2021年04月08日
アイデアよもやま話 No.4924 政府が率先して取り組む環境投資への呼び込み!

昨年12月16日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で政府が率先して取り組む環境投資への呼び込みについて取り上げていたのでご紹介します。

なお、日付は全て番組放送時のものです。

 

昨年12月16日、菅総理大臣はテレビ東京ホールディングスと日本経済新聞社などが主催する「2020特別講演会」にビデオメッセージを載せ、政府が率先して環境分野に投資することで、世界全体で3000兆円とも言われる環境関連への投資資金を日本に呼び込みたいと訴えました。

政府として脱炭素の技術革新を支援する2兆円の基金を創設することや、野心的なイノベーションに挑戦する企業を10年にわたって支援することなどを挙げ、雇用と成長を促すとアピールしました。

 

こうした状況について、番組コメンテーターでニッセイ基礎研究所の主任研究員、久我 尚子さんは次のようにおっしゃっています。

「(菅総理は雇用と成長を促していきたいとアピールしていたが、今、一番心配な雇用の減少についてどう分析しているかという問いに対して、)今後、雇用の更なる悪化を懸念しているんですけど、あらためてこれまでの雇用の状況を見ていきますと(添付のグラフを参照)、今年3月頃からピンク色と水色が非正規雇用者の数を表しているんですけども、昨年と比べて減少し始めていまして、7月、8月、9月で合わせて100万人以上減少しているんですね。」

「元々非正規雇用者というのは女性が約7割を占めますので、特に女性の非正規雇用者の減少が目立つんですけども、こちらの減少した非正規雇用者の内訳を見てみますと、やはり業種としては飲食とか小売とか観光関連ですね。」

「で、そのあたりのパートアルバイトで減少しているという状況です。」

「そして、グラフをよく見ていただきますと、濃い青色の下の部分ですね。」

「3ヵ所、正規雇用者の減少が見られるようになってきました。」

「今後、この正規雇用者の減少が大きくなる可能性があると思うんですけども、先週経団連が来春の賃金引上げが難しいという方針を出しましたし、今、早期退職を促す企業、希望を募る企業も出てきました。」

「そして、新卒の内定率は下がっています。」

「ですので、今はあまり大きな変化ではないんですけど、正規雇用者の減少という可能性が出てきています。」

 

「で、コロナ禍における労働政策として、これまで雇用調整助成金など、いかに雇用を守って失業者を出さないかというところに力点が置かれてきました。」

「で、今後は第三次補正予算案にも盛り込まれましたけれども、デジタルなど成長領域への労働移動を促すような、例えば教育ですとか、職業訓練などですね。」

「で、そのあたりを充実させて、より幅広いかたちでも労働政策をしっかりと進めていく必要があると思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

久我さんの指摘されている内容を以下にまとめてみました。

今後、雇用の更なる悪化を懸念している

・非正規雇用者の数は昨年と比べて7月、8月、9月で合わせて100万人以上減少している

・その内訳は、業種としては飲食とか小売とか観光関連である

・新卒の内定率は下がっている

・今後、この正規雇用者の減少が大きくなる可能性がある

・今後はデジタルなど成長領域への労働移動を促すような、教育や職業訓練などを充実させて、より幅広いかたちでも労働政策を進めていく必要がある

 

こうした中、政府が率先して環境分野に投資することで、世界中から環境関連への投資資金を日本に呼び込みたいとしています。

同時に、政府は脱炭素の技術革新を支援する2兆円の基金の創設や野心的なイノベーションに挑戦する企業を10年にわたって支援することなどを挙げ、雇用と成長を促すとしています。

 

こうした政府の政策の方向性は正しいと思いますが、その実施はすぐには成果に結びつきません。

一方、新型コロナウイルス感染拡大の収束はまだいつ頃になるか分からない状態が続いています。

ですから、当分の間は非正規雇用者、および正規雇用者の中で失業された方々に対する国による生活支援が求められます。

同時に、経済活動の主体はあくまでも個々の企業ですので、政府の支援を最大限に活用して、コロナ禍においても新たな需要、および雇用を生み出すことの出来るような、より多くのバイタリティ溢れるベンチャー企業の登場が待たれます。


添付)

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