2019年12月05日
アイデアよもやま話 No.4504 日韓対立の真相 その1 ファクトフルネス”が機能しない韓国!

アイデアよもやま話 No.4490 “ファクトフルネスの必要性!で事実や最新の統計を基に物事を見る習慣をつけること、すなわち”ファクトフルネス”についてご紹介しました。

そして、アイデアよもやま話 No.4491 “ファクトフルネスの必要性を示す2つの事例!では、事例の一つとして今進行中の日韓問題についてご紹介しました。

また、アイデアよもやま話 No.4492 日韓のGSOMIA、望まれる2日後の失効回避!ではGSOMIAの失効は何としても避けるべきであるとお伝えしました。

この問題については、幸いなことにアメリカから韓国への強烈な圧力により失効予定前日に韓国政府は延期を公表しました。

この現在の日韓対立について、8月15日(木)、および8月16日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「日韓対立の真相」をテーマに2回にわたって取り上げていました。

そこで、これまでお伝えした日韓問題を補足する意味で日韓対立の真相について2回にわたってご紹介します。

1回目は、8月15日(木)放送分を通して、“ファクトフルネス”が機能しない韓国についてです。

 

韓国内は、今や“反日派”と“親日派”とに二分されています。

そうした中、韓国では今YouTubeでニュースを見る人が増えていて、10人中4人にも上るという統計が出ています。

その背景にあるのが、既存のメディアや現政権の幹部が事実を伝えない、いわゆるフェイクニュースが溢れているという不満です。

例えば韓国与党議員の崔 宰誠(チェ ジェソン)さんは次のような発言をしています。

「東京の放射線量が基準値より何倍も高く、検出されたとの報道があるため、(東京への旅行規制を)検討する必要がある。」

 

韓国メディアが「信ぴょう性はあるのか」とこの発言を問題視したため、この議員は釈明に追い込まれました。

この状況に、文 在寅(ムン ジェイン)大統領も次のような発言をしています。

「根拠のないフェイクニュースや虚偽の情報、誇張された見通しが市場に不安を与えることを警戒すべきである。」

 

こうした中、番組取材班はあるニュース番組の撮影現場を訪れました。

実はこの番組、YouTubeのみで放送されているニュース、その名も「ペン&マイク」、チャンネル購読者は50万人、そのほとんどが20〜30代の若い層です。

「ペン&マイク」では、徹底的にフェイクニュースを検証しています。

鄭 奎載(チョン ギュジェ)代表は次のようにおっしゃっています。

「(ネット上の他のニュースを見ながら、)文大統領が福島原発事故で1368人が死亡したと主張したが、それはフェイクニュース、これもフェイクニュース。」

「文大統領が「韓国は経済的不平等が最もひどい国」だと言った。」

 

鄭代表は、文大統領の発言は事実と異なるフェイクニュースだと主張します。

「ペン&マイク」を立ち上げた鄭代表は、大手新聞社で主筆を務めた経歴の持ち主で、反文在寅を掲げ、保守系の中では名の知れた人物で次のようにおっしゃっています。

「今の文在寅政権は、フェイクニュースが作り出した政権です。」

「韓国人は気づかないまま、日本に関する嘘の情報に基づいて反日キャンペーンや日本との葛藤に翻弄されている。」

 

立場の違いによって、日本に対する意識がかなり異なっているのが今の韓国なのです。

では、今、韓国の若者は日本をどう捉えているのでしょうか。

解説キャスターで日経ビジネスの編集委員の山川 龍雄さんは、韓国の20代の学生や社会人、4人に集まってもらいました。

そして、「日本が好きか」という質問に対して全員が手を挙げました。

しかし、「日本に対する不買運動に参加したことがあるか」という質問に対しては1人だけ手を挙げました。

この他にも街中でいろんな人に話を聞いた山川さんは次のようにおっしゃっています。

「年配の人も含めて10人以上は聞きましたけど、全体として本音で反日の人っていうのは限られているのかな。」

「ただ、今、全体の雰囲気として親日的な行動は取りづらい。」

「「日本に今旅行に行きます」っていうのは言いづらい。」

「そういう雰囲気があるのかなっていうのは感じましたね。」

「一番私が残念だったのは、会う人、会う人に必ず輸出管理の強化について聞いたんですよ。」

「やっぱり理解されていない。」

「これって、結局日本は輸出を禁止しているわけじゃないじゃないかと。」

「で、輸出も再開されているし、最終的にサムスンみたいな会社は実害はほとんどないじゃないかという話をしたんですけども、かなり親日的な人でもこれについては「いや、これは日本の経済的な報復である」と、ここは譲らないんですね。」

