2024年01月10日
アイデアよもやま話 No.5787 “調味家電”の進化系!
以前、アイデアよもやま話 No.5265 味を吹き付ける“調味家電”!で、事前に複数の食べ物の味をセンサーで数値化して、それらをもとに液体を調合して吹きかけることで味が再現出来る“調味家電”についてお伝えしました。
そうした中、昨年12月7日(木)付けネット記事(こちらを参照)で“調味家電”の進化系について取り上げていたのでご紹介します。

・宮下先生(栄養学が専門の明治大学の宮下芳明教授)の研究室では味を“再現”出来る調味家電を開発していますが、映像を遠隔に届ける視覚メディア、音を届ける聴覚メディアと同様に、食べ物の味を届ける味覚メディアが作れないか、と考えたのがきっかけです。味を数値化する味覚センサーは1990年代からあり、その値に基づいて、違う食べ物の味に変える装置が、調味家電のTTTV2です。
・味を構成する5味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)の味溶液を混合噴霧することで、飲食物の味を再現・変化させる仕組み。甲殻アレルギーの人がカニクリーム味のコロッケを食べられたり、毒性のあるベニテングダケの味を別のキノコにまとわせて楽しめたりもするわけです。
・23年は、その進化系であるTTTV3を発表。より高度な風味を再現するため味溶液を20種に増やし、0.02ミリリットル単位の精度で、各味を1000段階で調整できるようにしました。理論上は10の60乗(1那由他)通りの味を表現可能。梅干しやチョコレート、ワインなどの産地による味の違いも表現できます。例えるなら、高品質なインクジェットプリンター。基本色のCMYKに加えて、フォトブラックやライトシアンなど様々な色のタンクを搭載し、より多様な再現を可能にした状態といえます。

以上、ネット記事の内容をご紹介してきました。

要するに、2022年5月放送の当番組で取材した研究は、5味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)の味溶液を混合噴霧することで飲食物の味を再現・変化させる調味家電のTTTV2でしたが、2023年には、より高度な風味を再現するため味溶液を20種に増やし、0.02ミリリットル単位の精度で、各味を1000段階で調整出来るようにした進化系のTTTV3を発表したというわけです。
TTTV3によって、ほとんど無限に様々な味の再現を可能にしたのです。
ということは、自然には存在しない新たな味、しかもこれまでにない美味しさを持った味を手に入れることが可能になったのです。
ですから、これは間違いなく“食の革命”をもたらすと言えます。

 
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