2023年01月17日
アイデアよもやま話 No.5480 最新の遺伝子検査サービスから分かること!
唾液による検査については、これまでアイデアよもやま話 No.4790 10分で新型コロナウイルス感染を判定!などでお伝えしてきました。
そうした中、昨年9月20日(火)付けネット記事(こちらを参照)で最新の遺伝子検査サービスから分かることについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

・2014年1月、日本で初めて個人向け遺伝子検査・解析サービスを開始した株式会社ジーンクエスト、代表取締役の高橋祥子氏が東京大学大学院の在学中に立ち上げた企業で「自らの研究成果を社会に還元したい」との思いが根底にある。
・2017年にはバイオベンチャー、ユーグレナの子会社となり、現在はオフィスをともにしながら活動している。
・ジーンクエストのサービスは単純明快である。Webで遺伝子解析キットを注文後にマイページに会員登録すると、自宅にキットが送られてくる。届いたキットに唾液を採取して郵送で返送すると4〜6週間後にマイページで解析結果を確認できる流れだ。
・検査項目は300以上、解析結果からは“勤勉さ”の傾向まで分かる
・同社のミッションは「遺伝子の研究を推進し、正しい使い方を広め、人々の生活を豊かにすること」。この考えのもと、同社では高品質のDNAチップ(こちらを参照)を採用した技術により日本人の遺伝情報に特化した解析を行ない、科学的根拠に基づいた論文に照らし合わせて検査結果を提供している。
・同社 取締役副社長の岩田修氏は「コロナ禍で自身の健康を自宅で確認したいニーズが増えたこと、そしてPCR検査や抗原検査が普及したことで以前にも増して遺伝子検査は身近なものになった」と話す。事実、緊急事態宣言が出された2020年春以降は急激なユーザー数の伸びを実感したという。
・「もともとは健康意識の高いユーザーが多かったが、最近では病気に対する予防の一環として気軽に遺伝子検査を受ける人たちが増加。唾液を採取して検査する習慣が一般化したため、ハードルが低くなったことも要因として挙げられる」(岩田氏)
・フルパッケージの「ジーンクエスト ALL」(こちらを参照)は3万2780円(税込み)と決して安くはない。しかし、かかるコストは購入時の支払いのみで、およそ1カ月に一度アップデートされる追加項目の検査結果はすべて無償で閲覧できる。項目は健康リスクと体質に大別され、2022年9月10日現在、健康リスクは125項目、体質は223項目を用意する。さらに祖先のルーツまで分かるのが特徴だ。
・健康リスクでは2型糖尿病、高血圧症、がんなどの生活習慣病から、インフルエンザ感受性、花粉症アレルギー性鼻炎などピンポイントの項目までをそろえた。体質に関してはBMI(体格指数)、アルコールとニコチンの共依存、95歳以上まで生きる可能性などに加え、好奇心、協調性、勤勉性といった性格に関わるものまである。
・「健康リスクでは、各個人がどのような疾患にかかりやすいかを提供している。リスクの高い順にリスト化して表示しており、その上で各疾患の予防のためにできるアドバイスを見ていただく。これにより、各個人の健康管理に役立ててもらうのが狙いだ。
・体質で分かるのは生まれつきの傾向。例えばダイエットならば脂質の代謝が苦手かどうか分かる。性格に関してはエビデンスのある論文を参照し、そこに掲載されたアンケートやグループワークなどからの定性データをもとに結果をお返ししている。
ただし、遺伝要因によるリスクはあくまで平均で3割程度。残りの7割は環境要因であり、仮に大腸がんにかかりやすいとの結果が出たとしても、コントロールすればしっかりとケアできる。逆に結果に安心して暴飲暴食してしまえばリスクは高まってしまう。あくまで行動変容のきっかけであり、その裏付けとして本サービスを利用してほしい」(岩田氏)
・サービス開始から8年を経て、会員数は約10万人規模を実現。健康が気になる40〜50代がメインだが、年齢・性別を問わずに裾野が広がり、20代のユーザーも増えてきた。
「若い世代は自分の代謝傾向を知ることでダイエットに活用いただくケースが多い。また、お酒が強い、弱い傾向を若い頃から知ることも大事。無理して飲むと体内に毒が残りやすいので、結果的にがんになりやすい。いくつかタイプがあるものの、喫煙と飲酒量が増えた場合は食道がん、胃がんのリスクが100倍以上になるとの統計もある」(岩田氏)
・検査サービスと並行し、匿名化した会員の遺伝子情報やアンケート情報を企業やアカデミアとの共同研究に活用。これまでの共同研究先には、アステラス製薬、武田薬品工業、ライオン、伊藤園、東京大学、東北大学などがある。まだ速報版の段階だが、最近では健康リスクの項目に新型コロナワクチン副反応の傾向を追加した。これは東北大学研究チームとの共同研究成果を反映したものだ。
・また、2021年2月からは薬局連携サービスの実証実験がスタートした。解析結果を薬局に提供して、個人差が生じやすい効果や副作用の現れ方(薬物応答性)の判断に役立てるもので、ユーザーは無料のオプションサービスとして利用できる。「親会社のユーグレナには薬剤師の社員もいる。連携を深めてサービスを進めていく」と岩田氏は語る。
・「日本は世界に先駆けて高齢化が進む。超高齢社会に突入する2025年問題も目の前に来た。理想は遺伝子検査が定期健診に組み込まれて、国民の皆さんに受けていただくこと。そうすれば、若いうちからどんな病気になりやすいか、体質も含めて傾向がつかめるからだ。それによって健康寿命が延びれば、生活の質を落とさずに長く暮らすことができ、介護の負担軽減や医療費の削減などにも寄与する。これからも、社会全体の課題解決につながるようなアクションを起こしていきたい」(岩田氏)

