2019年04月08日
アイデアよもやま話 No.4297 環境に優しい木材ストロー!

これまでアイデアよもやま話 No.4118 “脱プラスチック”の新素材を開発した日本のベンチャー企業に商機!などで、何度となくプラスチックのストローの環境への影響、およびその対応策についてお伝えしてきました。

そうした中、昨年12月11日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で木材ストローについて取り上げていたのでご紹介します。

 

触ってみるとプラスチックのストローと同じように柔らかい、木材を使った使い捨てのストローが開発されました。

あまり香りのないスギの木を使っているので、匂いが気になることはないといいます。

開発したのはアキュラホームで、住生活研究所長の伊藤 圭子さんは次のようにおっしゃっています。

  1. 15mmの木材を丸めて作ってあります。」

 

木材を薄く削ったものをらせん状に巻くことで強度を保ち、木目も生かしたストローとなりました。

ストリーには、昨年7月の豪雨災害で倒れた木や森林の木の成長のために間引きされた間伐材を使っています。

今年1月から導入が決まった東京・永田町にあるザ・キャピタルホテル東急も開発中からいろいろと注文を付けたようで、総支配人の末吉 孝弘さんは次のようにおっしゃっています。

「肌触りが良くないとか、ちょっと吸いづらいねとか、申し訳なかったんですが、こうして下さい、ああして下さいって、うるさいことを言って・・・」

 

この木材ストロー、まだ1本数十円と高価ですが、普及を進め、コストを抑えていきたいということです。

伊藤さんは次のようにおっしゃっています。

「こういったホテルみたいな付加価値を大事にするところから入っていただいて、(2020年の)オリンピックが来ますので、その時には日本に来られたお客様がこれを見ていただいて、「日本さすが!」と言って帰っていただけると・・・」

 

元々は、環境ジャーナリストの竹田 有里さんがこの木材ストローを発案したそうなのですが、それを木材住宅を手掛けるアキュラホームに提案して、今回のプロジェクトに至ったということです。

番組コメンテーターで日本総研のチェアマンエメリタス、高橋 進さんは次のようにおっしゃっています。

「ストローに限らず、日本は木をもっと活用すべきじゃないかと思うんですよね。」

「日本に戦後植林されて、大量に伐採適齢期になった木があるんですよ。」

「ですから、今こそ林業を成長産業にするチャンスだと思うんですよ。」

「で、オリンピックでストローを紹介するのもいいんですけどもね、万博でパビリオンを全部木で作るとか、日本の木を大々的に紹介してもいいんじゃないかと思うんですけどもね。」

「(国有林も)民間に任せて大量に伐採して、木を供給しているということも検討されているようですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに木材ストローは大量に伐採適齢期になった木の有効利用としてとても理に適っていると思います。

しかし問題はその価格です。

1本数十円ではとてもビジネスとして成り立ちません。

せめて現行のプラスチックのストローの2倍くらいの範囲内に抑える必要があります。

また、アイデアよもやま話 No.4017 アイデア方程式 病気×?=曲がるストロー!でもお伝えしたように、手の不自由な方のためには、ストローには曲がる機能も必要です。

ですから、目指すべき理想的なストローとしては以下の要件を満たす必要があります。

・現行のプラスチックに代わる、環境に優しい素材を使用すること

・現行のプラスチックのストローと同等、あるいはそれ以下の価格であること

・ストローが曲がること

 

同時に、高橋さんの指摘されているように、ストローだけでなく、他の商品についても大量の木材を活用した林業を成長産業にするという方針で、その一端を東京オリンピック・パラリンピック、あるいはその後の大阪万博で海外の方々に披露することを目標に掲げれば、大いにやる気が盛り上がると思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています