2021年06月30日
アイデアよもやま話 No.4995 重要度増す半導体市場、日本にもチャンスが・・・
3月24日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で重要度増す半導体市場について取り上げていたのでご紹介します。 

番組コメンテーターで経営供創基盤CEOの冨山和彦さんは次のようにおっしゃっています。
「元々半導体って付加価値の構成は、1つは作る側ですね、生産とか材料とか。」
「それから設計と2つあるんですけど、どちらかというと、日本は素材が強いですし、今でも製造装置メーカーとか工場の搬送とか、日本企業がトップが占めていて、こっちは強いんです。」
「ですので、今また生産のところは大事になってきていますから、今巻き返しのチャンスですね。」
「それからもう一方の設計の方なんですけど、日本が弱い部分はインテルがそうなんですけど標準的な設計をハイレベルでやるところが弱いんです。」
「ただここはグローバルに人材を集めれば本当は出来るところなので。」
「それからもう1点、巻き返すときの絶対の条件は強いリーダーシップ。」
「半導体は激しい産業なので、トップダウンで強烈な意識決定がバンバンバンと出来るようなかたちにしないと巻き返せないんで、そういったところをクリアにしていけば、私はまだまだ巻き返しのチャンスがありますし、自動車産業と並んでデジタル化が進むと頭脳ですよね。」
「すべての産業の頭脳となっていくので、本当に日本にとって重要な産業になるので、自動車と半導体、これは絶対頑張らないとダメですね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

最近、半導体は産業のコメと言われるように、これからの産業になくてはならない存在となっています。
そして、半導体産業はかつて日本企業が世界をリードしていたのです。
ところが、いつの間にか海外勢に押され、ほとんど存在感がなくなってしまいました。
その理由ですが、日本の政府も企業も半導体の重要性、あるいは将来性を見誤っていたことが最大の理由だと思います。
そして、現実に今や世界的な半導体の需要の急増に供給が追い付かず、世界的に自動車の生産が一時ストップしているという状況を招いているのです。

一方で、冨山さんは、半導体の設計分野が日本の弱点であること、そして巻き返しの絶対の条件は強いリーダーシップであると指摘しています。
ちなみに、国内の経済を活性化させるうえで、リーダーシップに優れた人材の確保はとても重要であることは以前から言われてきました。
しかし、問題はその育成方法ですが、私は大きく以下の2つがあると思っています。
・単なる暗記ではなく、自ら考えて答えを導き出す学習法、あるいはリーダーシップを育成する学習法を学校教育で重視すること
・より多くのベンチャー企業が活躍し易い環境を国が整備すること

ということで、官民が一致団結して今回ご紹介したような課題をクリアし、これからの産業界のコメとなる半導体の分野で日本企業が世界をリード出来るように、是非かつての勢いを取り戻していただきたいと思います。

 
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