2023年02月05日
No.5496 ちょっと一休み その862 『中国当局による日本人へのビザ発給手続きの暫定停止に見る中国の本質!』
1月11日(水)付けネット記事(こちらを参照)で中国当局による日本人へのビザ発給手続きの暫定停止について取り上げていたのでご紹介します。 

・日本外務省は10日夜、中国当局が日本人へのビザ(査証)発給手続きの暫定停止を発表したことについて、外交ルートを通じて中国側に「極めて遺憾だ」と抗議し、措置の撤回を求めた。
・同省は中国側に、日本の水際措置は科学的な根拠に基づき国際的な人の移動を妨げないように実施していると説明した上で、中国側の措置について「新型コロナウイルス対策を目的としていない」と指摘した。
・中国側は今回の措置について、一部の国が実施している中国からの入国制限に対抗するための「対等な措置」だと説明しているが、日本政府関係者は「日本は中国人に対するビザ発給手続きを停止しておらず、『対等な措置』とは言えない」と述べた。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

なお、同じく1月11日(水)付けネット記事(こちらを参照)では以下のように報じています。

・中国当局が日本人へのビザの発給を一時的に停止したと発表したことについて、中国外務省の報道官は「国家間の正常な往来や協力に必要な環境を守るため正当かつ合理的な措置だ」と述べて、中国への差別的な措置への対等な反応だと強調しました。
・汪報道官は「日本は中国人の訪日ビザの発給を制限しておらず、中国の措置は対等性に欠けているのではないか」と問われましたが、回答しませんでした。
・また「アメリカも水際措置をとっているが、対等の措置をとらないのか」という質問に対しては「すでに回答した」と述べるにとどめました。
・中国の出入国管理当局は11日、日本人と韓国人を対象に、中国を経由してほかの国に向かう乗り継ぎが目的の場合、ビザを免除して数日間滞在できる措置を11日から停止すると発表しました。
・また、緊急時など特別な理由で、中国の空港や港などで臨時に発給していたビザについても停止するとしています。
・中国の出入国管理当局は、一部の国が中国の国民に対して差別的な入国制限を課していることを受けた措置だとしています。
・韓国のパク・チン(朴振)外相は11日、記者会見で「われわれは、科学的かつ客観的な根拠に基づいて中国からの入国者の短期ビザの発給を停止した。ただ、緊急の企業活動や人道的理由がある場合などは、例外規定を設けている。中国が短期ビザの発給を全面的に中断する対抗措置をとったことは非常に遺憾に思う」と述べました。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

以前、中国では“まず中国共産党ありき”で中国共産党が全てに超越する存在で、憲法よりも上にあり、憲法も法律も全ては中国共産党の存続のための道具という位置付けだとお伝えしました。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.690 『中国式“法治”の脅威!』

今回ご紹介したネット記事を読むと、以下の点で、今や中国共産党政権は“まず中国共産党ありき”の基本的な考え方を世界展開しているように思えてきます。
・自国の新型コロナウイルスの感染者数の急拡大とともに感染状況を公開しなくなった
・そうした状況において、日本や韓国、欧米各国は中国の感染状況を把握した結果、科学的な根拠に基づき、中国からの入国制限を実施した
・この自国に対する入国制限に対して、中国は自国民に対して差別的な入国制限を課しているとし、日本と韓国に対して、ビザの発給を一時的に停止するなど、対抗的な措置を取った

要するに、中国のスタンスは、自国は独自の価値観に基づき、常に国際的に正しい発言、および行動をしており、その中国が何らかの被害を被った場合には、断固として被害以上の対抗措置を取るという図式なのです。
ですから、中国にしてみれば、極論すれば、国際社会にける中国の活動は“何でもあり”なのです。
そうした中国も今は経済的にも軍事的にも力が及ばないアメリカには遠慮していますが、経済的にも軍事的にも世界ナンバーワンになった暁にはアメリカに対しても遠慮のない対応がなされることは明らかです。

そもそもこのような中国、あるいは国際ルールを全く無視してウクライナ侵攻を続けているロシアが国連の安全保障理事国として存在していることが一般社会からかけ離れて非常識なのです。
人類よりも進化した文明をもつ他の惑星の宇宙人から見れば、地球人はなんて愚かな生物なんだときっと不思議に思われるはずです。
ですから、こうした中国やロシアの傲慢、かつ身勝手な行動に対して、他の国々は断固として対峙することがとても重要なのです。
このまま中国やロシアの望むような方向に世界が変わっていけば、世界はまさに自由も人権も尊重されない“暗黒社会”になってしまうのです。

そうした中、救いなのはロシア国内にも中国国内にも政府に批判的な声が広がっていることです。
是非、こうした人たちが、自国の政府がこうした声に押されて方針転換せざるを得ないような状況になって欲しいと思います。
ですから、国連を中心に自由、平等、そして人権を尊重する国々が自国の利害を乗り越えて、こうしたロシアや中国の人たちの活動を支援することがとても重要になります。

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています