No.5814 ちょっと一休み その915 『 人を動かす要件とは!』、そしてNo.5826 ちょっと一休み その917 『人を動かす根源について!』で人を動かすものは何かについてお伝えしてきました。
そして、自由、平等、人権といった価値観は、生存本能を幹とすれば、枝葉のような存在と言えるとお伝えしました。
そして、どこの国の国民も、その多くは本来こうした価値観による国の統治を望んでいるはずです。
しかし、現実には、中国、およびロシアを中心に途上国の一部ではこうした価値観は国の政権を握っている権力者によって無視されています。
要するに、権力者による国家の私物化です。
中国の習近平国家主席にしても、ロシアのプーチン大統領にしても、“まず自分ありき”で憲法も法律も自分の都合の良いように解釈するか、無視しているのです。
では、いずれの国もが普遍的な価値観に基づいた統治が出来るようにするためには、どのような方策があるでしょうか。
そこで、今回は、こうした方策を考えるうえで参考にすべき、ナワリヌイさんの行動指針についてご紹介します。
不幸にも2月16日、ロシアの反プーチン派活動家のアレクセイ・ナワリヌイさん(47歳)が収監先の北極圏の刑務所で急死しました。(こちらを参照)
そこで、録画したままにしてあった映画「ナワリヌイ」(2022年 こちらを参照)を観ました。
この映画の最後にナワリヌイさんがおっしゃった言葉がとても心に響いたのでご紹介します。
私たち一人一人の行動指針のヒントになります。
「(もし、逮捕され、投獄されるか殺されるとしたら、ロシアの人々にどんなメッセージを残すかという問いに対して、)ごく当たり前のことを君たちに言う。」
「決して諦めるな。」
「僕が命を狙われたのは、僕らが信じられないほど強いからだ。」
「その力を活用しよう。」
「忘れるな。」
「僕らが持っている巨大な力は悪い連中に押しつぶされている。」
「本当は強いのに僕らに自覚がないからだ。」
「悪が勝つのは、ひとえに善人が何もしないから。」
「行動を止めるな。」
映画を観ていて、ナワリヌイさんは心底、自分たちが本気でプーチン政権に立ち向かえば、必ず倒すことが出来ると思っていたと実感しました。
こうしたナワリヌイさんの強烈な自信が自身を支えており、確信に満ちた言動に結びついていたのだと思います。
ナワリヌイさんはロシアの国民に向けて、以下のように訴えていたのです。
・本来、自分が持っている、信じられないほどの強さを自覚し、その強さを活用してプーチン政権を倒せ
・プーチン政権が存続しているのは、国民の多くがこうした自覚がないからだ
・打倒プーチン政権に向けて、決して諦めるな
こうしたナワリヌイさんの存在にプーチン大統領は恐怖感を抱いて、これまでも暗殺を試みており、今回も大統領選挙前の暗殺を実行したのだと思います。
なお、暗殺の手段についてはこちらを参照下さい。
ちなみに、2020年8月にナワリヌイさんがシベリアからモスクワに向かう飛行機の中で毒物中毒の症状で倒れましたが、検査の結果、ノビチョク系列の毒物が検出されました。
この時、飛行機が緊急着陸して、速やかに病院で処置されたので奇跡的に助かったのですが、もう少し着陸が遅れていれば、ナワリヌイさんはこの時に亡くなっていたはずなのです。
さて、私は、アイデアよもやま話 No.5782 今こそ国連加盟国の国民は連帯して国連改革に向けて行動に移すべき!で、今こそ各国の国民が連帯することが求められているとお伝えしてきました。
ちょっとおこがましいかもしれませんが、ナワリヌイさんの映画の中の言葉と相通じるところがあるように感じました。
最後に、もしロシアの国民のうち100万人ほどがナワリヌイさんの言葉を信じて、プーチン大統領の居場所に「ウクライナへの侵攻を止めろ」と大声をあげて、おしかけたらどうでしょう。
さすがのプーチン大統領もそのパワーに圧倒されて白旗を上げるのではないでしょうか。
勿論、こうした行動は多くの犠牲を払うことになりますが、それでもいつまで続くか分からないウクライナ侵攻が今後も続く中でもたらされる犠牲よりは少なくて済むと見込まれます。
しかし、そのためには、ナワリヌイさんの遺志を継ぐ、優れたリーダーシップのある第2、第3のナワリヌイさんの登場が求められます。
そうでなければ、プーチン政権後の社会は大混乱になってしまうからです。
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