2021年11月05日
アイデアよもやま話 No.5105 小型EVによる社会貢献の事例!
7月12日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で小型EVによる社会貢献の事例について取り上げていたのでご紹介します。 

災害の発生後に活躍するクルマも登場しました。
自動車ベンチャーのHW ELECTRO株式会社(HWエレクトロ)が7月24日に発売する小型のEVトラック「エレモ」(価格:約220万円〜)です。(現在、発売中)
宅配用やキッチンカーなどとしての利用を見込んできて、小型の商用EVとして国内で初めてナンバーを取得しました。
EVなので加速は良く、一般的な軽自動車よりも更にコンパクトなため、狭い路地でも小回りが利くのが特徴です。
ただ、最大の売りは走りではありません。
バッテリーの電力を利用し、移動式の電源車としても活用出来るのです。
100ボルト、1500ワットまで対応しています。

6月には千葉県木更津市と災害時の支援に関する協定を結び、「エレモ」を寄贈しました。
HWエレクトロのショウ・ウェイチェンCEOは次のようにおっしゃっています。
「(自動車メーカーとして)今後はただのクルマではなくてもう一つプラスアルファの要素が求められていると思います。」
「大雨だったりとか、先ほどの熱海の件(土石流)とかありますけども、災害で停電はしてしまうと思いますので、そういった停電に対しての最初の救助が出来ればなと思っています。」

このクルマの導入を決めたのが全国4000以上の生花店をネットワークでつなぐ一般社団法人JFTD花キューピットです。
これまで災害が発生した際には避難所の体育館や病院などに花を贈る取り組みを続けてきましたが、今後は花の配送にこのEVを使い、有事の際には被災地域での電力供給にも役立てたい考えです。
澤田将信会長は次のようにおっしゃっています。
「お花を届けるだけではなくて、花キューピットのクルマが地域を回ることによって、もしも全国の加盟店がある地域で災害が起きた時には小さな協力かもしれませんけど、少しでもお役に立つんじゃないかな。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

現在、発売中の小型の商用EVトラック「エレモ」は狭い路地でも小回りが利くだけでなく、搭載するバッテリーの電力を利用し、移動式の電源車としても活用出来るといいます。
そして、このEVを開発したHW ELECTROは6月に千葉県木更津市と災害時の支援に関する協定を結び、「エレモ」を寄贈しました。

一方、JFTD花キューピットはこれまで災害時に避難所の体育館などに花を贈る取り組みを続けてきましたが、今後は花の配送にこのEVを使い、有事の際には被災地域での電力供給にも役立てたいといいます。
災害時にこうした花を贈る取り組みが行われていることは知りませんでした。
確かに避難所のようなところに花が飾られていれば、一瞬でも心が和みますからとてもありがたいサービスと言えます。
更に、こうした際のクルマをEVに代えることにより電力供給もサービスに加えるというのです。

社会貢献のかたちはいろいろありますが、今回ご紹介したような取り組みはまさにEV時代ならではのアイデアと言えます。

ここで思い出されるのは、1台のEVで電力と通信の確保を狙った取り組みです。(参照:アイデアよもやま話 No.4583 クルマ1台で電力と通信を確保!
また三菱自動車の「アウトランダーPHEV」には1500wのコンセントが2ヵ所設定されています。
ですから、「アウトランダーPHEV」はコンセント搭載車の先駆者と言えます。

さて、ここでまた思い出されるのは、日産のEV、初代「リーフ」です。
このEVにはオプションではあるものの100Vのコンセントが搭載出来ました。
しかし、その後のモデルチェンジではコンセント搭載機能は無くなってしまいました。
このことについて、実は何年か前に日産自動車の問い合わせ窓口にオプションでもいいからこれを再度取り付けられるようにお願いしたのです。
しかし、これについての回答は「ほとんど需要がないから止めた」ということでした。
日本におけるEVの先駆者である日産からのこうした回答にはちょっと残念に思いました。
そこで、当時から十年近く経過した10月26日、当時に比べればかなりEVの認知度が上がった状況において、再度日産自動車に同じ質問を投げかけてみました。
そうしたら、なんと回答は当時と同じでした。
要するに技術的には問題ないのですが、ユーザーからの要望が非常に少ないからというのです。
ここで思い出すのは日産自動車によるEV搭載のバッテリーの利用に関するコマーシャルです。
その内容は、EV搭載のバッテリーを電源として使用する際にはニチコン製の「V2Hシステム」(こちらを参照)を購入して下さいということなのです。
しかし、この製品はかなり高額なのです。
一方、もし「アウトランダーPHEV」と同様のコンセントを搭載するのであればそれほど高額でなくて取り付けられるはずです。

もし、これから発売されるEV全てにオプションでも1500wのコンセントが1つ以上取り付けられるようになれば、災害などによる停電時の非常用電源、あるいはアウトドアライフにおける電源としてとても役立つと思うのです。
そしてEVの普及に向けて、EVのこうしたメリットは大きく貢献出来ると思うのです。

ということで、国内外を問わず、自動車メーカーにはEVを単なる移動手段としてだけでなく、搭載したバッテリー、あるいは世界中の多くの自動車メーカーが現在開発に取り組んでいる全自動運転車の活用といった、暮らし全般において新たなライフスタイルを提案し続けていただきたいと思います。

 
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