2022年11月27日
No.5436 ちょっと一休み その852 『空飛ぶクルマの歴史』
アイデアよもやま話 No.5435 空飛ぶクルマの最前線!で空飛ぶクルマの開発に取り組む国内外のベンチャー企業間の熾烈な競争についてお伝えしました。
そうした中、10月1日(土)放送の「NHKBSプレミアム」(NHKBSP)で「ついに未来がやってきた!空飛ぶクルマ大全集」をテーマに取り上げていたので今回は空飛ぶクルマの歴史(20世紀まで)に焦点を当ててご紹介します。

およそ60年前、1960年、描かれたのはこんな21世紀の未来、「空飛ぶ学校バス」(「楽しい三年生」昭和35年1月号)。
そこではスクールバスもオートバイも警察官も、みんな空を飛んでいました。
描いたのは昭和に活躍した挿絵画家、小松崎茂、自由自在に空を飛ぶ未来が来る、子どもたちにそんな夢と希望を与えたのです。
そして1985年、過去や未来へタイムトラベルする映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、映画の最後、観客を驚かせたのが輝かしい未来の象徴だった空飛ぶクルマでした。
それが今、2022年、世界中でバッチバチの開発競争が行われ、次々と実現しているのです。

さて、本題の空飛ぶクルマの歴史ですが、自由自在に大空を飛びたい、はるか昔から人は夢見ていました。
1452年、ルネサンスの時代にイタリアが生んだ天才、レオナルド・ダ・ビンチもその一人でした、
ダ・ビンチが考えた飛行装置は乗り込んだ人が両足でペダルをこぎ、両手でハンドルを回すことで翼を羽ばたかせ、飛ぶのに必要な力を生み出すと、彼は書いています。
もう一つ、史上初めてヘリコプターの原理を記録したものとされているのですが、どちらも紙に書かれただけで終わってしまいした。

自由自在に空を飛ぶという夢が遂に実現したのは1903年、ご存じ、アメリカのライト兄弟、それまで気球やグライダーはあったけれど、エンジンを載せて常に行きたい方向に飛んで行ける飛行機はまさに画期的でした。

飛行機の進化と同時に起こっていたのが自動車の普及、1920年代、アメリカではマイカーを持つ家庭が一気に増加していました。
飛行機と自動車を組み合わせた空飛ぶクルマという発想が生まれたのがまさにこの時代。
でも最初は勿論失敗だらけで、実現するは第二次世界大戦前の1937年でした。
夢をかなえたのはアメリカ人のウォルド・ウォーターマン、彼が開発した空飛ぶクルマ「ウォーターマン・アロービル」、でもプロペラはついているが翼はありません。
翼は飛行場の格納庫で付けるパターンです。
見た目も飛行機に変身、滑走路からさっそうと飛び立ちました。
これが85年前、既に実現していたとはビックリです。
しかし、開発者が病に倒れ、空飛ぶクルマの販売は頓挫してしまいました。

その後も様々な空飛ぶクルマが続々と開発されました。
こちらは全部1940年から50年代にアメリカで出された空飛ぶクルマのカタログ、その機能を競っていました。
「フルトンエアフィビアン」というクルマは「奥さん!奥さん一人でもクルマから飛行機にわずか5分で飛行機に変身させられますよ」というのが売り文句でした。

これはクルマに飛行機を合体させたようなコンヴェアカー、「少しでもお安い方がいいわ」というお客のために自動車の本体を買えば、翼部分を空港でレンタル出来て合体してくれるユーザーに優しいシステム、このテイラーエアロカーの特徴はなんとクルマで翼部分を引っ張って移動すること、クルマで翼を持ち運ぶことで、わざわざ空港に行かなくても飛べるのが売りだったが、売れたのはわずか数台でした。

1955年、ベトナムでの戦火が激しさを増す中で、アメリカ軍は軍事目的で、それまでのクルマと飛行機を組み合わせたものとは全く違う空飛ぶクルマの開発を密かに進めていました。
その名も「フライング・プラットフォーム」、1人乗りの小型飛行機械で、兵士は空を飛び、偵察などをするためのものでした。
画期的だったのは滑走路無しに飛び立てる垂直離着陸でした。
操縦方法も簡単で、行きたい方向に体を傾けて重心を移動させるだけでした、

同じ年に開発されたのが「エアロサイクル」、足元で回る巨大なローターで空に浮かび上がるものですが、足を踏み外すと(足がローターに巻き込まれて)大変なことになりそうです。

次に出てきたのが「フライング・ジープ」、軍の関係者が見守る中、緊張の試験飛行、見事浮かび上がりました。
今のドローンを巨大化したかたちです。

しかし、どれもこれも飛行時間が短いうえ、燃費も悪く、開発計画は中止されました。
1959年、アメリカで目撃情報が相次ぎ、話題になっていた空飛ぶ円盤、格納庫から出てきたのはUFOではなく、UFOに影響を受けて開発された空飛ぶクルマ、「アブロカー」、円盤の周りから下向きに空気を吐き出すことでビョンビョンと円盤がまるでクッションの上に乗っているような状態になるのです。
しかし実際に飛ばしてみると地面すれすれで、フラフラ、ユラユラ、超低空でしか飛べません。
ともあれ意外にも20世紀、空飛ぶクルマは既に実現していたのです。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

そもそも今から570年前の1452年、ルネサンスの時代にレオナルド・ダ・ビンチは人力による飛行装置のアイデアを発見して図面に残していたのです。
そして自由自在に空を飛ぶという夢が遂に実現したのはその約450年後の1903年、それまで気球やグライダーはありましたが、アメリカのライト兄弟がエンジンを載せて常に行きたい方向に飛んで行ける飛行機を作ったのはまさに画期的でした。

飛行機の進化と同時に起こっていたのが自動車の普及、1920年代、アメリカではマイカーを持つ家庭が一気に増加していました。
飛行機と自動車を組み合わせた空飛ぶクルマという発想が生まれたのがまさにこの時代です。
でも最初は勿論失敗だらけで、実現するは第二次世界大戦前の1937年でした。
夢をかなえたのはアメリカ人のウォルド・ウォーターマン、彼が開発した空飛ぶクルマ「ウォーターマン・アロービル」、でもプロペラはついていますが翼はありません。
翼は飛行場の格納庫で付けるパターンです。
見た目も飛行機に変身、滑走路からさっそうと飛び立ちました。
これが85年前、既に実現していたとはビックリです。
しかし、開発者が病に倒れ、残念ながら空飛ぶクルマの販売は頓挫してしまいました。
ですから、もしウォーターマンが健康でいれば、この時代に空飛ぶクルマが市販化されていたはずなのでとても残念です。
その後もいろいろなかたちの空飛ぶクルマが20世紀に開発されていますが、1人乗りの「フライング・プラットフォーム」やUFOと見間違えるようなかたちの「アブロカー」など、現在の空飛ぶクルマブームの先駆けと言えます。

いずれにしても20世紀に開発された空飛ぶクルマは今のものに比べて完成度は低いですが、当時の人たちにとっては大変な驚きだったと思います。
なお、空飛ぶクルマの開発も地上を走るクルマの関連技術(自動運転技術など)、あるいは搭載するバッテリーの容量や軽量化など、その時代の関連テクノロジーのレベルに応じて進化していることが分かります。
そしてこうしたテクノロジーは時代の要請もあり、非常に速いスピードで開発が進んでいます。
ですから、私たちの思っている以上に空飛ぶクルマは早く普及が進むのではないかと私は期待しています。

 
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