2023年09月02日
プロジェクト管理と日常生活 No.833 『終末時計が過去最も短くなっている!』
8月5日、ロシアによるウクライナ侵攻下においてロシアによる核兵器使用の脅威についてお伝えしました。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.829 『ロシアが脅すとんでもない核兵器の脅威』
そうした中、7月31日(月)に放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で核兵器を巡る世界の動きについて取り上げていたので番組の内容を以下にまとめてみました。

・ロシアの安全保障会議のメドベージェフ副議長は7月30日、「ウクライナの反転攻勢が成功したとすれば“核兵器”を使用せざるを得なくなる」とSNSに投稿、核戦力をちらつかせて威嚇を繰り返している
・ウクライナ情勢の緊迫が続く中、7月31日からウイーンで世界の核軍縮について議論するNPT(核拡散防止条約)の会合が始まった
・準備委員会の冒頭、国連で軍縮部門トップを務める中満泉事務次長は「この数十年で地政学的な競争と緊張が最高レベルになり、大国間の分断が深まっています」と述べ、強い危機感を示した
・NPTは、核兵器を保有する5ヵ国に核軍縮に向けた交渉を義務付ける一方、その他の国には核兵器の開発や保有を禁止し、核の不拡散を求めている
・今、世界では“核軍縮・不拡散に逆行”する動きが相次いでいる
 -ウクライナ情勢を巡って、ロシアは“核の威嚇”を続け、隣国、ベラルーシに“戦術核兵器の配備”を進めている(こちらを参照)
 -これに対抗して、NATO加盟国のうち、ポーランドが“アメリカの核兵器を国内に配備”する「核共有」への参加を求めるなど、“核抑止力への依存”を強める動きも出ている
 -東アジアでも北朝鮮が核・ミサイル開発を進め、中国は1年で核弾頭の数を世界で最も増やしたという分析もある
・“人類最後の日”までの残り時間を象徴的に示す終末時計は今年、“1分30秒”と過去最も短くなった
・8月11日までのNPT準備委員会では、各国の主張が鋭く対立することも予想され、核軍縮に向けて歩み寄れるのか予断を許さない情勢である

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、8月12日(土)付けネット記事(こちらを参照)で世界の核軍縮を目指すNPTの準備委員会の結果について取り上げていたのでその一部をご紹介します。

世界の核軍縮を目指すNPT=核拡散防止条約の準備委員会は最終日を迎え、議長が会期中の議論をまとめた総括文書の草案を示しましたが、ロシアやイランなどが公式の記録とすることに反対して採択されず、各国が対立したまま委員会は閉会しました。

先月31日からオーストリアの首都ウィーンで開かれていたNPTの次の再検討会議に向けた準備委員会は、11日、最終日を迎え、ビーナネン議長が会期中の議論をまとめた総括文書の草案を示しました。

草案では、▼締約国が世界の核軍縮や核拡散防止に向けNPTの役割の重要性を改めて確認した上で、▼ロシアのウクライナへの軍事侵攻に関連して、各国が核兵器による威嚇を非難し、ロシア軍が占拠を続けるザポリージャ原発の安全性にも懸念を示したとしています。

準備委員会では終始、各国から核による威嚇を続けるロシアへの非難が相次いだのに対し、ロシア側は「欧米による安全保障上の脅威が原因だ」などと反論し、対立が際立つかたちとなりました。

閉会にあたってビーナネン議長は「次の再検討会議でも合意が得られなければ、NPTの信頼性が揺らぎかねない」と危機感を示したうえで、各国に歩み寄りを呼びかけました。

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

番組を通して、以下のことが言えます。
・今、世界では“核軍縮・不拡散に逆行”する動きが相次いでいる
・終末時計は今年、“1分30秒”と過去最も短くなった

そこで、ロシアによるウクライナ侵攻において、今後起こり得る3つのケースについてまとめてみました。

1. ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシアの形勢が圧倒的に不利になった場合
・ロシアによる核兵器使用の可能性が非常に高まる
 ・ロシアによる核兵器の使用をきっかけにNATOもウクライナへの核兵器の供与を決定する
 ・このことをきっかけに、核兵器の使用による第三次世界大戦の勃発をもたらす可能性が高まる
 ・やがて終末時計は0秒を迎えることになる

