2022年06月10日
アイデアよもやま話 No.5291 不要な衣服が変身!
2月28日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で不要な衣服のリサイクルについて取り上げていたのでご紹介します。 

不要になった服を新たな服に生まれ変わらせる取り組みがアパレル業界で広がる中、全く別なかたちでリサイクルする動きが出てきました。

東京・池袋の駅前にオープンしたH&M、春服を陳列するテーブルをよく見てみると、糸くずが見えます。
実はこのテーブル、H&Mジャパンで、輸送の際に傷ついてしまった商品や汚れてしまい、販売出来ない服のみで作られています。
ハンガーも服が原料です。
H&Mジャパン サステナビリティ・コーディネーターの山浦誉史さんは次のようにおっしゃっています。
「非商材(売り物以外)に関してもリサイクルのものを使っていくのは非常に重要かなと。」

H&Mの依頼を受け、服を原料にテーブルなどを作ったのが株式会社ワークスタジオ(東京・新宿区)で、最高サステナビリティ責任者の草木佳大さんは次のようにおっしゃっています。
「捨てられるはずだった衣類たちを何か救えないか、」

服からボタンやチャックなどを取り除いた後、特殊な工法で服を粉砕、それらと接着剤を混ぜ合わせ、熱でプレス加工して作っています。
洋服10着から20着ほどでボードが1枚完成、強度は木材に匹敵するといいます。
原料となる服や布などはアパレルメーカーや繊維商社、約100社から調達しています。
草木さんは次のようにおっしゃっています。
「繊維からアナザー(他の商材)というのを僕たちが出来れば良い手助けになる。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通してH&MジャパンのSDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)への取り組みについて以下にまとめてみました。
・SDGs担当の部署を設けている(サステナビリティ・コーディネーター)
・リサイクル専門業者に依頼して、販売出来ない服をテーブルやハンガーにリサイクルして店舗で使用すること

ご存じのように資源の有効活用の手段として3R(Reduce(減らす)、Reuse(繰り返し使う)、Recycle(再資源化))の3つがあるといいます。
ですから衣料品関連で言えば、出来るだけ精度の高い需要予測に基づいた衣料品を製造し、不良品や売れ残り商品は割引販売したり、今回ご紹介したように別のモノにリサイクルするということになるのです。
こうしてみると、SDGsの観点からアパレルメーカーには以下の要件が求められます。
・より需要の期待出来る商品づくり
・精度の高い需要予測
・環境に負荷を与えない原料の使用
・不良品や売れ残り商品の販路の構築
・具体的なリサイクルの方法を視野に入れた商品づくり

なお、世界的なSDGsの取り組みの拡大に伴い、環境に負荷を与えない原料の生産業者、あるいはワークスタジオのようなリサイクル業者の活躍の場がどんどん広がっていくと思われます。

 
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