2024年04月05日
アイデアよもやま話 No.5861 ”政治とカネ”問題 その2 裏金は何のため?
2月7日(水)放送の「60秒で学べるNews」(テレビ東京)で”政治とカネ”問題について取り上げていました。
そこで、2回にわたってご紹介します。
2回目は、裏金の目的についてです。 

政治家が“裏金”を作る理由をテレビ東京のキャスター、豊島晋作さんが解説します。
「やはり、“裏金”にした理由というのは、使い道を知られたくないから、あるいは世間には知られたくないことに使いたいからという動機が当然考えられますよね。」
「それで、政治家にとって一番大事なことは、自分が再選されること、もう一回選挙で勝つことですよね。」
「そのためにはお金がいる。」
「裏金だと使い易い。」
「そういうことに使われる可能性が一つ挙げられますね。」

今回の“裏金”で、注目されたのが派閥。
かつて自民党で絶大な影響力を誇った派閥と言えば、田中角栄率いる田中派。
田中派は全盛期、140人を超え、数の力と鉄の結束を武器に、政界の実権を握りました。
その後、1987年、田中角栄に反旗を翻し、竹下派が結成されましたが、戦後最大級の汚職事件になったリクルート事件。
更には野党転落などを経て、1994年、自民党は派閥を解消。
しかし、政策集団や親睦団体だったグループがいつのまにか派閥として復活、今に至ります。
豊島さんは次のようにおっしゃっています。
「一つ、弊害として言えるのは、(派閥から)支持を受けて総理・総裁になると、やっぱり、その派閥から大臣を何人か取ってあげなきゃいけない。」
「派閥の親分に「誰がいいですか」って聞くわけです。」
「そうすると、その人の能力と若干関係ない人が大臣になるかもしれない。」
「そういう弊害が実はあったんじゃないか。」
「最初は派閥に入っているメリットもあって、夏は「氷代」、冬は「餅代」って言って、派閥の親分からお金をもらったり出来るわけです。」
「長年、派閥で頑張っていると、大臣のポストが来るかもしれない。」

さて、こちらはテレビ東京と日本経済新聞社が共同で行いました1月の世論調査の結果です。(岸田内閣の支持率はこちら、政党支持率はこちらを参照)
岸田内閣の支持率は前回12月の調査より1ポイント増えて27%でした。
そして、不支持率は2ポイント減りまして66%、ほぼ横ばいとなっています。
政党支持率では、自民党が前回より1ポイント増えて31%。
一方、野党は立憲民主党も日本維新の会も支持率が下がっています。
共産党は3%から5%に2ポイント増えています。
こうした状況について、豊島さんは次のようにおっしゃっています。
「(野党の支持が上がっていないことについて、)やっぱり、これが日本政治の一番大きな問題で、自民党が支持がどうこうというより野党の支持が上がってこないのが、政権交代の可能性を低くするわけですから、自民党もこれだけスキャンダルが起きても権力は安泰だっていうメッセージにつながりかねないわけですよね。」

あらためて浮き彫りになった“政治とカネ”の問題。
今後政治資金改革はどこまで進むのか、注目です。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(政治家が“裏金”を作る理由)
・裏金”にした理由は、使い道を知られたくないから、あるいは世間には知られたくないことに使いたいからという動機が考えられる
・政治家にとって一番大事なことは、自分が再選されることであり、そのためにはお金が必要であるが、裏金だと使い易い
・今回の“裏金”で注目されたのが派閥である

(派閥の経緯)
・かつて自民党で絶大な影響力を誇ったのは田中角栄率いる田中派である
 -田中派は全盛期、140人を超え、数の力と鉄の結束を武器に政界の実権を握っていた
 -その後、1987年、田中角栄に反旗を翻し、竹下派が結成されたが、戦後最大級の汚職事件になったリクルート事件、更には野党転落などを経て、1994年、自民党は派閥を解消した
 -しかし、政策集団や親睦団体だったグループがいつのまにか派閥として復活、今に至っている

(派閥の弊害)
・派閥から支持を受けて総理・総裁になると、その派閥から大臣を何人か取ってあげる必要がある
・そうすると、派閥の親分が大臣候補を決めるので、その人の能力と若干関係ない人が大臣になる可能性がある
・最初は派閥に入っていると、夏は「氷代」、冬は「餅代」として、派閥の親分からお金をもらったり出来る

