2024年04月16日
アイデアよもやま話 No.5870 “裏金”問題解決のカギはデジタル化!?
”政治とカネ”問題については、アイデアよもやま話 No.5860 ”政治とカネ”問題 その1 裏金問題で明らかになった”疑惑の方程式”!、そしてアイデアよもやま話 No.5861 ”政治とカネ”問題 その2 裏金は何のため?などでお伝えしてきました。
そうした中、昨年12月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で河野太郎デジタル大臣をゲストに自民党の裏金問題をテーマに取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

自民党の裏金問題について、河野デジタル大臣は次のようにおっしゃっています。
「この問題は政治資金を、本来ルールに則って報告書にきちんと記載をする、それをすれば何の問題もない。」
「ルール通りにきちんとしているということが記載をされなかった。」
「言わば、裏金になってしまったということですから、これはもうきちんと膿を出し切って、何が起きたかということを解明をして、しっかりそれを明らかにするということと、本来、みんながルール通りにやっていれば、問題がなかったんですが、こういうことが起きてしまったというとは、やはり少しルールを厳しくせざるを得ないというふうに思います。」

「(具体的に必要なことについて、)本来はルールに則ってきちんと報告をすることが前提で政治資金法が運用されていたわけですが、それを守らなかったという議員がいたわけですから、守られなかった時に何らかの罰則を付けるということもあるでしょうし、あるいは現金だとどうしても、こういうことが起きてしまいますから、それを何らかの、銀行振込みなのか、デジタル化なのか、きちんと流れが分かるようなやり方にしていく、というのも一つの考え方かもしれません。」
「今、デジタル庁と総務省でこの政治資金のデジタル化、今、例えば収支の報告をするのはオンラインで出来るんですけも、その際に例えば、寄付を頂いた方の寄付金控除の書類はいまだに紙にハンコを押して、お渡しをするという状況になってますから。」
「結局、オンラインで届け出をしても、その後はアナログでやらなきゃいけないので、だったら全部アナログでやっちゃう方が面倒くさくないよねって言うのが今の現実でもありますので、そこまで含めてデジタル化をするのか。」
「それから、今の公開は、各県の選挙管理委員会単位でやっている部分があって、いまだにPDFですら公開してないというところがありますから、その辺のルールづくりにも横串をある程度通していかなければいけない部分があると思いますんで、そこは少しデジタル庁と総務省でしっかり何が出来るか検討しなければいかんと思っています。」

「(派閥の必要性について、)派閥にはいくつかの機能があって、1つは情報をどう流すか。」
「例えば、国会がこういうスケジュールになりそうだというところを派閥から国会対策委員会に出ている議員が早くフィードバックをしてくれるという情報交換の場ということ。」
「それから今のパーティ券のように、若手の議員の資金面であったり、あるいは選挙の時の支援だったり、困ってる時の相談に乗るというような機能。」
「それから党の人事であったり、人事に派閥で係わってくるという、いくつかの機能があると思います。」
「ですから「派閥を無くすぞ」と言っても何らかのグループはあるわけで、それをどう呼ぶかということになる可能性はありますね。」

「(隠さなければならないお金(裏金)の必要性について、)例えば、地元で事務所を構えて、そこに秘書がいて、事務所の家賃、それから秘書が動くガソリン代、それから有権者に国政の報告をする。」
「そうすると郵便料金が上がるという話もありますが、後援会の人にいろいろなものを送る郵送代。」
「いろんなお金がかかっているのは現実で、それは残念ながら公費負担ではないものですから、自分で捻出をして、そうしたことをやらなければならないという現実があるということはご承知をいただきたいと思います。」
「ただ、そのために個人献金であったり、パーティであったり、いくつかの収入の方策があるわけですから、それはルールに従ってきちんとやるっていうのが大前提だと思いますね。」

“政治とカネ”問題について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「やっぱり、政治資金収支報告書をデジタル化するということを河野さんは言ってましたけど、これを本気でやって欲しいですね。」
「日本経済新聞社の調査だと、5%しかオンラインの申告をしてないんですよね。」
「デジタル化して公表すると、簡単に調べられちゃうからという抵抗感もあるかもしれない。」
「しかし、公開や透明化が遅れると、こういう裏金という前近代的な方法が生まれちゃうんですね。」
「(要はやる気の問題なのかという問いに対して、)全くその通りですね。」
「岸田さん、今、ピンチなんだけど、強力なリーダーシップを発揮するチャンスだと思います。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、自民党の裏金問題などについて、河野デジタル大臣の指摘に私の思い付いたことも加味して以下にまとめてみました。

(裏金問題)
・裏金の必要性
 -地元での事務所の家賃、秘書への給与、有権者への国政の報告などにかかる経費の公費負担はない
 -こうした経費以外に、私的な飲み食いなど、表に出したくない経費、すなわち裏金もある
 -こうした経費は自分で捻出する必要がある
 -そのために個人献金やパーティなど、いくつかの収入の方策がある
 -その際、裏金は政治資金報告書には記載出来ない
・具体的な対策
 -きちんと膿を出し切って、何が起きたかを解明をして明らかにすること
 -政治資金を報告書にきちんと記載するルールを厳しくすること
 -守られなかった時の罰則を付けること
 -政治資金の銀行振込みやデジタル化など、きちんと流れが分かる方法に変えること
 -政治資金のプロセス全体をデジタル庁と総務省でしっかり何が出来るか検討すること

(派閥の持つ機能)
・情報交換の場
・若手の議員の資金面や選挙の時の支援など、困ってる時の相談に乗ること
・党の人事に派閥で係わること

こうしてまとめてみて、私なりに思いついた“裏金”防止などの改革案を以下にまとめてみました。

(方針)
・国会議員が必要な活動資金の確保に煩わされず、本来の議員活動に取り組むことが出来ること
・国会議員による“裏金問題”を解決すること
・政治プロセス全般のデジタル化を図ること
・政治活動が特定の企業の意向に左右されないこと

(具体的な対策)
・国会議員の政治活動に必要な資金を洗い出し、公費で負担すること
・政治プロセス全般のDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むこと
・第三者機関による国会議員の活動資金の監査
・特定の企業からの献金を廃止すること

(対策の実施による期待効果)
・国会議員が本来の政治活動に邁進出来ること
・政治プロセス全般にかかる経費が削減出来ること
・国会議員の活動資金がガラス張りになること
・“裏金”の必要性がかなり無くなること
・仮に国会議員の不正があっても、監査でチェックされること
・特定の企業からの献金が無くなることから、特定の企業の意向に左右されず、本来のあるべき施策に取り組めるようになること

なお、派閥については、名前をどうするかはともかく、活動資金集めは目的としない、純粋な政策集団としては生まれ変わることが求められます。

 
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