2021年11月22日
アイデアよもやま話 No.5119 100%和紙の洋服!
7月23日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で100%和紙の洋服について取り上げていたのでご紹介します。

和紙の糸はねじったり、折ったりすると柔らかくなり、体になじむ特徴があるそうです。
紙ですが、洗濯機で洗っても破れることはありません。
この和紙の洋服、着る以外にも活用方法があるのです。(8月中旬に発売予定)
開発したクレサヴァ株式会社の園部皓志社長は次のようにおっしゃっています。
「天然繊維として、土に返ることが出来ます。」
「そこから生産される野菜の栄養価が非常に豊富というデータが出ております。」

着古したこの和紙の洋服は回収して農園で畑の肥料として再利用します。
土の中のバクテリアが土を分解することで土壌が豊かになり、栄養価の高い野菜を収穫することが出来るといいます。

環境庁によると、国内で廃棄される衣服の量は昨年12月から今年3月までで約50万トンもあるのです。
これが開発にきっかけになったといいます。
園部社長は次のようにおっしゃっています。
「私自身が以前ファストファッション出身でございまして、大量生産・低価格で良いものを届けるのは素晴らしいことだと私は思っております。」
「ただ、その中でもやはり廃棄物が残っている現状ではありました。
「そこをどう改善していくかが大きな大義だと思っております。」

例えば、和紙で出来た自分の洋服を庭に埋めて、そのまま野菜を作ってもいいのです。
それでも和紙は分解されるのです。
ただ、Tシャツでも2万円以上するので、結構お高めなのでしっかり着古してから土に還すといいかもしれません。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、クレサヴァについてもう少し知りたくなり、ホームページを覗いてみたら以下の記述がありました。
SDGs ((持続可能な開発目標)の地球を守る為の計画「アジェンダ2030」に因んだ、つくる責任、つかう責任に貢献する循環型ビジネスモデルを築きました。

積極的にサーキュラー・エコノミー(循環型経済)を導入し、ビジネスやブランド開発に取り組みます。

ですから、今や持続可能な社会の実現を目指し、サーキュラー・エコノミーを大前提で事業に取る組む企業が現れているのです。

そもそも和紙で洋服が作れるというアイデアが奇想天外ですが、番組を通して和紙の糸の特徴を以下にまとめてみました。
・和紙の糸はねじったり、折ったりすると柔らかくなり、体になじむ。
・和紙の服は洗濯機で洗っても破れることはない。
・着古した和紙の洋服は回収し、農園で畑の肥料として再利用出来る。
・ただし、Tシャツでも2万円以上ととても高価である。

なお、クレサヴァのホームページには和紙の糸の力について以下の記述があります。
・調湿機能
紙の呼吸により湿度を保ち、蒸れを防ぎ快適な状態を維持します。
・保温性
  熱伝導性と繊維の絡み合った層により高い保温性を実現。
・耐久性
  洋紙は100年、和紙は1000年と言われるほど保存性は高く耐久性があります。
・抗菌・消臭効果
  繊維がフィルターとなり埃や花粉菌などを吸着。消臭効果も。
・紫外線
赤外線カット
絡み合った繊維により光を乱反射
・軽量
  他の繊維と比べ、非常に軽い素材。
快適な着心地を実現。

こうしてまとめてみると、和紙はとても環境に優しい素材と言えます。
また、和紙で作られた洋服は体になじむといいます。
しかし、とても高価であるという大きな課題があります。
Tシャツでも2万円以上するのですから、スーツであれば10万円前後はすると思われます。

ということで、何とか技術力で少しでも従来の洋服並みの価格まで下げていただきたいと思います。
そうすれば、今や世界中がSDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)に則った持続可能な社会に向けて取り組んでいますから、世界中からの引き合いが期待出来ます。
その結果、持続可能な衣類による社会が実現出来るのです。

 
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