2. プーチン大統領が満足出来る結果で終息する場合
・ロシアは更に他のロシアの周辺国への侵攻を繰り返す
・中国による早期の台湾進攻の可能性が高まる
  ・中国・ロシア陣営対NATOを中心とする民主主義陣営との間で第三次世界大戦の勃発をもたらす可能性が高まる
 ・やがて終末時計は0秒を迎えることになる

3. ロシアで反プーチン政権組織の勢いが増し、プーチン政権が崩壊した場合
・ロシア国内が大混乱に陥り、混とんとした国際情勢をもたらし、国際社会は予測不能な事態に陥る(添付参照)

ということで、国際社会は、ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、今、人類存亡の最大のリスクに直面しているという認識を持つべきなのです。
そして、世界各国の指導者、中でもアメリカのバイデン大統領、および中国の習近平国家主席は一国の指導者という立場を離れて、人類存亡の危機に立ち向かう覚悟を持って、政治家としての責務を全うすべきなのです。
勿論、日本政府にも、日本として果たすべき役割を全うしていただきたいと思います。

仮に第三次世界大戦が勃発した際には、勝者は存在せず、世界中で何億人という数の犠牲者が出て、地球環境にも計り知れないほどの悪影響を及ぼしかねないのです。

ちなみに、日本政府は対外的な課題として、ロシアからの北方4島の返還を抱えています。
この課題は、立場は違えども、ウクライナによるロシアからのクリミア半島の奪還と本質的には同じです。
ですから、今回のロシアによるウクライナ侵攻の収束時は、結果次第で日本政府にとっては北方4島の返還の実現の最大のチャンスとなり得るのです。
ですから、日本政府にはこの課題の解決に向けて、しっかりしたシナリオの検討を進めておいていただきたいと思います。


添付)

ロシアで反プーチン政権組織の勢いが増し、プーチン政権が崩壊した後のシナリオは?
ChatGPT
プーチン政権が崩壊した後の具体的なシナリオは予測が難しいですが、一般的な方向性や可能性については考えることができます。以下にいくつかのシナリオを挙げてみましょう。
1.政治的な変革と民主化: 反プーチン政権組織が勢いを増し、プーチン政権が崩壊した場合、新たな政権が民主的なプロセスを尊重し、政治的なオープンネスや市民の権利を重視する可能性があります。これにより、政治体制の変革や市民の参加が促進され、国内外の信頼が高まるかもしれません。
2.政治的な不安定と権力闘争: プーチン政権の崩壊は、権力の真空を生み出す可能性があります。これにより、異なる政治派閥や勢力が権力をめぐって競合し、政治的な混乱が生じるかもしれません。政権交代の過程で国内の安定が揺らぐ可能性もあります。
3.経済と社会の改革: 新政権が誕生する場合、経済や社会の改革が必要になるかもしれません。これには経済の多様化や近代化、社会的な不平等の削減などが含まれる可能性があります。経済の安定化や国内の不満の緩和が試みられるかもしれません。
4.国際関係の変化: ロシアの政権交代は、国際的な関係にも影響を及ぼす可能性があります。新政権が外交政策の転換を試みるかもしれず、他国との協力関係や対立が変化する可能性があります。
5.国内の対立と調和の模索: プーチン政権崩壊後、過去の政治的な対立や分断を乗り越え、国内の団結と調和を模索する動きが出るかもしれません。これには異なる政治的、民族的、宗教的なグループとの協力が必要とされるでしょう。
これらのシナリオはあくまで一般的な指針であり、現実の事態は予測困難です。政権の崩壊や交代は複雑な要因によって影響を受けるため、実際に起こる出来事はさまざまな要素によって塑まれることになるでしょう。

 
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