2018年12月10日
アイデアよもやま話 No.4195 危機的な状況にある廃プラスチックのリサイクルの実態!

8月8日(水)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で危機的な状況にある廃プラスチックのリサイクルの実態について取り上げていたのでご紹介します。 

 

家庭から出されるペットボトルは分別されて国内できちんとリサイクルされているんですが、職場やコンビニなどから出るペットボトルは中に飲料が残っていたり、お弁当の容器と一緒に捨てられていたりするので、国内のリサイクルには回すことが出来ないものもあるといいます。

それらは廃プラスチックとして中国に輸出しています。

ただ、その中国が昨年の暮れに突然廃プラスチックの受け入れを禁止しました。

 

果たして国内で廃プラスチックの処理が出来るのか、現場にカメラを入れると驚くべきリサイクルの危うさが浮かび上がってきました。

廃プラスチックを輸出してきた日本、その約8割は中国に送られ、リサイクルされてきました。

その量は年間約130万トンに上ります。

ペットボトルやポリタンクのプラスチックは中国の業者がきれいに洗浄し、細かく分解、再びプラスチック製品にするための素材、ペレットに作り替えます。

廃プラスチックの中には汚れたままのものも多く、洗浄液を使って出た排水はそのまま川に流されていました。

このため環境汚染や健康被害が懸念されるようになりました。

中国政府は昨年12月末に廃プラスチックの輸入禁止に踏み切りました。

中国に輸出出来なくなったことで、日本のリサイクルの現場には混乱が広がっています。

都内大田区にある廃棄物処理会社では、オフィスや小売店などから出たプラスチックを集め、月に200トンほどを洗浄しないまま中国に輸出してきました。

行き場を失った汚れたままの200トンほどのプラスチック、洗浄する設備を自社で整えることは資金面で難しく、この会社に残されたリサイクルの選択肢はほとんどありません。

まず始めたのが袋や包装フィルムなど、軽くて燃えやすいプラスチックだけを選び、セメント工場などで燃料として使うリサイクルです。

しかし、持ち込める工場が少ないため処理出来るのは200トンほどのうちの5%に止まります。

残りの95%はリサイクルを諦め焼却施設に持ち込むことにしました。

しかし、そこで新たな問題が発生しました。

同業者から持ち込みの依頼が殺到し、今後全ては引き受けてもらえない恐れが出て来たのです。

焼却施設は焼却炉の性能から1日に処理出来る量を厳密に定めているからです。

焼却も出来なければ、最後は埋め立て処分場に持ち込むしかありません。

しかし、ゴミとして埋め立てれば環境汚染の懸念が残るため、出来れば避けたいと廃棄物処理会社、東港金属の社長、福田 隆さんは考えており、次のようにおっしゃっています。

「もうこれ以上になると、受けきれないレベルにもうなってきます。」

「もうまさに今、瀬戸際のところまで来ているというような状況です。」

「非常にじくじたる思いというのか、我々の本意ではないですね。」

 

不適切な処理だと指摘されるケースも出てきました。

福島県南部の町、山間の土地で昨年建設資材とみられる大量のプラスチックが粉砕された状態で見つかりました。

発見した福島県が廃棄物と見られる大量のプラスチックを持ち込んだことは不適切だとして、業者に対し行政指導しました。

県によると業者も不適切だったと認め、撤去を始めました。

町は不審な動きがあれば、警察に通報するため、町内11ヵ所に監視カメラを設置し、警戒を続けています。

 

先が見通せない国内での廃プラスチックのリサイクル、環境省は8月に輸出出来なくなった廃プラスチック処理の実態調査に乗り出しました。

国内のリサイクル市場を拡大させるためには何が必要か、検討することにしています。

環境省廃棄物規制課の成田 浩司課長は次のようにおっしゃっています。

「今回、間違いなく危機にあると思いますので、廃プラスチックの処理能力を増やすための施設の新設・増設、そういった点を調べたいと考えております。」

 

もはや個人がペットボトルの分別を頑張ったとしてもこれでは限界があります。

欧米ではこれまでのところ、プラスチック製のストローを止めようといった“脱プラスチック”の動きが広がっている他、企業が自らこれ以上は新たなプラスチックを増やさないという取り組みも始めています。

アメリカに本社がある大手飲料メーカーでは、自社のペットボトルを自ら回収し、再びペットボトルにしています。

コストをかけてでもこうした取り組みをする背景には、“環境に優しい”というブランドイメージを上げるだけではなく、投資家の評価が得やすいということもあって、自社だけでなく他社のペットボトルまで回収してペットボトルにしているといいます。

 

もはや中国頼みのリサイクルが限界となった今、持続可能な仕組みに作り替えるには、私たちを含めて社会全体の意識を変える必要がありそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

いずれ枯渇する化石燃料を使用する火力発電は稼働出来なくなり、世界的に原発事故の危険性が認識されている中、そして環境破壊や地球温暖化が進んでいる中、エネルギーや環境、およびCO2排出量削減に係わる課題は今や世界的に大きなものとなっています。

そして目指すべき方向は明らかで“持続可能な社会”の実現です。

 

こうした中、廃プラスチックを輸出してきた日本、その約8割は中国に送られ、リサイクルされてきました。

しかし、その中国が環境汚染や健康被害が懸念されるようになり、中国政府は昨年12月末に廃プラスチックの輸入禁止に踏み切ったのです。

そして中国に輸出出来なくなったことで、日本のリサイクルの現場には混乱が広がっているというのが現状です。

 

そもそも“持続可能な社会”の要件の1つは、“地産地消”、あるは“国産国消”が原則であり、同時に消費した後の廃棄物の処理も含めた対応が求められます。

ところが、現状では廃プラスチックの処理については、国内で処理するよりも人件費の安い中国に輸出していたことから、今回のような問題が起きているのです。

 

“持続可能な社会”においては、個々の製品の製造から加工、物流、消費、およびその後の廃棄まで含めたプロダクトサイクル全体のプロセスにおいて、3R、すなわちReduce、Reuse、Recycleが徹底されなければならないのです。

ですから、そもそも廃プラスチックに限らず、廃棄物の処理を中国など他国に依存すること自体が間違いだったのです。

 

ではどのような対応策を実施すべきかですが、企業の中には率先して個別に対応策を実施しているところも出て来ています。

また、環境省もようやく8月に輸出出来なくなった廃プラスチック処理の実態調査に乗り出しました。

しかし、根本的な対応策は現行のプラスチックに替わる素材を使用した、環境に負荷のかからないストローやペットボトルなどの実用化です。

そこで思い出されるのは、アイデアよもやま話 No.4118 “脱プラスチック”の新素材を開発した日本のベンチャー企業に商機!でご紹介した、株式会社TBMにより開発された「LIMEX(ライメックス)」という新素材です。

ちなみに、この新しい「LIMEX」は既にEUから注目を集めているといいます。

ですから、この「LIMEX」の実用化に向けて、国も積極的に支援するかたちで早急に実用化に向けて取り組み、世界展開を図っていただきたいと思います。


 
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