2020年08月26日
アイデアよもやま話 No.4731 “新しい生活様式”への対応事例!

5月18日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“新しい生活様式”への対応事例について取り上げていたのでご紹介します。 

 

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、今後求められるのが“新しい生活様式”への対応です。

5月にリニューアルオープンした居酒屋、KITHIRI(きちり 東京・新宿区)では、来店したお客はまず除菌トンネルを通ります。

入り口には消毒にも使われる次亜塩素酸水のミストシャワーを設置しました。

他にも接触機会を削減する様々な工夫がされています。

客席には飛沫感染を防ぐアクリルの仕切りを準備、なるべく正面に座らないように促します。

きちりホールディングスの城所将太さんは次のようにおっしゃっています。

「目と目で乾杯していただけたらなと思っております。」

 

お客と店員の接触を避けるため、お客は自分のスマホを使って注文します。

料理は、通路に置かれた料理を自分でテーブルに載せます。

また最近人気の“オンライン飲み会”をお店でも出来るように、希望者にはタブレット端末を無料でレンタル、顔を明るく見せるためのライトも貸してくれます。

緊急事態宣言が解除されていない東京(番組放送時)で、こうしたお店を営業することによって、お客がどれくらい戻って来るか見極めたい考えです。

城所さんは次のようにおっしゃっています。

「今、この時期だからこそ、出来るおもてなしとしましてはいかにお客様に非接触で接客をさせていただくか、今まで来て下さっているお客様にいち早く安心してご来店していただくような対策をしていきたいなと思っております。」

 

“新しい生活様式”を意識した取り組みはビジネス習慣でも見られます。

普及が加速しているビデオ会議システムを使った商談や会議です。

ただ、こうしたオンラインでの商談では普段行う名刺交換が出来ず、相手の部署や肩書を確認しにくい課題があります。

ところが、こちらの画面をよく見ると、参加者の背景にQRコードが表示されています。

それをスマホのカメラで読み込むと、スマホに名刺が表示されました。

これは名刺管理アプリ「Eight」を手掛けるSanSan株式会社が5月から始めたオンライン名刺交換の機能です。

SanSanの大津裕史執行役員は次のようにおっしゃっています。

「我々が想定した以上にオンライン会議でも名刺交換が出来る機能が欲しいという声をいただきました。」

 

事前にQRコードが表示される背景写真を作成しておくと、オンライン会議でも簡単に名刺交換出来るのです。

背景にQRコードを表示出来るのは、今はZoomなど一部のソフトに限られますが、名刺を表示するURLをチャットで送ることでも名刺交換出来ます。

大津さんは次のようにおっしゃっています。

「オンラインでの名刺交換が広まると、もしかしたらコロナの前の従来のかたちよりもビジネスがスムーズに力強く進む可能性があるんじゃないかなと思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今回、飲食業とビジネス会議という新型コロナウイルス対策の2つの事例をご紹介しましたが、これらは飲食業で言えばお客と店員など全ての当事者における「3密」の回避をするための対策なのです。

ですからどんな業種であっても、こうした対策が徹底されていれば、新型コロナウイルスに感染するリスクは格段に少なくなるのです。

例えば、飲食業界においては、国や自治体から出された「3密」回避ガイドに沿って具体的にどのような対策をしているのかをお店の入り口などに表示してあれば、お客はそれを見て安心して入れるかどうかを判断出来ます。

 

さて、最近テレビの報道番組などを見ていると、出演者の「3密」回避対策として、リモート出演しているケースをよく見かけますが、ほとんどの場合、画像も音声も違和感なく見ていられます。

勿論、出演者は従来のように実際に同じ場に居合わせてのやり取りの方がやり易いと思います。

しかし、出演者の新型コロナウイルスの感染対策のみならず、スタジオとの間の往復の移動時間が不要になることを考えれば、こうしたテレビ番組の対応は納得出来ます。

これなどはオンライン会議と同様のシステムを使用していると思います。

そして、社内会議にしてもお客様との会議にしても討議の流れがスムーズでなければなりません。

しかし、オンライン会議システムはモニター上での資料の表示なども含めて今やかなり進歩しているので問題ないと思われます。

そうした中、今回ご紹介した名刺交換機能はこうした流れの中で的を射ていると思います。

更に、この機能を名刺交換アプリにつなげれば、名刺の管理作業からも解放されます。

また、使用する資料においても完全に紙の媒体から電子化に移行されるので、資料の管理も容易になります。

 

一方、アイデアよもやま話 No.4725 電子契約でハンコが不要に!でもお伝えしたように、契約プロセスもハンコ不要のオンライン化に向けた動きが始まっています。

また、株主総会や講演会なども新型コロナウイルスの影響で今年はオンライン開催がかなり多いようです。

私も今年はある企業の株主総会にオンラインで参加しましたが、ほとんど違和感はありませんでした。(参照:アイデアよもやま話 No.4683 これからはバーチャル株主総会が主流になる!?

ですから、来年以降も会場まで1時間以上かけて行くよりも自宅でのオンライン参加をしようと思っています。

しかも、オンライン開催の場合、録画も公開されているので興味のある箇所は繰り返し見ることが出来るのです。

 

ということで、新型コロナウイルスを機に、あらゆる分野においてDX化(参照:アイデアよもやま話 No.4721 コロナ後の日本にとって必要なこととは・・・)が加速すると思われます。

このことは、全てがデジタル化されることがベストということではなく、デジタルと非デジタルという2つの世界の中で、私たちはケースバイケースで利用する選択の幅が広がるということを意味しているのです。

番組でも指摘されていますが、このDX化は間違いなく私たちの生活の向上、および日本全体の生産性向上に寄与すると思います。

そして、現在はこうした動きが断片的に出て来たところで、本格的なDXはまだまだこれからなのです。

ですから、今はDX化の過渡期と言えるのではないでしょうか。

こうした過渡期こそビジネスチャンスなのです。

この絶好のチャンスをつかんで成長するベンチャー企業が登場してくると私は期待出来ます。


 
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