2023年10月31日
アイデアよもやま話 No.5726 いずれ社員一人の会社が誕生!?
アイデアよもやま話 No.5708 ChatGPTの次はAGI、そしてその次は・・・で、ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は10月4日、都内で開いた自社イベント「SoftBank World 2023」で基調講演に登壇し、AIに関する自説を展開したとお伝えしました。
今回は、前回のアイデアよもやま話 No.5725 本物と見分けがつかないAIのひろゆきさんが誕生!と同様に、このイベントでの10月5日(木)のセッション、「次世代テックリーダーが語る、生成AIを活用した成長戦略」(動画はこちらを参照 *ただし、こちらからユーザー登録が必要でオンデマンド配信は11月10日(金)18:00まで)における内容の一部をご紹介します。

なお、このセッションの登壇者は前回もお伝えしたように以下の3名でした。
株式会社CoeFontの社長、早川尚吾さん(こちらを参照)

ソフトバンク株式会社 AI戦略室 AI&データサイエンス統括部 AIシステム開発部 AIアプリケーション開発課 担当課長、荻野聖也さん

ソフトバンク株式会社 AI戦略室 AI&データ事業推進統括部 AIプロジェクト推進部 Axross事業課の鈴木祥太さん

そして、この3名の方々はいずれも20代で、「SoftBank World 2023」のセッションで20代だけが登壇するのは初めてといいます。
ですから、いかにAIの世界がZ世代と言われるような若い世代の方々が主導で展開されているかを物語っています。

さて、このセッションの登壇者の一人、早川さんは次のようにおっしゃっています。
「やっぱりAIとかがどんどん出てくると、今まで頑張って筆算とか算盤とか、やってる人が居なくなったように、基本的に今、人がやってる仕事は大体AIとかで、「これって代わりに出来るんじゃない?」みたいになると思うんですよね。」
「そうすると、最善、最悪、だから会社も一人で経営出来る可能性があると思います。」
「なので孫さんとかも、もしかしたら10年後には2人(荻野さんと鈴木さん)とも居なくて、孫さんしかいないみたいな、「ボードメンバー、孫正義、以上」みたいな感じになってる可能性はあると思いますけど。」
「そうなると何が重要になってくるかというと、僕が思うのは、やはり今までって、例えばですけど、会計の知識、頑張って、これってじゃあ減価償却なのか、どうなのかとか、利用規約を頑張って作ったりとか、そういうところで、ところどころで専門知識が必要になっていて、そういうことはみんな勉強したりとか、社内で勉強したりとか、家で本を読んだりとか、勉強していると思うんですよね。」
「でも、それっていうのは恐らく何となくコンセプトさえ分かっていれば、大体全部AIみたいなものに外注出来るようになっていくはずなんですよ。」
「で、そうすると、何が一番重要になってくるかというと、やっぱりアイデアですよね。」
「まさに孫正義さんだと思うんですけど、最初のアイデアさえあれば、これが本当に世界を一変させたりとか、人類を変えるとか、そういうことがよく言われてますけど、アイデアさえあれば、その実行のexecution cost(実行コスト)はものすごく下がるということはあるんですよね。」
「だから、その時に、アイデアを考える時に何が重要なのかというふうになると、それってliberal arts(リベラルアーツ 添付1参照)みたいなところとすごく、今まで結構under value(価値を低く評価)されてましたけど、結構重要になってくるんじゃないかというふうには思っていて。」
「だから歴史とかっていうのも何だかんだ、いろんな世界に組み込まれているような建物の形式だったりとか慣習みたいなものも歴史みたいなものがすごくあって、それに今の我々が成り立っているので、そこをちゃんと理解した方が人々の頭脳のフレームワークだったりとか、今の文化がどういうふうに成り立っているのかを理解出来て、実際、本当に一変させるようなアイデアだったりだかが思いつき易くなるんじゃないかみたいなところで、歴史だったり哲学だったりとか、今まで「これって意味があるのか」みたいな、「大学を卒業した後、これ使わないでしょ」みたいに思われていた、あれが使われるようになる可能性があるというか、「そういうことやっていた人の方がむしろバリューあるよね」みたいな、「専門知識の必要なコンピューターサイエンスをやってる奴ってバカだよね」みたいになるかも知れないんですけど。」
「だから、そういう意味で、結構、教養というかリベラルアーツみたいなところはいっぱい知っておくというか、深めておきたいとは思っています。」
「だから、その辺をちゃんと深められる人間なのか分かんないですけど、深めておきたいとは考えております。」

以上、早川さんの発言の内容の一部をご紹介してきました。

早川さんの発言内容を以下にまとめてみました。
・今後、AIとかがどんどん出てくると、基本的に今、人がやってる仕事は大体AIとかに代わることが出来るようになる
・そうなると、会計などの専門知識はコンセプトさえ分かっていれば、大体全部AIみたいなものに外注出来るようになっていくはずである
・そうなると、会社も一人で経営出来るようになる
 -最初のアイデアさえあれば、それを実行するコストはものすごく下がる
・従って、アイデアが一番重要になってくる
・そして、アイデアを考える時にリベラルアーツのようなものが重要になってくる
 -建物の形式や慣習など、今の我々が成り立っているところをちゃんと理解した方が人々の頭脳のフレームワークや今の文化の成り立ちを理解出来て、すごいアイデアが思いつき易くなる
 -従って、これからはコンピューターサイエンスなどの専門知識よりも歴史や哲学などの理解を深めることの方が重要になる

