一見、株式投資と食糧支援との結びつきはないように思います。
そうした中、3月29日(金)放送の「日経プラス10」(BSテレビ東京)で世界の食糧危機をテーマに、株式投資による食糧支援についても取り上げていたので、ここに焦点を当ててご紹介します。
豊かで自由な私たちの食生活、しかし世界を見渡せば、およそ9人に1人、8憶2000万人以上の人たちが今も飢餓に苦しんでいます。(出典:UN World Population Prospecta2017)
その背景にあるのは地球の温暖化、更に中国など新興国との食糧争奪戦、今後日本もその争いに巻き込まれ、食糧危機に直面するかもしれないのです。
人口が爆発的に増えていく中、私たちは何をすればいいのでしょうか。
番組ゲストで、国連唯一の食糧支援機関である国連WFP協会事務局長の鈴木 邦夫さんは次のようにおっしゃっています。
「(2050年の世界人口について、)以前は93億人と言われていたのが、今98億人って上方修正されている。」(出典:国際連合)
「同時に、9人に1人はまだ栄養が足りていないという状態があります。」
「で、私個人的に考えるには、今後この状況というのは放っておけば更に厳しい状態になるんではないかと思います。」
「(実際に今、世界がどういう状態かという地図がありますが、)私どもハンガーマップと呼んでいます。」(出典:世界食糧計画)
「これ(「ハンガーマップ 2018」)は栄養が足りている人の割合が多いか、少ないかを図式化したもので、青いところは栄養が足りていない人の割合が5%未満です。」
「これはだんだん色が濃くなるに従って比率が高くなる。」
「アフリカ、中東、そしてアジアはまだまだ飢餓は解決されていない、むしろところによっては深刻なところがあると思っています。」
さて、食糧危機と株式投資は一見結びつきませんが、株式投資による食糧支援について鈴木さんは次のようにおっしゃっています。
「皆さん、株をおやりになっている方、株主優待という、配当とは別に各企業さんが長期保有のために株主のために愛していただくために株主優待、例えば商品のサンプルだったり、あるいはお米であったり、いろいろなものが株主優待ございます。」
「その中で、選べるチョイスの中で「私は社会のために役立つために株主優待を使いたい、配当とは別です」というチョイスをご用意いただいている企業さんが増えています。」
「特に今ここで私どもがいつもお世話になっている三社(日清食品、日本ハム、カンロ)を紹介しておりますけど、株主優待の中で国連WFP協会への寄付にしようというふうに選べるかたち、で事実沢山の方に選んでいただいております。」
「そうしていただくと、食糧支援ということで、冒頭お話したような、9人に1人、お腹をすかしている人たちにちゃんと食糧を届けることが出来るということに、株主の方もそれに参加出来ますし、企業の方もそれを後押ししていただいていることになっています。」
「今、やはりESG投資(環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資
参照:プロジェクト管理と日常生活 No.531 『世界のビジネス界で影響を増す地球温暖化対策 その2 国際的な取り組み!』)とも言われていますので、そういった側面から企業サイドも社会貢献にいろんなかたちで多くの人を巻き込んでやっているということが大事なことだと思います。」
「(テロリストの子ども支援に関連して、)学校給食支援という活動をしております。」
「そもそも学校に来れない子どもたちがいます。」
「そういった子どもたちが一人でも学校に来て勉強出来るように、まず私どもが学校での給食のサポートをいたします。」
「そうすると親御さんが「じゃあ学校で給食を食べられるなら行っておいでよ」というふうに学校に行かせてくれます。」
「これはやっぱり就学支援になります。」
「就学率が上がっていくということで、子どもたちが未来に向けて大きく学習する、勉強する、学ぶ、世界を知るということが出来ることになっていると思います。」
「(教育を受けることによって自分たち(テロリストの子どもたち)がテロリストになるという道に行かないという狙いについて、)世界を公平に知るということで、テロリストになっていくということは僕は減っていくと思っております。」
なお“ふるさと納税”でも返礼品の代わりに寄付に回すことが出来るといいます。
以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。
株式の配当とは別に、それぞれ自社の特色を生かした株主優待サービスを実施している企業は多くあります。
そうした中、私もとてもわずかではありますが、株式を保有しています。
そして、その企業にも株主優待があるのですが、残念ながら私はそのサービスを使っていません。
なぜならば、私の使用してするスマホは株式投資先の会社とは別な会社のものであり、こちらの株主優待サービスは、自社のスマホに限り使用料金の割引が受けられるからです。
このように折角株主優待サービスがあっても利用していない、あるいは積極的に利用したいとは思っていない株主の方もいらっしゃると思います。
こうした方々の選択肢として、今回ご紹介した食糧支援などの社会貢献に結び付くような株主優待サービスがあれば、一株主として手軽に世界的な社会貢献が出来るようになります。
またこうした企業にとってもイメージアップにつながると思います。
ですから、株主優待サービスを利用した寄付による社会貢献は世界的にどんどん広がっていけばと思います。
ですので私も含めて多くの株主の方が次回の株主総会で株主優待の選択肢として、あるいは配当金の一部を社会貢献につながる寄付として追加することを提案するべきだと思います。
それにしても、株主優待サービスを食糧支援に結び付ける、あるいは“ふるさと納税”の返礼品を寄付に結び付けるというアイデアはとても素晴らしいと思います。
番組を通して、こうしたちょっとしたアイデアにより既存の仕組みやサービスを利用することで社会貢献が出来るということをあらためて思いました。