2022年08月12日
アイデアよもやま話 No.5345 政治家は、信者の家庭崩壊よりも自身の得票数の方が大事!?
7月8日(金)に起きた安倍元総理大臣の銃撃事件については、これまでアイデアよもやま話 No.5327 安倍元総理銃撃事件に見る旧統一教会の闇!などでお伝えしてきました。
そうした中、8月8日(月)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)でその後の状況について取り上げていたのでご紹介します。 

安倍元総理が演説中に銃撃されて死亡した事件から今日で1ヵ月です。(番組放送時)
元総理大臣が白昼、多くの聴衆の前で、警察庁の検証では、後方の警戒に隙が生まれたとされ、手製の銃で至近距離から撃たれました。
逮捕された山上哲也容疑者、これまでの調べで、容疑者は世界平和統一家庭連合、旧統一教会への恨みを募らせた末に、近しい関係にあると思った安倍元総理を狙ったと見られています。
母親が多額の寄付をするなどして、家庭生活がめちゃくちゃになったなどと供述。
容疑者の親族によりますと、母親は容疑者の父親の保険金や土地の売買などで、合わせて1億円を献金したということです。
旧統一教会を巡っては、以前から高額な献金の強要や霊感商法などが社会問題になっていました。
銃撃事件が発生してからの1ヵ月で、政治家との関係が次々と明らかになっています。

日本では1964年に宗教法人の認証を受け、1990年代には芸能人などが参加した合同結婚式が話題になりました。
一方で、信者に対する高額な献金の強要や不安をあおって高額な物品を売りつける霊感商法を巡って、民事訴訟や刑事事件に発展するケースが相次ぎました。
旧統一教会は2009年、コンプライアンスの強化を盛り込んだ宣言文を発表していますが、全国霊感商法対策弁護士連絡会によりますと、現在もトラブルは続いていて、2010年から昨年までに連絡会に寄せられた相談は2600件余り、金額は130億円余りに上っているということで、宣言以降のトラブルについて、旧統一教会は、「過去に自主的に献金した信徒が、その後、2009年以降もごく僅かだが、あるのは事実だ。そうしたケースについては誠意を持って対処し、解決に向けて取り組んでいる。連絡会がまとめた集計は裁判を訴える側の偏った情報だ」としています。

また、事件をきっかけに相次いで明らかになっているのが、旧統一教会と政治家との関係です。
自民党の元参議院議員、宮島喜文氏、旧統一教会の友好団体から選挙で支援を受けていたことを明らかにしました。
宮島氏は初当選した2016年の参議院選挙で、支援してもらえる団体として、当選後は定期的に連絡が来るようになり、旧統一教会の関係者が集まるイベントやセミナーに参加してあいさつをしたり、祝電を送ったりしたということです。
元職員によりますと、所属していた派閥から前回のような選挙協力は難しいと言われたことなどから、自民党の公認を辞退し、立候補を断念したということです。

旧統一教会との関りについて、各党の状況を見ていきます。
自民党は、組織的な関係は一切ないと説明しています。
ただ、安倍派の議員を中心に、選挙の支援を受けたり、関連団体のイベントに出席したりしていたことが相次いで明らかになっています。
また、旧統一教会の名称変更が認証された当時、文部科学大臣を務めていた下村前政務調査会長は、自らの関与を否定する一方、関連団体からの献金を受けていたことを明らかにしました。
党内からは、政権へのダメージを避けるためにも、区切りをつける必要があるとして、所属議員への調査が必要だと指摘する声も出ています。

公明党は、祝電を送ったりしたことを認めています。

立憲民主党は、国会議員8人の関わりが確認されたと公表。
祝電を送ったり、会費を支払ったりした他、秘書が関係団体の会合に代理出席していたということです。

日本維新の会は、党幹部など15人が、関連団体のイベントへの出席や会合での講演など、なんらかの関係があったと公表しました。

続いて共産党です。
一切関わりがないとしています。

国民民主党は、玉木代表が、平成28年に旧統一教会の関係団体、世界日報の元社長から3万円
の寄付を受けていたことを明らかにしています。

れいわ新撰組は、調査の結果、関係は確認されなかったとしています。

一方、各地の自治体トップの間でも、過去の選挙で支援を受けるなど、関係があったことを明らかにするケースが相次いでいます。
富山市の藤井裕久市長は、初当選した昨年4月の市長選挙で、旧統一教会の関連団体から支援を受けていたことを、先週(番組放送時)、明らかにしました。
選挙期間中には、投票を依頼する電話かけを、更に今年6月には、関連団体の会合で、市長の出前トークが開かれ、この催しの終了後に団体が市長の後援会を立ち上げることを決議したということです。

旧統一教会と政治家との関係について、現代日本の政治が専門の立命館大学教授、上久保誠人さんは次のようにおっしゃっています。
「団体に社会的信用を与えているのが問題。」
「反社会的行動をしている団体であることが重要で、関係を断つ方向でいくべき。」

