前回、経済の仕組みについて、ごく簡単に私の思うところをお伝えしました。
今回は更に掘り下げて、経済というよりも私たちの暮らしの原点にさかのぼってお伝えします。
そもそも現在経済に欠かせないお金ですが、“始めにお金ありき”ではなかったのです。
お金がない時代でも私たちの祖先はそれなりに豊かな暮らしが出来たのです。
その背景にあったのは物々交換です。
お互いに身近な人同士が余っているモノを交換し合ったり、地域単位では海の幸、山の幸を交換してお互いの食生活を豊かにしていたのです。
更に食糧だけでなく、家を建てたり、その補修など暮らし全般についてお互いに助け合っていたのです。
そうした時代が長く続く中で、誰かがお金、マネーを発明することによって、全てのモノやサービスがお金という尺度で統一されたのです。(参照:アイデアよもやま話 No.925 もし、お金が存在しなかったら・・・)
また、地域によって異なったお金はお互いに合意された交換レートにより相互に使えるようになったり、あるいはこれらが一つの通貨に統一されたのです。
このように見てくると、今ネット上ではフリマ(フリーマーケット)が普及しているようですが、物々交換、あるいは用途に応じてお互いのクルマを貸し借りするようなフリマも登場しています。
こうしたサービスはお金の媒体を不要とし、経済の原点回帰と言えるのではないかと思われます。
更に、不用品が廃棄物として処理されることもその分少なくなります。
また、こうしたサービスはお金がからまないのでGNP(国民総生産)などの経済指標には反映されません。
ここまでいかなくても、カーシェアリング(参照:アイデアよもやま話 No.4281 進化するカーシェアリング!)に代表されるように、シェアリングサービスもいろいろな分野で普及しつつあります。
そして、こうしたサービスは購買力を押し下げる効果がありますが、国民の暮らしへの影響はほとんどなく、一方で省エネにもつながります。
ですから、国の経済規模を測る指標としてGNPなどがありますが、こうした指標とは別に新たな指標を設ける必要が出て来ていると思います。