2024年04月04日
アイデアよもやま話 No.5860 ”政治とカネ”問題 その1 裏金問題で明らかになった”疑惑の方程式”!
2月7日(水)放送の「60秒で学べるNews」(テレビ東京)で”政治とカネ”問題について取り上げていました。
そこで、2回にわたってご紹介します。
1回目は、裏金問題で明らかになった”疑惑の方程式”についてです。 

政治への不信感を強め、日本の民主政治の危機を招いた政治とカネの問題、そのきっかけはおよそ1年前の2022年11月6日号、「しんぶん赤旗」日曜版のスクープです。
見出しには「パー券収入 脱法的隠ぺい 2500万円分不記載」とあります。
全てはここから始まりました。

赤旗とはいったい何なのか。
「しんぶん赤旗」は1928年に創刊された日本共産党の機関紙。
日曜版編集部には、記者・編集者、約40人が在籍しています。
「しんぶん赤旗」日曜版の山本豊彦編集長、これまでにも安倍元総理が主催した「桜を見る会」の手記など、スクープを連発してきました。

では、この発端となるスクープ、どのように生まれたのか、山本編集長は次のようにおっしゃっています。
「政治資金パーティが企業団体献金の大きな抜け穴になっているのではと思って調査を始めました。」
「すると、予想以上に収支報告書がずさんで、いい加減だったから大変驚いたんです。」
「発端となったのは、収支報告書を見ていた記者の“気づき”からでした。」
「政治資金規正法では、パーティ券を売った派閥側は20万円超の購入者を大口購入者として記載しなければなりません。」
「一方、パーティ券を買った政治団体側は5万円以上の支出について記載しなければならないルールになっています。」
「そこで、ある政治団体の収支報告書を見てみると、同じ派閥のパーティに10万円、6万円、10万円を支払っています。」
「全部足すと26万円、20万円を超えているのに、パーティを主催した派閥の収支報告書には、その団体名が書いていないことに気付いたんです。」
「そこで、全国、5万と言われる政治団体の収支報告書を調べ、派閥の収支報告書と突き合わせると、2500万円もの不記載が見つかりました。」
「収支報告書を丹念に見たことで、スクープにつながったというわけです。」

パーティ券を購入するのは個人や企業、そして業界が政治家を支援するために作った政治団体などです。
赤旗は、この政治団体の収支報告書に着目し、あのスクープをもたらしました。
山本編集長は次のようにおっしゃっています。
「その時、自民党関係者に聞いたら、昔からやっている手法なんだと。」
「脱法的な。」
「(「脱法的な感じ」としゃべった方はどのような気持ちだったのかという問いに対して、)「そんなことは常識だよ」と。」
「それを聞いて、これは単なるミスじゃないなと。」
「(他にもかなりずさんな収支報告書があったということで、)こちらなんですけど、安倍派のパーティの収支報告書なんです。」
「パーティ券の販売枚数、購入者数、書いてます。」
「一人で10枚、20枚買われる方がいるんで、パーティ券の販売枚数と購入者数は違う。」
「それで全部調べていくと、ある共通点が出てきたんです。」
「実は販売枚数に0.675を掛けると、購入者数に全部の年(2018年〜2022年)がなってるんです。」(こちらを参照)
「で、我々はこれを”疑惑の方程式”と呼んでる。」
「(見つけた時に嬉しかったのではという問いに対して、)嬉しかった。」
「(見つけることが出来た理由について、)赤旗に私たち日曜版と日刊紙がありまして、そこで安倍派のパーティの特集をやってまして、そこに収入、販売枚数、購入者数の一覧があったんです。」
「それを見ながら、共産党本部の職員の方が、「これ全部同じ数字になるのはどういうことなの?」って言われて、「えっ?」って言って、その場で「これから先は私たちがやりますから」って引き取って。」
「(これがスクープ発見の瞬間なのかという問いに対して、)そうですね。」
「とにかく、これを見て感じたのは、一から十まで本当に、この人たちはメチャクチャな報告しかしていないんだなっていうのを実感しました。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

政治資金パーティでの裏金問題について、番組で以下の2つの疑惑を取り上げていました。
・政治資金パーティにおける、全国、5万の政治団体の収支報告書を調べ、派閥の収支報告書と突き合わせると、2500万円もの不記載が見つかった
・安倍派のパーティの販売枚数に0.675を掛けると、購入者数に全部の年がなってる

なお、“政治とカネ”問題を巡っては、この他にも所属する議員がパーティ券の販売ノルマを超えて集めた分の収入を、議員側にキックバックし、派閥の収支報告書にパーティの収入や議員側への支出として記載していなかった疑いがあります。(こちらを参照)

中でも、「しんぶん赤旗」が”疑惑の方程式”と呼んでいる安倍派の政治資金パーティの収支報告書は全く言い逃れの出来ない、呆れた裏金づくりです。
どの政治家の指示でこのようなことが行われたのかはともかく、このこと一つとっても特に安倍派の責任は重大です。

なお、国民の側からすると、このような政治家による不祥事で、国会議員の本来の職務である重要な政策論議の時間が割かれている状況は大変な損失です。
このことに自民党政権は大いに責任を感じるべきです。

やはり、今の自民党は、長期政権が続いた中で、“政治とカネ”問題に鈍感になっており、解党的な出直しが求められます。

 
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