2023年01月22日
No.5484 ちょっと一休み その860 『富士通、新卒2年目で課長級抜擢!』
昨年10月27日(木)付けネット記事(こちらを参照)で富士通による新卒2年目での課長級抜擢について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。 
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

・富士通は若手社員を期間限定で管理職級に登用する制度を導入した。
・任期を基本1年として公募し、新卒2年目の社員を課長級に抜擢(ばってき)した。
・事業転換に若手の柔軟な発想を活用するため、年功序列を見直す人事制度が広がってきた。
・9月に課長級の役職「デザインアドボケート」を新設した。新卒1年目からを対象に社内公募で希望者を集めて、新卒2年目の社員1人を選抜した。学生時代にイベント企画の経験を積み重ねてきたことなどを評価した。
・課長職級の間は同等の給与を支払う。成果次第で任期延長の可能性もある。
・大企業では若手社員は上司の指示を受けて業務に取り組むのが通常で、自らが主体的に重要な意思決定に関与することは少ない。IT(情報技術)を使いこなした発信には10〜20代の「Z世代」の社員が持つSNSの活用能力や変化への対応力を引き出すことが欠かせないと判断した。
・重要な役割を与えられる前に離職するといったことを回避する狙いもある。
・富士通は2020年に本体と国内グループの管理職、22年にほぼグループ全体で「ジョブ型雇用」を導入し、管理職を社内公募で選考する制度に切り替えた。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

そもそも企業に限らず、組織は、管理者層とその管理下のもとで指示に従って働く一般社員層とに大別されます。
そして、技術革新のスピードが緩やかな環境においては、業務内容もそれほど急激な変化はないので、年功序列、終身雇用といった組織風土で対応してもそれほど組織効率には問題が起きません。

一方、現在のように、インターネットやAI、ロボットといったようなテクノロジーの進歩が激しい時代には、こうした革新的な技術を活用したビジネスを展開するうえで、従来の知識では大きなビジネスチャンスの波に乗って新たな成長のチャンスをものにすることは出来ないのです。
中でも、インターネットの威力は凄まじいものがあります。
なぜならば、今やインターネットを通して、世界中の人たちが様々な情報を瞬時に入手出来るからです。
ですから、ネット上でビジネス展開をすれば、世界中の人たちの潜在需要に応えることが出来るのです。
従って、潜在需要の膨大なビジネスをネット上で展開すれば、大量に、しかも短期間で売り上げを伸ばすことが可能になったのです。
こうしたネットのメリットを生かして急成長を遂げた典型例がGAFA、あるいはマイクロソフトやテスラのようなベンチャー企業です。
更に今は“メタバース”というキーワードのビジネスのニューフロンティアが展開されつつあります。(参照:アイデアよもやま話 No.5354 メタバースが変える世界 ー ”実在しない土地の価格が急騰”!
そして今後ともこうしたニューテクノロジーによるビジネスのニューフロンティアが次々に生まれてくるのです。

こうしたビジネス環境においては、年功序列、終身雇用といった組織風土では十分な対応が出来ませんし、対応するスピードも遅くなってしまいます。
従って、大きなビジネスチャンスに乗り遅れてしまうというわけです。
今、必要な組織風土は、いかに最新のテクノロジーを生かしたビジネスモデルを創造し、タイムリーに実現し、素早く世界展開出来るといったような要件を満たすものなのです。
富士通ではこうした要件を満たすべく、事業転換に若手の柔軟な発想を活用するべく、時代に即した優秀な社員であれば、新卒2年目でも課長級に抜擢するというような昇進制度を導入したわけですが、現状においては理に適っているのです。

なお、企業によっては、従来通りの年功序列、終身雇用といった組織風土をベースに今後も事業に取り組むところもあると思いますが、こうしたテクノロジーの変化の激しい時代にはいずれ組織風土を変えざるを得ない状況に追い込まれるようになると思います。

どんな時代においても、まず“ビジネスありき”で、“ます組織ありき”ではないのです。
組織は飽くまでも“ビジネスをより効果的に、あるいは効率的に”展開するための手段なのです。

 
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