５月３日（火）放送の「ワールドビジネスサテライト」（テレビ東京）で実在しない土地の価格の急騰について取り上げていたのでご紹介します。
こちらをご覧ください。
ザ・サンドボックス（ＴＨＥ ＳＡＮＤＭＯＸ）というゲームの中にある地図です。
この地図の中には、ワーナーミュージックやアディダスといった企業のロゴがありますが、これらはこの仮想空間の土地を所有している企業です。
仮想空間でありながら、供給出来る土地が限られているため、価格が急騰しています。
いったい何が起きているのでしょうか。
東京・渋谷の商業施設、ＳＨＩＢＵＹＡ１０９渋谷店、株式会社ＳＨＩＢＵＹＡ１０９エンタテインメントの石川あゆみ社長が案内してくれました。
ＳＨＩＢＵＹＡ１０９はかつて“ギャルの聖地”として流行を発信し続けてきた若者あこがれの場所でした。
近年は渋谷のランドマークとして海外の観光客からも人気を集めていました。
しかし、コロナ禍に入って来館者が半分程度、５〜６割に減ってしまったといいます。
そんな状況を打開しようと新たな事業に取り組んでいます。
石川社長は次のようにおっしゃっています。
「メタバースの空間の中にＳＨＩＢＵＹＡ１０９ランドというかたちで渋谷の街と１０９を再現している空間になっています。」
こちらは現在、メタバース上に建設中の渋谷の街、ここで新たなビジネスを始めるというのです。
石川社長は次のようにおっしゃっています。
「中々社会環境で（お客様に）お越しいただけないこともあるので、あまり場所とかにこだわらず、事業展開の場を持ちたかった。」
今後、この空間でオンラインイベントを開催する他、商品の販売なども想定、更に街の看板など広告枠の販売も検討しているということです。
石川社長は次のようにおっしゃっています。
「（ターゲットについて、）海外のお客様が中心のメタバース空間になっておりますので、海外にお住いのお客様に楽しんでいただけることが大事かなと。」
この渋谷の街があるのがザ・サンドボックスというメタバースの中、世界で２００万人以上が登録していると言われています。
プレイヤーはアバターと呼ばれる自身の分身を使い、ゲームの世界を冒険したり、別のアバターと交流したり出来ます。
またザ・サンドボックスはＮＦＴゲームと呼ばれ、ゲーム内で使用されるアバターなどはデジタル資産として売買出来るため、今、注目を集めています。
このザ・サンドボックスに早くから目をつけていたのが暗号資産取引所を運営するコインチェック株式会社（Ｃｏｉｎｃｈｅｃｋ 東京・渋谷区）です。
現在、コインチェックはザ・サンドボックスの土地を販売しています。
コインチェックの執行役員、天羽健介さんは次のようにおっしゃっています。
「だいたい１年前は一番小さい区画で２万円から３万円だったんですけども、今は１５０万円から１８０万円で推移していている。」
一番小さい土地の価格を見てみると１３４万円、取引は仮想通貨で行われています。
天羽さんは次のようにおっしゃっています。
「東京・港区（の土地）だともっとすると思うんですけど、それに比べるとまだ割安なんじゃないかなと思ったりはします。」
「（メタバースの土地がこれほどまでに注目を集める理由について、）ここが全体のマップになっておりまして、この中に、例えばワーナーミュージックさんとか、国内においてもエイベックスとか、有名企業が続々参入しています。」
ザ・サンドボックスの土地に自分たちの街を建設し、そこで新たなビジネスを展開しようと、今、多くの企業が土地を購入しています。
天羽さんは次のようにおっしゃっています。
「企業がものを売ったり、買ったりするスペースなど、現実空間と変わらないかたちで経済圏が生まれるんじゃないかと言われています。」
そのメタバース上の土地を巡り、世界で加熱しているのがバーチャル不動産投資です。
韓国のピョンテク市に住むイ・ウォンヒョンさん（２９歳）は次のようにおっしゃっています。
「私は「アース２（ＥＡＲＴＨ２）」で投資を少しずつやっています。」
「ここに入ると、土地を一つずつ購入出来ます。」
イさんが投資しているのが「アース２」というメタバースのプラットフォームです。
この「アース２」は「Ｇｏｏｇｌｅ Ｅａｒｔｈ」の情報をもとに仮想空間上に地球を作成していて、その土地は１０�崔碓未波稜笋気譴討い泙后�
イさんは次のようにおっしゃっています。
「私が持っている土地はここ、（韓国の）オリンピック競技場付近の土地を買いました。」
「当時は１タイル１ドルでしたが、今は３９ドルまで上がっています。」
ソウルの一画の土地を見てみると、土地の価格が１７２０％に上昇しています。
イさんが最初に投資した９０ドルも今では７０００ドル、約８０倍に上昇しました。
現在、「アース２」は土地の売買しか出来ませんが、将来的にこの空間を使ったビジネスに多くの人が期待を寄せていて、投資家の資金が集まっているのです。
ただ、このバーチャル不動産投資、リスクはないのでしょうか、
イさんは次のようにおっしゃっています。
「これはプロジェクト、１００％は信じられません。」
「いつどう下がるか分からないから現金化をして口座に入るお金を見ないと（安心出来ません）。」
韓国ではここ５年でソウルのマンション価格が２倍になるなど、不動産価格が高騰、ソウル市内のマンション価格は日本円で１億１０００万円とも言われ、若者には中々手が出ない状況です。
イさんは仮想空間での投資で、現実でもソウルにマンションを買うことを夢見ています。
イさんは次のようにおっしゃっています。
「１９９０年代、２０００年代生まれがソウルのマンション価格を見ると絶望を感じます。」
「投資を頑張っている理由はソウルに家が欲しい、それだけです。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
コロナ禍で一時は世界各国で感染を避けて外出者が激減していました。
そして今でも日本人の多くは変異株による感染を避けて、ほとんどの人たちは人ごみの中ではマスクを着用しています。
しかし、No.5184 ちょっと一休み その８１１ 『メタバースにより人類の思考が解放される！？』でもお伝えしたようにメタバースでは仮想空間上で現実に近いかたちで商品を購入することが出来ます。
また、メタバースが現実をなぞったかたちの空間であれば、よく知っている地域であれば、スマホさえあれば、いつでもどこでも迷うことなくウィンドウショッピングなどを楽しむことが出来ます。
さて、今回ご紹介したのは、メタバース上での不動産の売買です。
驚くことに、その不動産の価格が短期間の間に何倍にも跳ね上がっているというのです。
ですから、メタバース上の不動産バブルと言えます。
更にその支払いは仮想通貨といいます。
ですから、メタバースと仮想通貨は二人三脚で今後とも拡大、普及していくと見込まれます。
さて、メタバースの発展について、音楽好きの私の視点からどのような楽しみがあるかを思い描いて以下に書き出してみました。
・イギリスのロンドンやアメリカのカリフォルニアあたりのロックやブルースのライブハウスのある街をぶらぶらと歩いて、ライブハウスをはしごする
・そして気に入ったバンドの演奏曲があれば、その時点で購入の注文をする
・同様に世界各国の街頭ライブで有名な街をぶらぶらと歩いて、ついでに有名な観光地での観光を楽しむ
というような具合に、世界中で一人ひとりがそれぞれの嗜好に応じて、現実には行けない場所でもメタバース上では簡単に行くことが出来るのです。
このようにメタバース上では世界中の人たちがいつでも自由にどこにでも出かけられるようになるのですから新たに巨大な重要が生まれるのです。
こうした中、メタバース上での世界的に有名な街、あるいはショップのある場所、あるいは有名な観光地などの不動産価格が現実の場所の不動産価格に比例して高騰していくと見込まれます。
そもそも実在しない土地の価格が急騰するなど、１０年ほど前には多くの人たちは想像出来なかったと思います。
ところが今では、それが現実のものとなりつつあるのです。
しかもこの急騰ぶりを見れば、従来の株式投資に比べれば、今のところはるかに投資効率が良いのです。
ですから、まさに経済の新たなニューフロンティアと言えます。
こうしてみると、アイデアよもやま話 No.5183 フェイスブックが社名を「メタ」に変更した背景！やNo.5184 ちょっと一休み その８１１ 『メタバースにより人類の思考が解放される！？』でもお伝えしたように、フェイスブックが社名を「メタ」に変更した背景をあらためてうかがい知ることが出来ます。
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