2021年04月06日
アイデアよもやま話 No.4922 コロナ後も伸びる業界!

昨年12月16日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でコロナ後も伸びる業界について取り上げていたのでご紹介します。 

 

番組コメンテーターでニッセイ基礎研究所の主任研究員、久我 尚子さんは次のようにおっしゃっています。

「(今、コロナ禍の中で、好調な企業とそうでない企業がはっきりと分かれてきている状況について中長期的に見た場合、今後も伸びていきそうな業界について、)中長期的な変化として、世代構造の変化とデジタルシフトがポイントとして上げられると思うんですけども、まず世代構造の変化としては、例として中食が上げられると思うんですね。」

「今、コロナ禍で外食の利用が減って、中食、テイクアウトで、デリバリーの利用が増えているわけですけども、もともと中食需要はビフォーコロナから拡大傾向にありまして、それは利便性志向の高い共働きとか単身世帯が増えることによって市場が拡大していたんですね。」

「で、その土台があるところで、コロナ禍でテイクアウトなどに対応する外食店が増えたので、消費者にとって選択肢が増えて、サービスとしての魅力が増したので、需要が一層伸びているというところです。」

「そして、デジタルシフトなんですけれども、今、非接触志向が高まることでネット通販の利用が伸びているわけですけども、あらためてEC(電子商取引)の状況を各国で見てみますと(添付の図参照)、横軸がEC化率で、縦軸が今後の成長性を表しています。」

「で、円の大きさが各国のEC市場規模ですね。」

「こちらは各国比較が出来るデータが2016年でしたので、ちょっと古いのでもうちょっと進んではいるんですが、EC市場は国土面積の広い中国やアメリカで大きくて、EC化率も比較的高い傾向があるんですが、EC化率に目を向けていただきますと、日本よりも国土面積の狭いイギリス、韓国で日本の水準を大幅に上回っているんですね。」

「ですので、まだまだ日本では伸びしろがあるということで、ポストコロナでもネットショッピングなど、EC化の状況は更に進んでいくと見られます。」

「で、今コロナ禍で起きている需要の増減というのはコロナ禍だけの要素ではなくて、中長期的な変化などの要素も混ざっていますので、ポストコロナに生き残るためにはこういった中長期的な要素をうまく見極めて、そこに乗っていくというところが重要かと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

久我さんの指摘している内容を以下にまとめてみました。

・コロナ禍を見据えたうえで今後も成長が期待出来そうな業界について、中長期的な変化として以下の2つがポイントとしてあげられる

  世代構造の変化(利便性志向の高い共働きや単身世帯の増加)   

デジタルシフト(デジタル化)

・世代構造の変化、およびコロナ禍により、中食(テイクアウトやデリバリー)の需要増を見越して、それに対応する外食店が増えている

・デジタルシフトについては、コロナ禍で非接触志向が高まることでネット通販の利用が伸びている

・しかし、各国比較で見ると、EC市場は国土面積の広い中国やアメリカで大きくて、EC化率も比較的高い傾向があるが、EC化率では日本よりも国土面積の狭いイギリス、韓国で日本の水準を大幅に上回っているので、まだまだ日本では伸びしろがある

・今コロナ禍で起きている需要の増減はコロナ禍だけの要素ではなくて、中長期的な変化などの要素も混ざっているので、ポストコロナに生き残るためにはこういった中長期的な要素をうまく見極めて、そこに乗っていくというところが重要である

 

なお、私の体験から付け加えますと、少なくともシンポジウムや講演会、あるいは株主総会などについてはコロナ禍をきっかけにWEB配信が普及してきましたが、新たな様式としてコロナ禍後も定着すると思われます。

その理由は開催者、および参加者の以下のメリットです。

(開催者)

・従来以上の参加者が見込まれる

・紙の資料の配布が不要になる

 

(参加者)

・わざわざ会場に出向かなくてもネットさえつながれば、どこでも参加出来る

・必要最小限のメモを取るだけで済むので、その分内容の理解に集中出来る

・必要に応じて何度でも繰り返し視聴出来る(開催内容がイベント開催後もネット上に残っている場合)

 

さて、久我さんは最後に“今コロナ禍で起きている需要の増減はコロナ禍だけの要素ではなく、中長期的な変化などの要素も混ざっている”と指摘されていますが、SDGs(持続可能な開発目標 参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)を付け加えたいと思います。

ちなみに、国際的な投資機関も今やSDGsの要件に基づいて投資先の選別を行っているといいます。

ですから、どんな企業においてもSDGsを無視しての成長は出来ない状況になりつつあるのです。


 
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