2022年10月17日
アイデアよもやま話 No.5401 今、注目されているリスキリング!
6月16日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で今、注目されているリスキリング(Re−skilling)について取り上げていたのでご紹介します。

リスキリングは人材の再教育や学び直しによって業務に必要な新たな知識やスキルを習得することです。
特に変化が著しいデジタルの分野では欠かせないものとなっています。
このリスキリングによって50万人の人材育成を目指すという官民一体のプロジェクトを取材しました。

兵庫県の南東部、三田市にある観光農園、山林の中で育てられているのはシイタケです。
かさやの中西孝之社長は次のようにおっしゃっています。
「原木栽培のシイタケは本当に臭みがなくて、新鮮な取り立てのものですと、苦手な方でも食べられる。」

約7万本の原木を使ってシイタケを栽培しています。
中西さんは3年ほど前にリスキリングでデジタル技術を身につけ、シイタケ栽培に役立てています。
その一つがこちら、原木を運び終わった従業員が次のようにおっしゃっています。
「(原木を)使い終わった日にちをここに入れます。」
「これが6月1日に使い終わって、ここに片づけたという日付になります。」

収穫された後の原木は4ヵ月ほどの休息が必要、日陰で涼しい場所に移動させます。
この移動のタイミングを見極めるために活用しているのがグーグルの表計算ツール「スプレッドシート」です。
クラウド上で管理されているので、複数の従業員が情報を共有したり、編集したりすることが可能ですので、効率が上がったといいます。
「スプレッドシート」を導入する前は、紙に書き込んでいました。
中西さんがグーグルのリスキリング講座で「スプレッドシート」の知識を身につけたことで作業の効率化が図られているといいます。
中西さんは次のようにおっしゃっています。
「こういう田舎地域では人が集まったりしないので事業的に継続していけないのかなと思うので、少ない人数でも出来るような形態に変えていかないと将来的にはしんどくなってくるのなかとは思っています。」

こうした中、6月16日にリスキリングを普及させるための官民一体のプロジェクトがスタートしました。
グーグルの日本法人が主導するかたちで発足したリスキリングを支援する団体「日本リスキリングコンソーシアム」(こちらを参照)、IT企業や人材サービス業の他、国や自治体など約50の組織が参加しています。
こちらのサイトに無料で登録すると、様々なリスキリングのトレーニングプログラムを受講することが出来ます。
AIやマーケティングなど200以上の講座を用意、自分に合ったレベルが選べるようになっています。
講座の約8割が無料で受講出来、更にリスキリングで得たスキルを生かせる職業を探せることも出来ます。
2026年までに50万人の人材育成を目指しています。
グーグルの岩村水樹さんは次のようにおっしゃっています。
「パートナーを拡大し、更にトレーニングプログラムを拡充して、多くの方々にオープンに提供することによって社会全体が底上げにつながるようなことを目指していきたい。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

アイデアよもやま話 No.5387 DXに政府も重点的に投資する方針だが、・・・アイデアよもやま話 No.5391 観光客増加で深刻化する人手不足!などでこれまでDX(デジタルトランスフォーメーション)について、何度となくお伝えしてきましたが、DXを効率的に取り組むうえで、業務やIT、更にはシステム思考に精通した人材を育成することがとても重要です。
ですから、目まぐるしくDX関連技術が進歩する中で、これらの最新技術を習得し続けることはとても重要になります。
一方で、特に資金や人材が不足しがちな小企業においては、こうした取り組みをする余裕はあまりありません。
そうした中、こうした一環として、DXのスタートポイントとして、今回ご紹介したプロジェクトによるリスキリングは以下の観点からとても有効です。
・表計算ツール「スプレッドシート」のようなツールはDXを進めるにあたって取り組み易い
・このツールはクラウド上で管理されているので、複数の従業員が情報を共有したり、編集出来る
・グーグルのリスキリング講座の約8割は無料で受講出来る
・「スプレッドシート」のようなツールの活用だけでも生産性向上は見込まれる
・こうしたスキルの取得は本格的なDXの取り組みにつなげ易い
・こうしたスキルの取得は転職の際にも有利に働く
・こうした人材育成の積み重ねは雇用の流動化、および産業の新陳代謝をもたらし、日本経済全体の生産性向上や活性化につながる

実際に、今回ご紹介した観光農園、かさやの事例でも分かるように、「スプレッドシート」の導入だけでも作業の効率化が飛躍的に向上するのです。

ということで、「日本リスキリングコンソーシアム」による、リスキリングを普及させるための官民一体のプロジェクトが遅ればせながらですが、6月16日にスタートしましたが、ここで提供される無料講座をより多くの企業が活用してデジタル分野における人材育成を目指して欲しいと思います。
資源に乏しい日本が今後も経済成長を遂げ続けるうえで、DX関連の人材育成は絶対に欠かすことが出来ないのです。

 
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