2024年04月20日
プロジェクト管理と日常生活 No.866 『“高齢者のリスク”の早期発見』
昨年12月22日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“高齢者のリスク”の早期発見について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

視力の低下による自動車運転中の事故など、高齢者に起こり得るリスクを早期に見つけられるという施設が都内の百貨店にオープンします。
来月、日本橋三越本店にオープンするのは高齢者向けに開発された「人間ドック」ならぬ「体力ドック」(70分 3万3000円)が受けられる施設「アローズラボ」です。
筋力や持久力など、4つの検査結果からから科学的に体力年齢を測定し、体の衰えによって起こり得るリスクを早期に発見出来るといいます。
視力検査では「動体視力」や眼球の動き、「眼球運動」、瞬時に情報を認識する「瞬間視」などの能力を測定します。
日常生活でのリスクを算出することで事故の防止につながるということです。
株式会社スポーツ科学の山下典秀社長は次のようにおっしゃっています。
「クルマの運転ですと、実際にとっさの判断でブレーキが遅れて交通事故に遭ってしまうと。」
「そういうふうなものを数値として危険度を調べることによって、その予防にもつながる。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、高齢者向けに開発された「体力ドック」について、以下にまとめてみました。
・筋力や持久力など、4つの検査結果からから科学的に体力年齢を測定し、体の衰えによって起こり得るリスクを早期に発見出来る
 -視力検査では「動体視力」や「眼球運動」、「瞬間視」などの能力を測定する
・日常生活でのリスクを算出することで事故防止につながる

今や、日本は高齢化先進国として、いかに高齢者の健康寿命を長くするかという国家的に大きな課題に直面しています。
実際に私の周りでも高齢者が歩行中に転倒して足を骨折してしまい、それがきっかけで寝たきりになるケースが増えています。

そうした中、今回ご紹介した「体力ドック」は、高齢者の日常生活でのリスクを確認出来るので事故防止につながります。
勿論、そのためには検査結果をもとにしたリスク対応策として、それぞれの高齢者ごとに普段の暮らしにおける改善やいろいろなトレーニングが必要です。
ただ、「体力ドック」の利用料金が70分で3万3000円というのはある程度お金に余裕のある人による利用に限られてしまいます。
ですから、本気で国が高齢者の健康寿命を伸ばそうとするのであれば、「体力ドック」や、その後のトレーニングにかかる費用を誰でも払えるような金額に抑えることが求められます。

なお、健康寿命を伸ばす取り組みについては、アイデアよもやま話 No.5548 老化を治療出来る時代へ!でもお伝えしたように、老化細胞の無力化、あるいはiPS細胞を使った若返りの研究も進められています。
ですから、こうした研究も合わせて、いろいろな観点から高齢者の日常生活でのリスクを軽減する取り組みに期待したいと思います。

また、高齢者に限らず他の世代によるクルマの運転中のブレーキの踏み遅れやアクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故防止については、自動ブレーキや自動運転機能の装備が最も有効な手段だと思います。

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています