5月22日(水)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で日本生まれのQRコードの進化について取り上げていたのでご紹介します。
実は日本生まれで進化するQRコードといえば、今やキャッシュレス決済などで中国など世界中で広がっていますけど、QRとはQick
Responseの略なのです。
日本の大手自動車部品メーカーが25年前に開発したものなのです。
で、このコードを発案した技術者は今も再雇用契約で現場で開発を続けています。
QRコードを発案した、デンソーウェーブの原 昌宏さん(61歳)は、入社以来このコードの読み取り機の開発に係わってきました。
当時、部品の管理にはバーコードが使われていました。
黒と白の縞模様で20字程度の情報しか入らないため、何度もコードの読み取りが必要だったといいます。
当時について、原さんは次のようにおっしゃっています。
「作業者からも「非常に疲れる」という苦情があったものですから、ちゃんと読み易いコードを作って皆さんに提供すれば、皆さんに喜ばれるし、我々もハッピーになる・・・」
より多くの情報を入れるため、コードのかたちをどうすればいいのか、そこでヒントになったのが昼休みに指していた趣味の囲碁でした。
格子状にすれば、囲碁の石のように沢山の情報を詰め込めると考えたのです。
更に瞬時に読み取れるように考え出したのが、四角いQRコードの角のうちの3つの角にある特徴的な目印です。
コードが文字に埋もれていたり、向きが傾いたりしていても読み取り機が正確に反応するようにしたということです。
こうして工夫を積み重ねて2年、最大7000字の情報が盛り込める新たなコードが誕生しました。
原さんは次のようにおっしゃっています。
「イノベーションって多分2つあると思ってね。」
「1つはやっぱり発想的にぽーんと(これまでに)ないものを創造する。」
「もう一つは“積み上げ型のイノベーション”で改良の積み上げですね。」
「ハイテクもいいんですけど、やっぱりローテクで技術の改良の積み重ね、日本は多分後者(積み上げ型のイノベーション)が得意だと思うんですね。」
このQRコードが想像以上に普及する中、今取り組んでいるのがセキュリティの強化です。
医療現場で患者の情報管理に使われています。
スマホでは所属と名前しか読み取れませんけども、専用の読み取り機を使うと、体重や持病などが読み取れるのです。
この鍵付きのコードは金融機関でも使われています。
4月から始まった実証実験では、まずコードに顔の特徴を取り込みます。
そして、キャッシュカードの代わりにこのコードをかざし、ATMのカメラで映った顔の情報が一致すれば、現金が引き出せる仕組みなのです。
鹿児島銀行 事務統括部の森 泰隆さんは次のようにおっしゃっています。
「セキュリティ機能を搭載したQRコードは、我々も「そういう新しい技術があったんだな」と非常に驚きを持って感じたところですね。」
原さんは次のようにおっしゃっています。
「いろんな用途に使われるようになって、まだまだこれから伸びしろがあるので、これからも頑張らなきゃいけないかなという感じがしますね。」
このQRコードは現場のニーズから生まれたというわけです。
そして、この会社ではまだ特許を取っていますが、特許は公開しており、その使用料は取っていないといいます。
原さんは、他の企業と競争したからこそ、新たな技術やサービスが生まれたと話しています。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
QRコードの前に、既には部品の管理にバーコードが使われていたとは知りませんでした。
ちなみにバーコードは1949年に2人のドレクセル大学の大学院生により発明されたといいます。
そしてバーコードは今でもコンビニやスーパーなどで販売されている商品の情報を取得する手段として使われています。
そしてバーコードよりも多くの情報を入れるため、コードのかたちをどうすればいいのか、そこでヒントになったのが昼休みに指していた趣味の囲碁といいます。
やはり、常にあることについて考え続けていると、ちょっとしたことがヒントになってピンと閃くことがあるのです。
また、更に瞬時に読み取れるように考え出したのが、四角いQRコードの角のうちの3つの角にある特徴的な目印といいますが、これもちょっとしたアイデアですが、QRコードの実用化においてはとても重要だと思います。
今や、QRコードはスマホによるキャッシュレス決済など、様々なところで使用されており、無くてはならない存在と言えます。
そして、その普及のカギはスマホをかざすだけの簡単な操作にあります。
さて、このQRコードもNo.422
進化するQRコード!でお伝えしたように更に進化を続けているのです。
ここであらためて思うのは、今や私たちの暮らしに無くてはならない存在となったスマホです。
スマホは小さなコンピューターとも言えるもので、情報の取得やコミュニケーションのみならず、音楽を聴いたり、動画を観るにしても、あるいはカメラやナビとしても、ほとんどスマホ1台あれば事足りるのです。
これまで何度となくアイデアは既存の要素の組み合わせであるとお伝えしてきましたが、スマホとQRコードとの組み合わせもその一つと言えます。
その他にもスマホには無数ともいえるほどのアプリをダウンロードすることが出来ます。
ですから、スマホはパソコンの延長線上の発明と言えますが、実用的な視点からは大変な大発明ではないかと思うのです。