2019年11月21日
アイデアよもやま話 No.4492 日韓のGSOMIA、望まれる2日後の失効回避!

一連の報道によると、そもそもGSOMIA(軍事情報包括保護協定)とは、国家間で安全保障に関する情報を共有・保護するための協定であり、2016年に日本と韓国の間で初めて締結された軍事協定です。

そして、この協定にはアメリカも自国の安全保障上メリットがあることから支持してきました。

 

ところが、韓国は日本が7月に断行した対韓輸出規制強化措置により、両国の安全保障上の信頼関係が損なわれたとして、8月にGSOMIAの終了を決定しました。

日本だけでなくアメリカもGSOMIAの維持を求めていますが、韓国は輸出規制強化措置の撤回が必要との立場を崩していません。

 

一方、11月19日(火)付けネット記事(こちらを参照)によると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は19日夜に行った「国民との対話」で、23日0時に失効期限を迎える日本とのGSOMIAについて、「GSOMIAが終了する事態を回避出来るなら、最後の瞬間まで努力する」と述べたといいます。

 

常識的に考えれば、GSOMIAの破棄は日米韓の3国いずれにとってもディメリットはあってもメリットはないので文大統領による無謀な決断と言えます。

しかし、敢えてこうした決断をした裏には次の2つの背景があるように思います。

・韓国がGSOMIAの破棄を決断すれば、アメリカが日韓の仲裁に乗り出し、日本の対韓輸出規制強化措置についての再検討を促してくれると見込んだこと

・反日感情の高まる中、現政権を維持する上で、半数以上の韓国の国民がGSOMIAの破棄を支持してくれると見込んだこと

 

一方、日本政府も対韓輸出規制強化措置の効果について読み違いをしたのではないかという専門家の意見もあります。

対韓輸出規制強化措置の与える韓国経済への影響の大きさから、韓国政府、および韓国国民は元徴用工問題について妥協してくるものとの期待がはずれ、韓国が国を挙げて反日に走り出し、そのお蔭でこの問題発生以前に経済政策などで成果の出せない文大統領の息を吹き返させてしまったような状態をもたらしたという見解です。

こうしたことから未だに韓国では反日が幅を利かせているようです。

同時に、この問題の長期化により日本経済への影響が少なからず出て来たことです。

具体的には韓国における日本企業の売り上げ、および韓国から日本に訪れる観光客数の大幅な減少です。

 

さて、いずれにしても繰り返しになりますが、GSOMIAの破棄は日米韓の3国いずれにとってもメリットはないのです。

そして、その失効は2日後の11月23日です。

 

ではこの場に及んで何かアイデアはないのでしょうか。

ここで思い出されるのは、これまで何度となく繰り返しお伝えしてきた次の言葉です。

 

アイデアは存在し、発見するものである。

アイデアは既存の要素の組み合わせである。

 

そこで、私が思い付くのはとても平凡なことです。

そもそも今回の問題のきっかけとなった日本による対韓輸出規制強化は、日本側が韓国に対して輸出管理の不備を何度か指摘してきましたが、韓国側が応じず、政策対話などの場で十分に協議することが出来ず、止む無く輸出管理の厳格化を韓国に求めた措置といいます。

しかし、政府関係者の中には、元徴用工問題の対応の一環の政策だという声もありました。

このことが韓国の反日の流れを大きくしたと言われています。

 

いずれにしても韓国サイドは対韓輸出規制強化措置を大きな問題として捉えており、その対応策としてGSOMIAの破棄を決断したのです。

そして、日本政府は韓国がきちんと輸出管理の厳格化をするようになれば、対韓輸出規制強化措置を解除すると明言しているのです。

ですから、期限を決めて、対韓輸出規制強化措置を早急に解除出来るような対策を検討する日韓合同チームを立ち上げ、そのチームで解除予定時期も検討し、その時期まではGSOMIAをひとまず延長するように日本政府から提案するのです。

 

そして、もし、この日韓合同チームが望ましい成果を上げたら、これをきっかけに元徴用工問題など他の問題についても同様に検討することを日本政府から提案するのです。

 

こうした問題で最も被害を被るのは、それぞれの国の企業や国民なのです。

そもそも政府の取り組むべきは、自国の国民の豊かさ、および安全保障です。

ですから、こうした状況においてこそ、日韓両国の首脳が最も知恵を絞ることが期待されているのです。

ですから、長期的な観点、および理性的な観点から、日韓両首脳には国民の感情に流されることなく、決断が求められるのです。

 

非常にタフな作業となりますが、まずは対話に始まり対話で終わることこそ最良の解決方法なのです。


 
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