2019年08月05日
アイデアよもやま話 No.4399 日本の実質GDPは40年後には25%減少する!?

3月29日(金)付けネットニュース(こちらを参照)で日本の実質GDPは40年後には25%減少すると報じていたのでご紹介します。 

 

日本経済の40年後の姿をIMFが指摘。経済鈍化を避ける道は「企業の女性エンパワーメントと、男女賃金格差解消」

 

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、「日本の実質GDPは、現状の政策のままだと直近の成長推移に比べ、40年後に25%減少する」と試算し、警鐘を鳴らしました。

ラガルドさんは働く女性向けメディア『日経xwoman』と『日経ARIA』の創刊に際し、以下の動画メッセージを寄せ、日本の経済成長率減速を逃れる打開策を提示しました。

 

女性のエンパワーメントの促進は、私やこの分野のエコノミストにとっては当然のことです。女性のエンパワーメントは経済成長を促し、経済の強靭(きょうじん)性を高め、所得格差の解消にも貢献し、経済の多様化にも役立ちます。

 

日本の経済はとても革新的ですが、女性のリーダーシップとエンパワーメントによって、さらに良くなることが期待出来ます。

2017年の日本のデータを見ると、管理職に占める女性の割合はわずか13%でした。

上場企業の役員に至っては4%未満です。

それに加えて、女性の平均所得は男性の4分の3以下でした。

これはG7諸国では最大の男女格差です。

 

IMFの研究によると、政策が現状のままだと40年後には日本の実質GDPは25%低下してしまう恐れがあります。

この理由は、人口減少と少子高齢化によるものです。

このような日本の経済鈍化の予測を見ても、女性の社会進出を促し、能力を高めることは大変意義があります。

もし日本が女性の活躍推進を含め、労働力全体の強化などを重点とする様々な改革を実行すれば人口減少や少子高齢化のマイナス影響を跳ね返し、40年後には実質GDPを15%伸ばすことが出来ると予測されています。

 

 

では、人口減少や少子高齢化のマイナス影響を跳ね返し、15%回復させるためには、具体的に何をすればよいのでしょうか?

まず政策面での障壁を取り除かなければいけません。

それに加えて、女性に限らず子育て世代が利用出来るリーズナブルな価格の保育施設や介護施設を増やす努力が必要です。

これは予算を用意するだけではありません。

安倍首相のもとで予算は強化されましたが、予算以外の障壁も取り除いていかねばなりません。これが1点目です。

2点目に税制や社会保障の改革です。

女性の意欲を失い易くし、男女の賃金格差を生み出す不利な条件を無くすことです。

3点目は、コーポレートガバナンスの改革を通じた過剰残業への対策を実行することです。

この改革は既に始まっており、安倍首相も積極的に取り組まれていると理解しています。

しかしこうした政策が成功するには女性のエンパワーメントが文化の一部として根付き、働く女性に対する人々の姿勢にも浸透しなければなりません。

経済活動に参加する女性たちは、社会共通の利益のために優れた才能を発揮しているのですから。 そのためには社会・文化の障壁も取り払わないといけません。

男性も男女平等のために力を合わせ、見識を共有し、喜びも苦労も分かち合い、お互いの才能を存分に発揮出来るように刺激し合うべきです。

最後に一つ私自身の経験から具体的な改善策をお伝えします。

あらゆる会社で会議を午後6時以降に開くことをやめましょう。

そうすれば、親は子供の世話をし、家で時間を過ごすことが出来ます。

 

良いワークライフバランスを持つことは母親や父親、全ての親の生産性向上につながります。

このような世界こそが、若者の多くが住みたいと思い、子供たちにも育って欲しいと思う世界ではないでしょうか。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

記事を通して感じたのは、やはりワークライフバランスの重要性です。

誰しも仕事を通して社会に貢献し、自己実現を図りたいと望んでいます。

一方、家族や友人との触れ合いの時間を大切にし、あるいは自分の趣味などプライベートタイムを持ちたいと望んでいます。

こうしたプライベートタイムの充実には、それなりのお金が必要になります。

その手段が仕事になるわけです。

ですから、よりプライベートタイムの充実を図るためにも仕事を通じて収入を得ることは必要なのです。

 

さて、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、「日本の実質GDPは、現状の政策のままだと直近の成長推移に比べ、40年後に25%減少する」と試算しており、経済鈍化を避ける道は「企業の女性エンパワーメントと男女賃金格差解消」であると指摘されております。

日本の実質GDP減少対策として、こうした女性の活躍の場を広げる以外にも、アイデアよもやま話 No.4277 外国人労働者の受け入れ拡大に向けて!でお伝えしたように、外国人労働者の受け入れ拡大があります。

またAIやロボットなどの活用の場はどんどん広がりを見せています。

 

一方で、アイデアよもやま話 No.4198 1日100食限定で残業ゼロのステーキ丼店!でご紹介したように、ある女性のアイデアによるワークライフバランスを重視した京都の佰食屋の成功事例があります。

この佰食屋の事例は、女性ならではのアイデアで、まさに民間主導の「働き方改革」の好例と言えます。

 

ということで、女性の活躍の場の拡大のみならず、優れた外国人労働者の受け入れ、あるいはAIやロボットなどの活用による少子高齢化対策、そして同時にワークライフバランス重視の「働き方改革」により、IMFのラガルド専務理事の指摘される懸念を払しょくするだけでなく、日本人のライフスタイルの変革を実現させることは可能だと思うのです。


 
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