アメリカの大手半導体メーカー、NVIDIA(エヌビディア)についてはアイデアよもやま話 No.4826 アーム×エヌビディア=DXの加速!でもお伝えしました。
そうした中、昨年10月7日(水)付けネット記事(こちらを参照)でNVIDIAがAIによるデータ圧縮技術を発表したと報じていたのでその一部をご紹介します。
NVIDIAがビデオ会議向けにAIを使ったデータ圧縮技術を発表しました。
汎用のH.264圧縮に比べて10分の1以下に通信量を削減できるうえに、低速回線でもブロックノイズなどの画質劣化が少なく、さらにはカメラからずれた目線や顔を正面に修正してアイコンタクトも実現できます。
NVIDIAが公開した「AIベース動画圧縮」はビデオ通話や会議に最適化して、AIに人間の顔を学習させた技術です。
顔や一般的なビデオ会議に映る映像しか「圧縮」できないものの、マスクやメガネ等を着用していても利用可能。
映像そのものを常に送る必要はないため、極端に低速な回線でも、一般的な汎用の動画圧縮のようにノイズで画像が破綻しづらいことも特徴。
NVIDIA の「AI圧縮」 技術は、このほか低解像度映像の超解像や、オーディオのノイズ除去、リアルタイムの翻訳、バーチャル背景といった技術と組み合わせたクラウドAIベースのビデオストリーミングプラットフォーム NVIDIA Maxine の一部として提供予定。
以上、ネットニュースの一部をご紹介してきました。
また、1月12日(火)放送の「グッド!モーニング」(テレビ朝日)の「池上彰のニュース検定」コーナーでもエヌビディアについて取り上げていたのでご紹介します。
自動車業界では各国の政策もあってガソリン車から電気自動車(EV)へと大きくシフトしています。
そしてもう一つ大きな変革が起きています。
自動運転です。
この自動運転は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大であらためて脚光が当たっています。
無人配送などに利用することで人と人との接触機会を無くすことが出来るからです。
その際、最も重要なカギになるのが運転手の役割となるAI、人工知能です。
そしてこの分野で世界中から注目を浴びている企業があります。
アメリカの半導体メーカー、エヌビディアです。
“AIの目”を開発しました。
番組で紹介した映像は“AIの目”を通して見た現実の世界です。
映像の奥の方で動いているのは横断歩道を渡る歩行者です。
他にも信号や標識、自動車の様子を“AIの目”が捉えています。
こうやってAIは世界を細かく認識しているのです。
エヌビディアのCEO、ジェンスン・ファンさんは次のようにおっしゃっています。
「AIの目によって何が出来るようになるのでしょう?」
「AIは自動運転に革命を起こすだけでなく、人とクルマの関係にも革命を起こすのです。」
将来は“AIの目”が人の目の代わりになるのです。
障害物にわざとぶつかり、間違った運転を経験させるのもAIならではの学習方法です。
世界中の道路を実際に走って情報を蓄積しながらAIが学習を深めるのです。
そもそもこのエヌビディアはゲーム用の半導体メーカーで映像処理が得意な半導体を開発していました。
それがAIの情報処理に適していたのです。
急激に成長し、昨年7月には株式時価総額がかつての半導体の王者、インテルを超えました。
コロナ禍の時代に産業地図が大きく塗り替わろうとしています。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
さて、ネット記事、およびテレビ番組を通して今も快進撃が続くエヌビディアについてお伝えしてきましたが、以下にまとめてみました。
・エヌビディアは当初ゲーム用の半導体メーカーで映像処理が得意な半導体を開発していた。
・その技術はAIの情報処理に適していた。
・そこで、ビデオ通話や会議に最適化して、AIによるデータ圧縮技術を開発した。
・この技術は汎用性があり、技術低解像度映像の超解像や、オーディオのノイズ除去、リアルタイムの翻訳などの技術と組み合わせたクラウドAIベースのビデオストリーミングプラットフォーム NVIDIA Maxine の一部として提供する予定である。
・一方、人の目の代わりになり得る“AIの目”の技術は自動運転に革命を起こすだけでなく、人とクルマの関係にも革命を起こす可能性を秘めている。
・新型コロナウイルスの更なる感染拡大の状況において、この技術は無人配送などに利用することで人と人との接触機会を無くすことが出来る。
・こうしたエヌビディアの事業の拡大、および将来性のある技術により、株式時価総額は昨年7月にはかつての半導体の王者、インテルを超えた。
・コロナ禍の時代に産業地図が大きく塗り替わろうとしている。
ここで思い起こされるのはNo.4854 ちょっと一休み その757 『 テスラの株式時価総額がトヨタの2倍以上に』でお伝えした同じくテスラの快進撃です。
自動車業界においては、ガソリン車からEVへ、そして半導体業界においてはこれまでの半導体から映像処理、あるいはAIとの組み合わせへのシフトというように産業界に大きな地殻変動が起きているのです。