2022年01月25日
アイデアよもやま話 No.5174 カーボンニュートラルの観点から見たEVを取り巻く現状、および今後志向すべき社会のあり方!
昨年10月10日(日)付けネット記事(こちらを参照)で日本でのEV普及の状況について取り上げていました。
そこでその内容をベースに、カーボンニュートラルの観点から見たEVを取り巻く現状、および今後志向すべき社会のあり方について私見を交えてご紹介します。

(カーボンニュートラルの観点から見たEVを取り巻く現状)
EV:
・2050年のカーボンニュートラル(二酸化炭素排出量の実質ゼロ)に向けて、自動車業界も対応を迫られている
・EV用バッテリーの高コスト、および充電インフラ整備の遅れがEVの普及を妨げている
・一方でバッテリーの低価格化が進んでいる
・日本は7割を火力発電に依存しているため、EVによるCO2削減効果への疑問やEV普及によって増える電力量を心配する声もある
・国内の乗用車総保有台数約6200万台が全部EVに置き換わったとして、1年間に必要な電力を試算すると現在の日本の年間総発電量の約1割を占める
・どの時間帯でも約9割の車両は駐車されている
・EVと家とで電力を融通し合うV2H(ビークル・トゥー・ホーム)を介してEV搭載のバッテリーの充電のみならず、家庭用電源としても利用出来る
・しかし、V2Hは非常に高価で普及はあまり進んでいない
・EVが普及すると産業構造も変わらざるをえず、その変化の規模も大きくなる(日本の自動車産業の経済規模についてはこちらを参照)
・EVシフトが進むと、雇用への打撃は避けられない

発電:
・太陽光や風力などによる再生可能エネルギー発電は天候に応じて不安定である
・太陽光発電装置は低価格化が進んでいるが、一方で原発コストは増える一方である(参照:アイデアよもやま話 No.5057 原発コストの優位性が揺らぐ!?
・太陽光などで発電した余剰電力は破棄されるケースが多い

蓄電:
・不安定な再生可能エネルギー発電での余剰電力を蓄えるバッテリーの普及が不十分である
・バッテリーはまだまだ高価である

電力消費:
・夜間の消費量は昼間のほぼ半分である
・昼間の電力需要のピーク時に大量のEVの充電(特に急速充電)が重なると電力需給のひっ迫をもたらす

(カーボンニュートラルの観点から見た今後志向すべき社会のあり方)
・太陽光を主体とした再生可能エネルギーによる発電(参照:No.4620 ちょっと一休み その717 『参考にすべき2人のノーベル物理学賞受賞者による講演 その2 20年で全ての電力を太陽光発電に置き換えられる!?』アイデアよもやま話 No.5149 無色透明の発電ガラス!
・より優れた再生可能エネルギー発電の研究・開発
・EVを中心としたゼロエミッションカーの普及
・余剰電力を蓄えるバッテリーの普及
  家庭用バッテリー
  V2H
・EVの充電・給電インフラの整備
・以下を狙いとする全国的なスマートグリッド(次世代送電網)の構築
  余剰電力の効果的な蓄電
  電力の需給バランス管理
  災害などによる停電対策
・将来の産業構造を見据えた雇用対策
・ベーシックインカム制度の導入(参照:アイデアよもやま話 No.5099 AI時代に日本が目指すべき社会のあり方!

 
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