2020年08月08日
プロジェクト管理と日常生活 No.653 『「限界点」に迫るアマゾン熱帯雨林!』

3月11日(水)付けネットニュース(こちらを参照)で「限界点」に迫るアマゾン熱帯雨林について取り上げていたのでその要旨をご紹介します。

 

・国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、気温が産業革命前に比べて1.5℃上昇すれば、世界の浅海に生息するサンゴの9割が死滅し、2℃上昇すれば、ほぼ絶滅するという

・世界で最大かつ最も豊かな生態系を誇る南米アマゾンの熱帯雨林が、いったん超えてしまえば50年以内に乾いた草原と化す「限界点」に近づいていると指摘する研究論文が3月10日、学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)」に発表された

・論文によると、アマゾンの生態系は早ければ来年にも限界点を超える可能性があるという

・論文は、もう一つの重要な生態系であるカリブ海のサンゴ礁に言及、カリブ海のサンゴ礁は限界点を超えた場合、15年とかからずに死滅する可能性があるという

・アマゾンの限界点はカリブ海のものほど明確ではないが、科学者らの推定によると、森林面積の35%が失われれば、最終的な消滅につながるとみられている

・先週(3月11日時点)発表された別の研究論文は、世界の熱帯林で、化石燃料の燃焼によって排出された温室効果ガスであるCO2を吸収する能力が急速に失われており、アマゾンの熱帯雨林はCO2の「吸収源」から一転して「発生源」となりつつある

 

以上、記事の要旨をご紹介してきました。

 

次に5月10日(日)付けネットニュース(こちらを参照)でも同様の内容について取り上げていたのでその要旨をご紹介します。

・人工衛星の画像を用いて森林破壊を追跡調査しているブラジルの国立宇宙研究所(INPE)が5月8日に発表したデータによると、今年1〜4月のアマゾンの森林破壊面積は計1202㎢、前年同期比55%増となり、2015年8月に月例調査を開始して以来、この時期としては過去最高を記録した

・この1202㎢は、米ニューヨーク市マンハッタンの面積の20倍超に相当する

・今回の調査結果は、ブラジルのジャイル・ボルソナロ政権下のアマゾン保護の取り組みに再び疑問を投げかけている

・極右のボルソナロ大統領は気候変動に懐疑的で、アマゾンでの農鉱業開発を提唱している

 

以上、記事の要旨をご紹介してきました。

 

こうして2つのネット記事を通してみると、私たち、一般の日本人の知らないうちに、南米アマゾンの熱帯雨林、およびカリブ海のサンゴ礁だけみても、地球環境の破壊がものすごいスピードで進んでいることが分かります。

そして、アマゾンの生態系は早ければ来年にも限界点を超える可能性があるとも言われているのです。

なお、ここでいうところの限界点はティッピングポイント(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.639 『気候クライシス その4 迫りくる“ティッピングポイント”)と同義語のようです。

 

世界各地でこのような限界点を超える現象が出てくると、やがて地球全体が限界点を迎え、灼熱地獄と化してしまい、北極や南極の氷山、世界中の氷河、あるいは永久凍土が溶け出して海面上昇も起き、更に世界各地で超大型台風や集中豪雨の発生が日常茶飯事になってきます。

こうした状況においては、人類のみならず、多くの生物がこれまでのような暮らしが出来なくなってしまうのです。

既にその兆候は日本のみならず世界各地で顕在化しつつあります。

 

現在の地球温暖化の進行は、私たち人類が豊かな暮らしを求めて様々な行動を起こしていることが大きな要因とされています。

ですから、地球を灼熱地獄から救うためには、私たち一人ひとりが自らの意識を変え、地球温暖化防止のための具体的な行動を起こすことが必要なのです。

 

ということで、地球温暖化はもはやリスクではなく、現実のものとして人類共通の大きな問題となっているのです。

そして、問題対応策のキーポイントは、まず私たち一人ひとりの意識を変えることだと思うのです。

そして、そのゴールは持続可能な社会の実現なのです。


 
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