要するに、冒頭にお伝えしたように、AIがどんどん進化していくことによって、今、人が介在する作業はほとんどAIに取って代わられるようになるのです。
従って、私たち、人間に求められるのはアイデアということになるのです。
アイデアをAIに伝えることにより、後はAIが全て処理してくれるようになるのです。
これまで「これがしたい、あれがしたい」と思っていても、実際に実現しようとすると手間がかかったり、資金が必要だったりという理由で諦めていたことの多くが実現可能になるのです。
ですから、AIによって、いよいよ私たち人類は、まさに一人一人が自分のやりたいことの多くを実現出来るようになるというわけです。

なお、コンピューターサイエンスなど、一部の専門知識の必要な研究者の存在も無視出来ません。
なぜならば、こうした専門家とAIとのやり取りから一般人には思いつかないような革新的なアイデアが生まれてくるからです。

しかし、何でもAIで出来るようになるかと言えば、そうではありません。
例えば、以下のようなことはAIに頼るばかりでは出来ません。
・生きがいを見つけること
・充実感
 -努力したうえで目的を果たした達成感など
・家族や友人、仕事仲間との良好な関係
・平和な国際社会の実現

要するに、単にAIに依存するのではなく、リベラルアーツを学んで、自分はどう生きるべきか、あるいは社会はどうあるべきかなどについて、自分なりの見解を見出したうえでAIに向き合うことがとても重要になってくるのです。
単にAIに依存するのではなく、あくまでも人間が主体で、AIとの“言葉のキャッチボール”によって自分自身を高めていくといったAIの活用がとても重要なのです。
そして、こうした人間とAIとの関係がAIの進化にとっても必要なのです。
そういう意味では、将来の社会は“人類とAIとが共存する社会”になると言えます。

なお、平和な国際社会の実現に向けては、結局、AIは人間のツール(道具)に過ぎない面があるので、人間の意思次第でプラスにもマイナスにもなり得るのです。(添付2参照)
ですから、やはり人間、特に各国のリーダーの意思次第でAIは良くも悪くも大きな影響をもたらすことになるのです。
ですから、世界各国の社会のあり方や人材教育がとても重要になってくるのです。


添付1)

リベラルアーツとは?
ChatGPT
リベラルアーツ(Liberal Arts)とは、教育のアプローチやカリキュラムの一つを指す用語です。リベラルアーツ教育は、幅広い学問領域を包括的に研究し、知識、思考力、コミュニケーション能力、問題解決能力などの一般的なスキルを養うことを重視します。このアプローチは、単なる専門職のトレーニングに焦点を当てるのではなく、個人の教養と広範な教養を培うことを目的としています。
リベラルアーツ教育の主要な特徴は以下の通りです:
1.幅広い学問領域: リベラルアーツ教育は、人文科学、社会科学、自然科学、数学、言語学、芸術など、多くの異なる学問領域を包括します。学生はこれらの領域から選んだ科目を学び、幅広い知識を獲得します。
2.一般的なスキルの強化: リベラルアーツ教育は、批判的思考、問題解決、コミュニケーション、調査能力などの一般的なスキルの習得に焦点を当てます。これらのスキルは多くの職業で重要です。
3.総合教養: リベラルアーツ教育は、学生の総合的な教養と個人の成長を強調し、社会での市民的責任を強調します。倫理や社会的な問題についても探求します。
4.自己発見と探求: リベラルアーツ教育は、学生が自己発見と知識の探求を奨励します。独自の興味や情熱に従って学問を追求する機会を提供します。
リベラルアーツ教育は、大学や大学院のカリキュラムとして提供されることが一般的であり、学生が広範な知識とスキルを獲得し、将来のキャリアにおいて柔軟性と適応性を持つことを支援します。また、リベラルアーツのアプローチは、個人の教育と知識の普及においても重要な役割を果たしています。

添付2)

AIによって世界平和は実現出来るか?
ChatGPT
AI(人工知能)は、世界平和に向けて様々な方法で貢献できる可能性がありますが、それ自体が直接的に世界平和を実現するものではありません。AIはツールであり、その効果は人間の使用方法に依存します。以下にAIが世界平和に与える可能性と、注意すべき点を示します。
ポジティブな影響:
1.予防外交と紛争解決: AIは予防外交に活用でき、紛争解決において効果的なアプローチを提供する可能性があります。データ分析や予測モデルを使用して、紛争の原因を特定し、早期の干渉や調停を支援できます。
2.国際協力とコミュニケーション: AIは多言語翻訳やコミュニケーションの向上に役立つツールとして利用でき、異なる文化や言語を持つ人々との国際協力を促進できます。
3.災害管理と人道支援: AIは災害予測、緊急時のリーダーシップサポート、および効率的な人道支援の提供に役立つ可能性があります。これにより、災害発生時の人道的な影響を軽減できるでしょう。
4.武器管理と自動化兵器制御: AIは自動化兵器の制御や武器管理の分野で使用され、武力行使に関する決定の透明性や倫理的な観点を向上させる役割を果たすことができます。
しかし、AIには潜在的なリスクもあります:
1.偏見や不平等: AIシステムはトレーニングデータから学ぶため、それが偏見を含む場合、その偏見がシステムに反映されることがあります。これは不平等を増大させる可能性があります。
2.サイバーセキュリティの脅威: AIを悪用することで、サイバーセキュリティ攻撃が強化される可能性があります。
3.倫理的な問題: AIによる自動化や決定の透明性に関する倫理的な問題が浮上し、倫理的な指針と規制の必要性が指摘されています。
AIは強力なツールであり、適切に活用すれば世界平和の実現に貢献できますが、その過程で倫理的な問題やリスクを注意深く取り扱う必要があります。また、AIは一つの要素に過ぎず、世界平和を実現するためには多くの要因が結びつく必要があります。政治、外交、国際協力、教育、環境保護など、多岐にわたる取り組みが不可欠です。

 
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