「ここから先、細かいことを調べようというところには行かないという感じがしたんですよね。」

「(この状況をどう打開出来るのか、改善策はあるかという問いに対して、)正直、身も蓋もない言い方をしてしまうのかもしれないんですけども、韓国が文大統領政権の間、あるいは日本が安倍政権の間というのはかなり政治的に修復するのは難しいのかなというのが、私の取材した実感なんですね。」

「で、現地では今「No Japan」というスローガンが「No Abe(安倍)」というところに変わりつつあるんです。」

「で、その心は何かというと、日本人に対しての自分たちの何か対峙しているのではなくて、あくまでも安倍政権に対して批判しているんだということをよりくっきりさせたいっていう思いのようなんですけども、今日韓の双方で政治的な対立と経済の部分、あるいは民間の交流、文化の交流、こういうものを切り分けようという空気はあるので、それがベストなシナリオではないですけども、冷静になってその部分で全体をこれ以上悪くならないように管理していくというのが現実解じゃないかなと感じました。」

「(以前、日本と中国の関係が悪化した時に“政冷経熱”という言葉が使われ、政治は冷え込んでも経済は熱い、日韓関係もまずは経済だけでも温めていく必要があるのではという指摘に対して、)おっしゃる通りで、今“政冷経冷”になりかけているので、これをもう一度“政冷経熱”までは引き戻すという努力が、その知恵が問われていると思いますね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

日本政府は今年7月に輸出管理上の優遇対象国から韓国を除外する措置として、半導体材料3品目の対韓輸出管理の厳格化を発動しました。

この日本政府による輸出管理強化について、当初韓国政府、および多くの韓国の国民の間には韓国経済に多大な影響を与えると思われていましたが、事実は違います。

11月26日(火)放送の「ひるおび!」では、3品目のうち、フッ化水素のみが日本からの輸出量がほぼゼロまで激減していますが、他の2品目はむしろ昨年に比べて増えていると報じています。

ということで、輸出管理強化による韓国経済への直接的な打撃はないと言えます。

要は、韓国の企業がきちんと輸出管理上のルールを守ればそれで済む話なのです。

 

韓国の政府、あるいは報道機関はこうした事実を公表していないようです。

逆に韓国政府は反日を煽るようなフェイクニュースを垂れ流し続けているように思います。

 

こうした状況において、徹底的にフェイクニュースを検証する「ペン&マイク」の存在はとても貴重です。

また、一部の若者とはいえ、「ペン&マイク」の購読者が50万人という数字は無視出来ません。

 

なお、ファクトフルネスは韓国だけの問題ではありません。

その重要性は日本においてもとても重要です。

何事においても事実に基づいて物事に取り組むべきなのです。

 

さて、番組の中で“政冷経熱”という発言がありましたが、この言葉の狙いとするところは外交において、とても重要だと思います。

日韓問題は韓国による不正な貿易管理の是正をきっかけに日本製品の不買運動や国家間の安全保障に飛び火しているのでまさに“政冷経冷”状態です。

一方、米中間においては、政治、経済、軍事などいろいろな側面で覇権争いが起きています。

そしてフェイクニュースが氾濫すると、それだけ多くの国民が誤った情報をもとに現状を把握してしまうことになるので、覇権争いをエスカレートさせてしまうリスクが高まります。

 

ということで、どこの国民であるかは問わず、特に感情が高ぶり易い人たちにおいては、常にファクトフルネスを意識して様々な情報に接して欲しいと思います。


 
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