギーの使用、そして省エネを進めることが今を生きる私たちに歴史的に求められているのです。
これは21世紀の歴史的なエネルギー革命と言えます。
日本人も平成維新とか明治維新を意識した、国内に軸足を置いた維新ではなく、世界的なエネルギー革命を目指すべき時なのです。
PM2.5や化石燃料の枯渇でも分かるように、環境問題やエネルギー問題は一国だけで解決出来る問題ではないのですから。

 
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