2022年09月22日
アイデアよもやま話 No.5380 現在の国際情勢における日本の役割!
今週は月曜日から水曜日まで以下の内容についてお伝えしてきました。
・ウクライナ危機の背景
・冷戦後のアメリカの対中政策
・米中の武力衝突の可能性!
今回は、前回と同じ2月22日(火)付けネット記事(こちらを参照)を通して、こうした国際情勢における日本の役割についてご紹介します。

シカゴ大学政治学部のジョン・ミアシャイマー教授は次のようにおっしゃっています。
「(米国はアジアと欧州の問題に同時に対処出来るかについて、)米国は欧州とアジアの問題に同時に対処する能力がある。しかし、双方で同時に良い成果を上げる能力はない。米国は愚かにもロシアを中国側に追い込んだ。 中国に対抗するためには米国はロシアと手を結ぶことが自然だ。 NATOを東に拡大したことでロシアとの間で危機を招き、アジアに完全に軸足を移せずにいる。」
「(バイデン政権が昨年開いた「民主主義サミット」は中国など権威主義国家の台頭を抑えるために有効かどうかについて、)思わない。いまの争いは地政学的な競争であり、イデオロギー的な競争ではない。日本や米国が民主主義国家であることは素晴らしいが、イデオロギーと関係なく、中国は両国にとって脅威である。私はリアリストなので地政学的な考察を重視したい。」
「(こうした状況における日本の役割について、)日本は対中連合の主要プレーヤーとして米国に対し、なぜ東欧でロシアと争うことが不合理か、なぜ米国は東アジアに集中すべきか、徹底的に説明すべきだ。」

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

なお、9月6日(火)放送の「プライムニュース」(BSフジ)で「日本周辺危機への備え」をテーマに取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

国家基本問題研究所の櫻井よしこ理事長は次のようにおっしゃっています。
「この方(安倍元総理)ほど国葬に相応しい総理大臣は他にいないと思います。」
「歴代の総理と、本当に申し訳ないんですけども比べてみると、安倍総理の功績がどれだけ大きかったか。」
「で、加藤康子(かとうこうこ」さんていう、安倍総理の内閣参与をしておられた方が最近インドから帰ってきたんですね。)
「で、インドである催しがあったんですけども、そこに安倍総理の写真を持っていかれたら、インドの政治家も、シンクタンクの人たちも、ジャーナリストも、一般の人も、メインテーマのセミナーの方はちょっとやったことはやったんですけども、そっちは横に置くようなかたちで、安倍総理が本当に素晴らしい政治家だったと。」
「インドは国を挙げて、本当に安倍総理を尊敬しているし、親しく思っているし、このような悲劇で亡くなったことをどれだけ残念に思うかということを、本当に加藤康子さんは圧倒されるくらい聞いてですね、これほど尊敬されていた方なんだなということをあらためて実感したと言うんですね。」
「インドだけではないですよ。」
「世界中の国々が安倍総理の功績というものを讃えています。」
「それはなぜかということを私たち日本人こそが考えて、理解することが日本国のこれからの道筋にどれだけ明るい光を灯すか、私たちにどれだけの勇気を与えるかということを、実は私たちが考えなきゃいけない。」

「今、どこの国のリーダーも“自由で開かれたインド太平洋”と言いますね。」
「これは安倍総理が元々提唱したことです。」(こちらを参照)
「で、これをまずアメリカが自分たちの戦略に取り込んだわけですね。」
「それがまたヨーロッパに広がって、世界中の人たちが“自由で開かれたインド太平洋”というものをみんなで守っていくことが世界の経済だけではなくて、文化交流、政治的な意味においても非常に大事なんだと気が付いた。」
「それはなぜかというと、“自由で開かれたインド・太平洋”構想、それからTPP(環太平洋パートナーシップ こちらを参照)もそうですけども、この基本コンセプトというのは非常に日本的なんですよ。」
「それは“和を以て貴しとなす”というね。」
「そして、来る人は拒みませんよと。」
「しかし、私たちは“和して同ぜず”ですよね。」
「“和して同ぜず”で、他の違う価値観の人たちが殴り込みをかけようとしたら、それは駄目ですよと言うと。」
「で、中国を念頭に置いていた仕組みではありますけども、中国に対しても拒否するとか、排除するということは安倍さんは1回も言っていない。」
「それを言ったとたんにアジアの国々はついて来られないのが分かっていますから、とにかく中国も入って来られるように「ただし、ルールはこうですよ」ということを示したんです。」
「そして今や、何が起きているかというと、TPPに中国は入りたいと加盟申請をしておりますよね。」
「私は、中国が入るには相当な国内改革をしなければならないし、今の中国共産党がウイグルの人を強制収容所に入れたり、チベットの人を弾圧して殺したり、モンゴルの人に本当に酷いことをしたり、国内の自由主義の人たちを弾圧したりという、このような私たちも人間として受け入れることの出来ない、また日本国は国家として受け入れることの出来ないような価値観を習近平さんは捨てなきゃ入れないですよね。」
「でも彼らは入りたいと言っている。」
「かたちの上では、彼らの方がこちらに近づいて来ようとしているわけですね。」
「このようなかたちで本当に日本の価値観で世界を変えて行こうとしたのが安倍総理であって、提唱した戦略が受け入れられているんですよ。」
「このような功績を成し遂げた総理大臣が日本に他にいませんよ。」
「そのことを以てしても、この一事を以てしても、私は安倍総理は本当に国葬できちんとみんなで敬意を込めて、礼節を守ってお送りするのが一番いいと思っているんです。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

そもそも日本単独の軍事力で、日本における最大の脅威となる仮想敵国、中国に対峙することはまず不可能です。
また、中国の脅威以外にもウクライナ危機に見られるように、世界中で紛争が絶えません。
そして、ウクライナ危機をきっかけに、世界中で物不足、あるいは物価高が起きているようにグローバル化した国際社会においては、どこかの国で紛争や戦争が起きると、大なり小なり経済的な影響をもたらします。
こうした世界情勢において、日本の取るべき戦略は、以下の3つと考えます。
・日米同盟を基軸とした、他の国々と一体となって中国に対峙する
・安倍総理が取り組まれたように世界的な視野に立って、中国やロシアといった覇権主義国家、あるいは独裁政権国家の弊害を抑止出来るようなシステムの構築を世界に向けて提案する
・国連の機能不全に対する改革案を提案する

なお、9月27日に予定されている安倍元総理の葬儀を国葬にするかどうかの議論がなされていますが、確かに安倍元総理については、今回ご紹介したように世界的に素晴らしい取り組みをされた反面、旧統一教会との関連(参照:アイデアよもやま話 No.5345 政治家は、信者の家庭崩壊よりも自身の得票数の方が大事!?)や森友学園問題(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.741 『森友学園を巡る公文書改ざん問題の不本意な終結!』)といった負の側面もあります。
ですから、国葬にするかどうかといった議論は別にして、安倍元総理の残された功績、および関連した問題の解明はきちんとされるべきだと思います。

 
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