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

今回ご紹介したジーンクエストによる日本で初めての個人向け遺伝子検査・解析サービスですが、その内容について以下にまとめてみました。
・Webで遺伝子解析キットを注文後にマイページに会員登録すると、自宅にキットが送られてくる。
・届いたキットに唾液を採取して郵送で返送すると4〜6週間後にマイページで解析結果を確認出来る。
・検査項目は300以上、解析結果からは“勤勉さ”の傾向まで分かる
・フルパッケージの「ジーンクエスト ALL」は3万2780円(税込み)だが、かかるコストは購入時の支払いのみで、およそ1カ月に一度アップデートされる追加項目の検査結果はすべて無償で閲覧出来る。
・項目は健康リスクと体質に大別され、2022年9月10日現在、健康リスクは125項目、体質は223項目を用意する。さらに祖先のルーツまで分かるのが特徴だ。

自分の唾液を採取して郵送するだけで、これだけの検査が受けられるというサービスはまさに画期的と言えます。
また、その価格は3万2780円(税込み)といいますが、同社の公式ページには33%引きの2万1780円(税込み)と表示されています。(このブログの投稿時)

この価格だとすぐに自分をこのサービスを受けてみたいというわけにはいきません。
しかし、岩田さんがおっしゃっているように、遺伝子検査が定期健診に組み込まれて、国民全体がこのサービスを受けることが出来るようになれば、国民の健康管理は格段に向上します。
その結果、介護の負担軽減や医療費の削減などにも寄与します。

ということで、国にはジーンクエストに価格を1万円以内に抑えるように値下げ交渉をし、定期検診に組み込むことを検討していただきたいと思います。
一方で、ジーンクエストには是非多くの潜在需要が期待出来るこのサービスを世界展開していただきたいと思います。

ちなみに「ジーンクエスト ALL」はネット、および郵送を介するだけでサービスが完結します。
ですから、あらためて思うのはネット社会のコミュニケーションインフラとしての凄さです。
今や、私たちはネット通販を通して、いつでも、どこからでも世界中のどんな業者からでもモノやサービスを購入することが出来ますが、これはとても凄いことだと思います。

 
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