2021年04月14日
アイデアよもやま話 No.4929 SDGs IPOによる日本初の株式上場!

昨年12月21日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でSDGs IPOによる日本初の株式上場について取り上げていたのでご紹介します。

なお、日付は全て番組放送時のものです。

 

12月21日、株式会社ポピンズホールディングスが東京証券取引所の第1部に新規上場しました。

保育所の運営やベビーシッターサービスを提供するポピンズは、今回SDGs IPO(Inicial public Offering 新規上場株式)という日本で初めてとなる手法で上場しました。

SDGsとは国連が定めた持続可能な開発目標で、ジェンダー(性別)の平等などを掲げています。

SDGs IPOは、上場によって調達した資金の使い道をSDGsに沿った社会課題の解決に限定する上場手法で、シンクタンクなどの第三者の評価機関が審査を行います。

中村紀子社長は次のようにおっしゃっています。

「私たちが今まで33年間やってきた「働く女性を支援していく」という社会課題の解決、これが脚光を浴びてきた、その時代になったと感じています。」

 

ポピンズは今回の上場で得た資金を保育所の増設やベビーシッターサービスのデジタル化などに使うとしています。

上場初日の終値は2773円と公開価格の2850円を下回る厳しい結果となりましたが、IPOの引受幹事を務めた大和証券 公開引受第一部の池川忍部長は、今回の上場の意義について、次のようにおっしゃっています。

「欧州の投資家からの高い関心を呼び込むことが出来ましたし、これまであまりIPOに参加してこなかったような投資家も呼び込むことが出来たと・・・」

 

また、これまで債権が中心だったSDGsに関連する資金調達が株式市場に広がることで、SDGsが企業の成長とより結びついていくきっかけになると話していました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

これまでもSDGsがらみの投資についてはこのブログで以下のように取り上げてきました。

プロジェクト管理と日常生活 No.531 『世界のビジネス界で影響を増す地球温暖化対策 その2 国際的な取り組み!』

プロジェクト管理と日常生活 No.629 『地球温暖化対策に消極的な日本!』

 

残念ながら、日本はこれまで地球温暖化対策について相対的に消極的に見られてきましたが、地球温暖化の危機から、今や世界的にSDGsやESG(Environment Social Governannce 企業・社会・企業統治)投資、あるいは持続可能な社会といったようなキーワードを拠りどころに、経済、および社会における大変革を加速化させようとする動きが高まっております。

そして、ようやく日本の政府も環境投資に向けて動き出したようです。(参照:アイデアよもやま話 No.4924 政府が率先して取り組む環境投資への呼び込み!

 

なお、今回ご紹介したポピンズの株式上場は、SDGs IPOという日本で初めてとなる手法によるものといいますが、SDGsに沿った社会課題の解決を目指す企業にとって、その活動の幅を広げるうえで日本の株式市場がとても有益になったことを示しています。

また、これまで株式投資に消極的だった人たちにとっても、SDGsに沿った企業への株式投資は、投資というかたちで社会貢献に参加出来るのですから株式市場の活性化にもつながると期待出来ます。


 
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