2021年09月07日
アイデアよもやま話 No.5054 生ごみを入れるバッグ!
5月6日(木)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で生ごみを入れるバッグについて取り上げていたのでご紹介します。 

素敵なバッグを開けてみると、中には“土のようなもの”が入っています。
このバッグの中に生ごみを入れると、ほとんど臭いはしないで生ごみはほとんどなくなります。
一体どういうことなのでしょうか。

番組で実験してみました。
1日目にバナナの皮を入れました。
バナナを入れたら土と混ぜるのがポイントです。
そして次の日も、その次の日もこれを繰り返します。
すると4日目、バナナの皮に異変が起きています。
バナナの皮が小さくなっているのです。
野菜の切れ端などを入れて実験してみると、わずか10日目で生ごみはほぼ分解されます。
実は、この黒い土の正体はもみ殻や炭などを混ぜ合わせたもので、この中で微生物が生ごみを分解していたのです。

東京渋谷区の惣菜店「tutti」では、カットした野菜の皮など、1日に出る生ごみ約800gをこのバッグに入れていますが、使い始めてから生ごみをほとんど出さなくなったといいます。(試験的に店舗用サイズのバッグを使用)
こちらのお店のオーナー、塩原弘太さんは次のようにおっしゃっています。
「(ごみ処理費用、)1万円いかないぐらいは節約出来ているのかなと思います。」

このバッグで処理出来る生ごみの量は約24kg、毎日このくらいの生ごみを入れ続けても2ヵ月間処理してくれる計算です。

更に先ほど(番組冒頭で)バッグの使い方を教えてくれた青田陽子さん、ベランダを見せてもらうと、バッグの中で野菜が育っています。
青田さんは次のようにおっしゃっています。
「ルッコラとローズマリーです。」
「栄養たっぷりの堆肥で美味しい野菜やハーブが元気に育っているので・・・」

実は生ごみを処理した後に残る黒い土は養分をたっぷりと含んだ堆肥に、そのままベランダ菜園が出来るのです。
このバッグを開発したローカルフードサイクリング株式会社の代表、たいら由以子さんは次のようにおっしゃっています。
「マンションの方でも出来るようにコンパクトにしたことと、都市部で若い人たちが私もやってみようかなっていうような気持になるように、ちょっとおしゃれな色とか仕様にしました。」

東京・表参道、バッグを手に集まる人たちの姿がありました。
実はここ、家庭で出来た堆肥を回収してくれる場所なのです。
しかも堆肥を持っていくと野菜作りにも参加出来るのです。
参加者の一人は次のようにおっしゃっています。
「無農薬のお野菜とかを作れて、それを食べてまた生ごみを土にしてという循環がすごい好きでやっています。」

麦やトマト、ナスなどを栽培し、屋上菜園を楽しんでいました。
屋上菜園などを運営する株式会社4Natureの代表、平間亮太さんは次のようにおっしゃっています。
「今は表参道の1ヵ所のみなんですけども、今後は都内10ヵ所、20ヵ所、沢山のところで開催していきたいと思っていますし、お野菜を育てて、それを“地産地消”というかたちで消費される仕組みを作っていきたいなと思っています。」

実は日本のごみというのは紙類に続いて生ごみが2番目に多いのです。その量は年間約1300万トンです。(添付参照)
生ごみは80%以上が水分なので燃やす時には紙類より多くのエネルギーを使うそうなのです。
ですので、この生ごみを減らせればCO2も削減出来るということなのです。
で、この生ごみを減らせるバッグは商品名「LFCコンポストセット」で価格は4268円(税込み)で、ネット通販で購入出来ます。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

地球温暖化対策というと、一般的にCO2を中心に温室効果ガスの排出量削減に注目が集まっています。
そして、そのための手段として、太陽光などによる自然エネルギー発電やガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトが大きな話題になっています。
しかし、今回ご紹介した生ごみなど家庭ごみの廃棄処分にもエネルギーが使用され、その結果CO2の排出につながっているのです。
しかも、生ごみの場合、水分を大量に含んでいるので、燃やす時には紙類より多くのエネルギーを使うといいます。

そうした中、今回ご紹介した生ごみを入れるバッグ「LFCコンポストセット」は、一般家庭でも自宅で生ごみを処理した後に残る堆肥を使って家庭菜園としても楽しむことが出来るのです。
これはとても素晴らしいアイデアだと思います。

なお、家庭内ごみの有効活用については、これまでアイデアよもやま話 No.4641 プラごみを出さないアイデア その1 オシャレな手作りのエコグッズ!などでお伝えしてきましたが、あらためて思うのは、人類は地球上の住民、あるいは将来的に他の惑星に移住して暮らす住民としても環境に悪影響を及ぼさない暮らしを目指すべきであるということです。


添付:


 
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