2024年04月09日
アイデアよもやま話 No.5864 ワインの味を自在に変える装置!
昨年12月13日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でワインの味を自在に変える装置について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

塩分の取り過ぎが社会問題になっていますが、電流を流すことで実際よりもしょっぱく感じさせるお箸を開発した明治大学(東京・中野区)の宮下芳明教授は、今年9月、ユニークな研究に送られるイグノーベル賞を受賞されました。(参照:アイデアよもやま話 No.5788 しょっぱい味がする箸!?

今回は、その宮下教授の食に関する最新研究のテレビ初公開です。
宮下教授が開発した装置は、白ワインを赤ワインの味に変えるというものです。
味を変える装置を取り付けた白ワインの瓶から注ぐだけで、見た目はそのままで白が赤に変わるんです。
宮下教授は次のようにおっしゃっています。
「皆さん、こうやって脳がバグります。」

どうやって白ワインを赤ワインの味にしたのかというと、それぞれのワインの酸味や苦みといった味を測り、数値化します。
先ほどの場合、白と赤の数値の差をタンクに入っている調味料のようなものを加えることで、味を変えているんです。
このように正確にデータ化すると、安いワインを高いワインの味に変えることも出来ます。
今回、グラスに直接調味料を入れて、3500円のワインを2万円のワインに変えさせてもらいました。
まさにフードテック、デジタルの力を使って、食の世界を変えようとしている宮下教授、今後は何を目指しているのでしょうか。
宮下教授は次のようにおっしゃっています。
「食卓で食べている食器に味を変える機構を付けることによって、一口、一口、違う味を味わえる豊かさをやりたいのです。」

その足掛かりとなる試作機を世テレビで初めて見させていただきました。
「作りたてのカレーでも翌日の味に変えたり、逆に翌日のカレーを作りたてのカレーに戻したりといったことを、この中でやって、食べることが出来るようになる。」

なお、今回のフィールドキャスターは、タレントのウエンツ瑛士さんでしたが、次のようにおっしゃっています。
「安いものが高くなる。」
「そんな変化はありますけども、あらためて価値って何なんだろうなって、すごく考えました。」
「値段に対して、勿論疑いを持ったこともないですし、何か、高いというだけで美味しいと思う自分もいたので、あれが仮に3500円を2万円に変えたワインを飲むのと、2万円のを変えて飲む時に、自分の満足度ってどう変わるのかなって、そういうところも考えるきっかけになりましたね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

今回ご紹介した、ワインの味を自在に変える装置について、以下にまとめてみました。
・それぞれのワインの酸味や苦みといった味を測り、数値化する
・例えば、白ワインと赤ワインの数値の差を装置のタンクに入っている調味料のようなものを加えることで白ワインから赤ワインの味に変える
・このように正確にデータ化すると、安いワインを高いワインの味に変えることも出来る
・まさに宮下教授は、デジタルの力を使って、食の世界を変えようとするフードテックに取り組んでいる
・今後、宮下教授は、食卓で食べている食器に味を変える機構を付けることによって、一口、一口、違う味を味わえる豊かさに取り組もうとしている
・その足掛かりとなる試作機は、作りたてのカレーでも翌日の味に変えたり、逆に翌日のカレーを作りたてのカレーに戻したりといったことを出来るようにすることである

こうして見てくると、味を自在に変える装置には、安い食べ物の味を高い食べ物の味に変える際に栄養バランスの取れた栄養素も加えて健康食にするといったように、いろいろな可能性が秘められています。

なお、宮下教授は、味を吹き付けたり(参照:アイデアよもやま話 No.5265 味を吹き付ける“調味家電”!)、お箸や食器、あるいは味の変換装置といった、いろいろな方法で、食べ物の味を自在に変える研究、フードテックに没頭しているようです。
ですから、いずれ、これまでにはない、味わったことのない、美味しい味のする人工的な食べものも開発するのではないかと期待出来ます。

 
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