(日本政治の一番大きな問題)
・テレビ東京と日本経済新聞社が共同で実施した1月の世論調査の結果は以下の通りだった
 -岸田内閣の支持率は27%
-政党支持率は、自民党は支持率は前回より1ポイント増えて31%、一方、野党は立憲民主党も日本維新の会も支持率が下がって、共産党は3%から5%に2ポイント増えている
・豊島キャスターはこうした状況について、以下のように指摘している
 -これが日本政治の一番大きな問題で、自民党が支持がどうこうというより野党の支持が上がってこないのが、政権交代の可能性を低くしている
 -従って、自民党もこれだけスキャンダルが起きても権力は安泰だっていうメッセージにつながりかねない

さて、こうしてまとめてみましたが、”政治とカネ”問題の対応策を考える上で、いくつかのキーワードが浮かんできました。
・問題解決の対応策は徹底的な原因究明の後に
・お金がかからない政治
・民主主義国においては、国民の意識レベルが政治に反映される
-選挙により、国民の意志が反映された政治家が選ばれ、その政治家により国の政策が決定される
・報道機関は、言わば国民の目であり耳である(参照:アイデアよもやま話 No.5780 今こそ求められる一人一人が事実を知る権利と学ぶ権利!
-報道機関は社会の真実を国民に伝える重要な役割を担っている
・2大政党制(添付1、および添付2を参照)

なお、「政治刷新本部」の活動についてアイデアよもやま話 No.5799 派閥の政治資金パーティをめぐる事件の本質!でも触れましたが、3月14日(木)付けネット記事(こちらを参照)では、その後の動きについて、以下のように報じています。

今回の問題を受けて自民党は先週に続き、14日夕方、すべての所属議員を対象に「政治刷新本部」の会合を開き、党改革などについて意見を交わしました。

冒頭、岸田総理大臣は「『議論が大事だ』という強い声を受けて、また集まってもらった。政治の信頼を回復する道は厳しく険しいが、自民党が変わらなければならないという思いで引き続き共に努力していきたい」と述べました。

会合では、出席者から安倍派幹部らに対する厳しい処分を求める意見や、実態解明に向けてかつて派閥の会長を務めた森 元総理大臣など関係者にも話を聴くべきだという指摘などが相次ぎました。

これを受けて岸田総理大臣は「実態究明のために関係者の話を聴くべきという意見もいただいたので、対応を考えたい」と述べました。


この文面の意味していることは、問題の解明と安倍派幹部らに対する厳しい処分を同時進行で取り組もうとしていることです。
特に、実態解明に向けてかつて派閥の会長を務めた森 元総理大臣など関係者にも話を聴くべきだという指摘について、岸田総理は「対応を考えたい」と述べるにとどめていますが、森 元総理へのインタビュー結果次第で関係者の処分内容も変わり得るのです。
岸田総理が「対応を考えたい」と述べた背景には、これ以上、原因究明に深入りしたくないという岸田総理の意思が感じられます。
岸田総理のこうした中途半端な対応は、このまま処分される安倍派幹部らとの関係を非常に悪くするだけでなく、国民も納得出来ず、従って岸田政権、および自民党への支持率も上向くことは期待出来ません。

また、アイデアよもやま話 No.5799 派閥の政治資金パーティをめぐる事件の本質!でも触れましたが、現政権はなぜ“裏金”が必要なのか、そして“裏金”を不要とし、国会議員が本来やるべきことに邁進するための対応策といった、抜本的な対応策には触れていません。
この際、安倍総理には是非、こうした抜本的な対応策に取り組んでいただきたいと思います。
そして、“裏金”とは無縁の政策集団を復活させていただきたいと思います。
多くの国民は、国会議員が本来やるべきことに邁進出来るのであれば、この対応策への税金の投入には理解を示すはずです。

また、野党の支持が上がってこないことが政権交代の可能性を低くしていることを日本政治の一番大きな問題と、豊島キャスターは指摘していますが、まさにその通りだと思います。
政党支持率のトレンドを見ても、国民の多くは野党に期待していないことが見て取れます。
是非、野党には、現政権よりも優れた政策を提示して、国民に期待を抱かせて欲しいと願います。
せめて、自民党の中で、今回の“政治とカネ”問題を絶好のチャンスと捉え、本来の政治を取り戻すべく、クーデターを起こすような動きがあれば、と思います。