国政も含めた選挙での支援について、旧統一教会は次の声明を出しています。
「特定の政党、ならびに特定の候補者を組織的に応援することはありません。」
「他の友好団体においてはその限りではございません。」
「信徒個人が思想信条の自由によって行う、個人的な政治活動については把握することが出来ません。」

一方、寄付を受けていた自治体もあります。
静岡県浜松市は、旧統一教会の浜松家庭教会から、社会福祉事業の充実を図るために創設した基金に、48万円余りの寄付を受けていました。
今後は、団体からの寄付を受け取らない方針を決めました。
浜松市の鈴木康友市長は次のようにおっしゃっています。
「これからは関わり方をしっかり変えていかなければいけないと。」
「基本的には寄付を受けない、お断りをするという方針で臨んで行きたい。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

まず、番組を通して、今回の安倍元総理銃撃事件関連の経緯を以下にまとめてみました。
・旧統一教会は、日本では1964年に宗教法人の認証を受けた
・その後、信者に対する高額な献金の強要や霊感商法をめぐって、民事訴訟や刑事事件に発展するケースが相次いだ
・旧統一教会は2009年、コンプライアンスの強化を盛り込んだ宣言文を発表したが、現在もトラブルは続いており、2010年から昨年までに連絡会に寄せられた相談は2600件余り、金額は130億円余りに上っているという
・安倍元総理銃撃事件をきっかけに、旧統一教会と政治家、あるいは各地の自治体トップとの関係が相次いで明らかになった
・旧統一教会の名称変更が認証された当時、文部科学大臣を務めていた下村前政務調査会長は、自らの関与を否定する一方、関連団体からの献金を受けていたことを明らかにした

なお、旧統一教会と政治家との関係について、上久保立命館大学教授は以下の指摘をされております。
・政治家が反社会的行動をしている団体に社会的信用を与えているのが問題である
・政治家は反社会的行動をしている団体との関係を断つ方向でいくべきである

そもそも上久保教授が指摘されているように、政治家が反社会的行動をしている団体に社会的信用を与えているのが問題なのです。
ですから、旧統一教会は日本では1964年に宗教法人の認証を受けたのですが、旧統一教会による、高額な献金の強要や霊感商法をめぐって、民事訴訟や刑事事件に発展するケースが相次いだ時点で宗教法人の認証を取り消すべきだったのです。
そうすれば、その時点から旧統一教会による被害に遭う信者、あるいはその家族などは拡大しなくて済んだのです。
そして、山上哲也容疑者自身もこれほどまでに苦しまず、今回の犯行に及ばずに済んだのです。

しかも、安倍元総理を失った自民党はいまだに明確に過去の反省をせず、今後の旧統一教会との決別宣言もしていません。
その歯切れの悪さは、まさに“政治家は、信者の苦しみ、家庭崩壊よりも自身の得票数の方が大事である”と考えていると言わざるを得ません。
こうして見てくると、今回の事件は、“人災”、あるいは“政治家災”と言わざるを得ないのです。
そして、最悪の事態、すなわち安倍元総理銃撃事件を招いてしまったのです。
また、山上哲也容疑者は事件の加害者であると同時に、旧統一教会による活動の被害者でもあるのです。
同時に、安倍元総理はこの事件の被害者であると同時に旧統一教会の普及活動の広告塔的な存在でもあったのです。

今回の安倍元総理の銃撃事件はあってはならない重大事件で、日本の政界にとっても国民にとってもとても不幸なのですが、一方で、この事件をきっかけに政治家と反社会的な宗教法人、旧統一教会との癒着が明らかになりました。
そして、旧統一教会の内情がいまだに報道機関や専門家により暴露されて続けています。
ですから、今後については、少なくとも当面は旧統一教会による被害の拡大は防げると見込まれます。

政治家は、人々の暮らしをより良くすることが使命の一つとしてとても重要です。
しかし、旧統一教会との関わりにおいては、政治家は人々の暮らしをより悪くすることを助長してしまったのです。

なお、アイデアよもやま話 No.5327 安倍元総理銃撃事件に見る旧統一教会の闇!でもお伝えしたように、旧統一教会の創始者、文鮮明の教え(教義)の一つとして、文教祖の恨(ハン こちらを参照)を晴らすのは「エバ国家(こちらを参照)日本をアダム国家韓国の植民地にすること」「天皇を自分(文教祖)にひれ伏させること」であるとしているのです。
このこと一つを取っても、旧統一教会と関係を持った政治家は昔でいえば、“国賊”と言われても仕方がないほどの行為をしたことになるのです。
そもそも1964年に旧統一教会を宗教法人として認証すべきでなかったのです。

ということで、遅ればせながら、政党、あるいは政治家はあらためて、旧統一教会の創始者、文鮮明の狙いを認識し、早急に以下の3点を実行に移すべきなのです。
・旧統一教会から宗教法人の認証を取り消す
・今後、一切旧統一教会との関係を断ち切る
・今後、反社会的な宗教法人は宗教法人としての認証を与えない

 
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