2021年07月02日
アイデアよもやま話 No.4997 温室効果ガスの排出権取引きが過熱!
3月26日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で加熱する温室効果ガスの排出権取引きについて取り上げていたのでご紹介します。 

今、温室効果ガスの排出権取引きが過熱しています。
排出権取引きとは、企業の温室効果ガスの排出量に上限を設けて、その過不足分を取引きする市場です。
解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「(添付のグラフ「欧州 温暖化ガス排出量価格」を示しながら、)値段がすごく上がっているんですけども、背景にあるのはEU、ヨーロッパ連合の環境規制の強化を映しているわけですよね。」
「仮に日本がこの取引きに加わるとなると、日本企業は年間に2兆6000億円のお金を排出権を買うために払わなきゃいけないと言われているんです。」
「消費税にして2%分ですから相当負担が重いですよ。」
「(環境への取り組みを加速していくと、それはコストとしては仕方ないということなのかという問いに対して、)一般論としてはそう言えるんですが、誰がこの制度を作ったかというと、先ほどのEUなんですけども、例えば遠浅の海で風が一方方向だったら風力発電は有利じゃないですか。」
「そうすると、その有利なところに土俵を作って域外の国からお金を持ってくるという、実に巧みな制度設計ということになりますね。」
「(日本の2.6兆円というのもEUに吸い取られるのかという問いに対して、)その市場に入っていくわけですね。」
「環境というのはクリーンと言われているんですけど、そのお腹の中を見てみるとクリーンではなくて結構お金にさとい腹黒い部分もあるんじゃないかと思いますよ。」
「(割を食ってしまうということを覚悟して進めていくかどうかということになるのかという問いに対して、)ということですね。」
「もう一つは、日本なりの環境対策を作ってやるということも必要になってくるでしょうね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

それにしても、日本が温室効果ガスの排出権取引きに加わると、日本企業は年間に2兆6000億円ものお金を排出権を買うために払わなきゃいけないということはあまり知られていないと思いますが、とても無視出来る金額ではありません。
こうした新たな制度をつくることにかけてのEUのしたたかさには、こうした仕組みに取り組むEUの権謀術数の奥深さを感じさせます。

では日本としてどのような対策を取るべきかですが、この課題もやはり半導体市場での巻き返し(参照:アイデアよもやま話 No.4995 重要度増す半導体市場、日本にもチャンスが・・・)と同様に官民一体となって再生可能エネルギーへのシフトにまい進していただきたいと思います。
年間2兆6000億円ものお金を排出権を買うために払うくらいなら、1兆円くらいの開発費をかけてでも再生可能エネルギーへのシフトに取り組むべきだと思います。
そして、もしこれまで繰り返しお伝えしてきたように究極の発電装置(参照:アイデアよもやま話 No.2025 私のイメージする究極の発電装置とは・・・)が実用化出来るようになれば、そこには世界に向けて莫大なマーケットを手に入れることが出来るのですから、チャレンジに値する価値は大いにあると思うのです。
しかも、最近米中両大国に比べて元気のない日本を再びジャパン・アズ・ナンバーワンへと押し上げることが出来るのです。(参照:No.4968 ちょっと一休み その776 『世界の株の時価総額ランキング』
更にこうした目標設定は、若い人たちにとっても希望の光となり、大いに働く意欲を掻き立てて、それが生産性向上にもつながるのです。

添付)

欧州 温暖化ガス排出量価格


 
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