8月5日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で紙でできたエコバッグについて取り上げていたのでご紹介します。
一見普通の紙袋のようですが、宇宙でも使われている技術が使用されているといいます。
この紙袋を開発したのは紙を専門に扱う日本紙パルプ商事株式会社です。
一体どんな技術なのでしょうか。
日本紙パルプ商事の柴田
良祐さんは次のようにおっしゃっています。
「この紙袋には“ミウラ折り”という技術が使われているんです。」
「“ミウラ折り”というのは、紙をコンパクトに折りたたむことが出来まして、簡単に展開が出来るという技術なんです。」
「人工衛星の太陽光パネルの開閉にも使われているんですよ。」
“ミウラ折り”というのは、折り目がジグザグになっていて、地図などにも使われている折り方です。
通常、“ミウラ折り”は1枚の紙を折るのに使われるのですが、2枚重なった紙袋に折り目を付けるのが難しかったといいます。
紙でも丈夫で、何度でも開いたり閉じたりしても破れにくいので、エコバッグとしても使えます。
通常のエコバッグは石油からつくられるナイロン製のものが多いのですが、紙にすることで環境により優しくなります。
柴田さんは次のようにおっしゃっています。
「どうしても紙袋というのは使い捨てですとか、一度だけ持ち帰って捨ててしまうというような文化が、そしてイメージがついているなというところがあります。」
「で、その紙袋を何度でも使えるような紙袋にすることで、地球環境への貢献を進めていければなと・・・」
企業のノベルティ(企業が無料配布している、商品名などを入れたグッズ)など法人からの注文は既に受け付けを始めていて、個人向けの販売も計画しているということです。
ちなみに、商品名は「OLPACK(オルパック)」で一般販売価格は500円前後、そして発売時期は未定といいます。
なお、今回ご紹介した“ミウラ折り”は東京大学
宇宙航空研究所の三浦 公亮名誉教授が考案したということで、宇宙でも採用されているといいます。
また、折り目が重ならないというところがポイントだといいます。
「オルパック」ですが、和柄のものも開発中で、外国人をターゲットにしているということです。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今や地球環境問題は世界的に注目されています。
中でも注目されているのは、石油由来の製品、例えばプラスチックストローや海に捨てられたプラごみによる弊害です。
ちなみに、海洋プラごみの弊害については:No.4290 ちょっと一休み その692 『海洋プラごみは1年間に1200万トンにも!』などで、これまで何度かお伝えしてきました。
また、プラスチックストローの代用として、アイデアよもやま話 No.4297 環境に優しい木材ストロー!で木材ストローをご紹介しました。
さて、スーパーなどで今は無料でもらえるプラスチック製のレジ袋については、国の方針で来年7月1日から全ての小売店で有料化されるといいます。
ですから、スーパーなどでの買い物の際はレジ袋の有料化後は自前の買い物袋、「マイバッグ」を持参するのが主流になると思います。
その際、買い物袋を購入するうえで考慮すべきは以下の4点です。
・かさ張らず、軽くて持ち運びがし易いこと
・破れにくいこと
・広げたり、たたんだりし易いこと
・低価格
では、紙でできた「オルパック」はこの観点からいかがでしょうか。
価格以外はクリアしそうです。
なので、発売時期は未定といいますが、妥当な価格であれば、かなりの引き合いが期待出来そうです。
さて、プラスチック製品はこの他にも、ペットボトルや商品用袋など、まだまだ沢山あります。
これら一つひとつを地道に紙などの代替品で置き換えていくことがとても大切なのです。
こうした取り組みと並行して、当分の間は廃プラスチックのリサイクルもしっかりとなされなければならないのです。(参照:アイデアよもやま話 No.4195 危機的な状況にある廃プラスチックのリサイクルの実態!)