一方、前回、アイデアよもやま話 No.5860 ”政治とカネ”問題 その1 裏金問題で明らかになった”疑惑の方程式”!で裏金問題で「しんぶん赤旗」日曜版のスクープをお伝えしましたが、報道機関の方々には「しんぶん赤旗」に劣らず、つっこんだ記事で私たちに向けて真実を報道していただきたいと思います。

さて、肝心の私たち、国民ですが、常に国民の意識レベルが日本の政治のレベルの決定に大きく影響を与えているということを忘れずに、日々、報道される様々な記事に接することが求められるのです。


添付1)

2大政党制の必要性とディメリットは?
ChatGPT
2大政党制の必要性とディメリットについて、以下にまとめます。
必要性:
1.政治的安定性の確保: 2大政党制は政治的な安定性をもたらすことがあります。主要な政党が競争し、一方が他方に比べて優位に立つことで、政府の形成や政策の決定が比較的スムーズに行われる場合があります。
2.選挙プロセスの簡素化: 2大政党制は選挙プロセスを簡素化する可能性があります。有権者は2つの主要な選択肢から選ぶだけで済み、複雑な選択肢の中から政治的な方針を見極める必要がなくなります。
3.政策の中庸性の促進: 2大政党制では、政党は幅広い有権者の支持を獲得するために、通常は政策を中庸的に設定する傾向があります。これにより、極端な政策の採用や政治的な分裂が抑制され、より安定した政策の形成が期待されます。
ディメリット:
1.選択肢の制限: 2大政党制では、有権者の選択肢が制限される可能性があります。第三の政党や候補者が台頭する余地が少ないため、ある特定の政治的な立場や関心事に合致しない有権者は十分な選択肢を得られないことがあります。
2.政策の多様性の減少: 2大政党制では、政党が中庸的な政策を追求する傾向があるため、政治的な多様性や新しいアイデアの導入が制限される可能性があります。これにより、特定の問題や利益を持つ人々が代表されにくくなる可能性があります。
3.政治的停滞: 2大政党制では、政党間の競争が激しくなり、政治的な対立や行き詰まりが生じる可能性があります。特に、政党間での意見の対立が深刻化すると、政策の制定や実行が困難になることがあります。

これらの要因から、2大政党制は政治的な安定性や効率性をもたらす一方で、選択肢の制限や政策の多様性の減少などの懸念も引き起こす可能性があります。政治システムの構造や国の状況に応じて、適切な政治体制を構築する必要があります。

添付2)

長期政権の弊害として腐敗もあるのでは?
ChatGPT
はい、長期政権はしばしば腐敗の温床となる可能性があります。以下に、長期政権がもたらす腐敗の可能性について説明します:
1.権力集中と権力の乱用: 長期政権では、政権のトップが長期間にわたって権力を握り続けることがあります。このような状況では、権力が集中し、政府の機能が妨げられる可能性があります。また、権力の乱用や権力を利用した不正行為が起こりやすくなります。
2.監督機関の弱体化: 長期政権下では、政権を支える組織や監督機関が政権に影響を受け、その機能が弱体化することがあります。これにより、政府の不正行為や腐敗が隠蔽される可能性が高まります。
3.利益集団との結びつき: 長期政権はしばしば特定の利益集団との密接な関係を築きます。これにより、政府が特定の企業や団体の利益を優先し、公正さや透明性が損なわれることがあります。利益集団と政府の結びつきが強まると、腐敗や不正行為が広がる可能性があります。
4.検察や司法の介入: 長期政権下では、政権に反対する声を抑圧しようとする動きが強まることがあります。検察や司法機関が政権によって操作されたり、介入されたりすることで、腐敗の摘発や対処が困難になる可能性があります。

これらの要因から、長期政権は腐敗の温床となることがあります。政権の長期化に伴い、透明性や公正さが損なわれ、政府の不正行為や腐敗が広がる恐れがあります。そのため、政治の健全性を保つためには、権力の分散化や監督体制の強化などが重要とされます。

 
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