2019年04月11日
アイデアよもやま話 No.4300 沸騰する「Vチューバー」市場!

これまでNo.3804 ちょっと一休み その611 『急成長する“ユーチューバー”ビジネス!』などでユーチューバーについては何度かお伝えしてきました。

そうした中、昨年12月18日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「Vチューバー」市場について取り上げていたのでご紹介します。 

 

CGキャラクターの姿を借りてユーチューブなどの動画サイトに投稿するバーチャル・ユーチューバー、通称「Vチューバー」ですが、テレビ東京のバーチャルアナウンサー、相内 ユウカも当番組で昨年8月28日から登場しています。

そして、その後進化し、3Dで表現出来るようになりました。

このようにどんどん進化を遂げる「Vチューバー」ですが、その人材育成市場が急拡大しています。

 

ユーチューブの世界を飛び出し、遂には観客の前でライブまで行うようになったユーチューバー、今やその数5000人以上、経済効果は難関20億円と言われています。

更には企業や行政も続々と投入するなど、その活躍は留まることを知りません。

最近では、キャラクター作りからライブ配信までスマホ1つで出来るアプリも登場し、「Vチューバー」は増々身近な存在になりつつあります。

そして今、「Vチューバー」市場は新たな局面を迎えています。

 

アニメや声優などの専門学校、代々木アニメーション学院東京校(東京都千代田区)で行われているのは「Vチューバー」アイドルの育成です。

代々木アニメーション学院の棚原 清吾さんは次のようにおっしゃっています。

「「Vチューバー」の育成を始めています。」

「トーク、歌や踊りなどを使って、バーチャルなキャラクターで表現していくという・・・」

 

ここでは昨年10月から「Vチューバー」アイドルを育成する「Vチューバーアイドルコース」を開設、授業は週1回2時間、「Vチューバー」の動き方、歌やトークのスキルなどを半年間学びます。

取材の日に行われていたのは、動画配信のシミュレーション、テーマを自分で決め、視聴者がいると仮定した実技の練習です。

講師は「Vチューバー」のコンテンツを開発する会社に所属する現場のプロ、その声を直接聴くことが出来るのです。

中々厳しい指摘でかなり実践的ですが、なぜこのようなコースを作ったのか、棚原さんは次のようにおっしゃっています。

「企業の広告としてバーチャルキャラクターを使いたい、その時に即座に対応出来る人材がすごく求められるんですね。」

 

企業などの「Vチューバー」の活用が増える一方で、プロと呼べる存在は一握り、今即戦力の育成は急務なのだといいます。

 

他にも「Vチューバー」市場の人材発掘の動きがあります。

イラストの投稿サイトを運営するピクシブ株式会社(東京都渋谷区)で「Vチューバー」向けの新たなサービスが開発されていました。

ピクシブのVroid Hubプロダクトマネージャー、佐藤 里佳さんは次のようにおっしゃっています。

「Vroid Hubといいまして、自分が作った3Dキャラクターをアップロードして公開出来るサービスになっています。」

「今までイラストレーターは“平面”の世界でしか自分のキャラクターを表現することが出来なかったんですけど、それを発表する場所があることが広がりを見せていくものになるだろうと。」

 

このサービス(昨年12月21日にリリース)、誰でも自作の3Dキャラクターを投稿出来るだけでなく、「Vチューバー」になりたい他人に3Dキャラクターを使ってもらうことも出来ます。

イラストレーターが「Vチューバー」を介して世に出るきっかけを作ろうとしているのです。

そのために3Dキャラクターの制作ソフトも無償で提供しています。

こだわったのは使い易さです。

キャラクターの頭部をペンでなぞると髪の毛が生えてきます。

このようにイラストを描く感覚で3Dのキャラクターを制作出来るのです。

 

このソフトウェアを使うイラストレーターのキツネさんが取材の日に作っていたのは冒頭でお伝えした相内 ユウカのキャラクターです。

キツネさんは次のようにおっしゃっています。

「これに関しては、普段からよく使っている動きというか、自分の2D(イラスト)の技術があれば、それっぽく見せられるっていうのが非常にやり易いなという。」

「自分の見せたいものをアピールする手段が増えたって感じですね。」

「人気が出て収益化することになれば、収入の一つが増えて、より創作の幅も増えるだろうし、うれしいと捉える人も多いんじゃないかなと思います。」

 

「(バーチャル相内ユウカを作った感想について、)やっぱり大変でした。」

「ご本人の見た目を重要視して描いてはいるんですけど、結構ウソをついた方かもしれないですね。」

 

「Vチューバー」が社会現象となりつつある今は、プロのイラストレーターを志す人たちにとって大きなチャンスだといいます。

 

なお、バーチャル相内ユウカは今後も番組以外でも番組のSNSなどで情報発信を沢山していく予定です。

 

この「Vチューバー」を巡るビジネスは今後も広がりを見せそうだということで、番組では今後も相内 優香さん(テレビ東京アナウンサー)を先頭にして「Vチューバー」業界の行方を伝えていきます。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました

 

ユーチューバーの中には年間1億円以上稼いでいる人もいるといいますが、いよいよ「Vチューバー」まで登場してきました。

「Vチューバー」だと生身の姿を動画サイトで見せることなく、自分の分身であるCGキャラクターの姿を借りて自分を表現出来ます。

しかも無償の製作ソフトにより簡単に3Dキャラクターも使えるようになるのですから、増々表現の幅が広がります。

更に、「Vチューバー」アイドルを育成する学校まであるといいます。

 

そこでこうした状況はどこまで発展していくのか気になるところです。

まず前提条件として、ロボットだと実際に作っていろいろな表現をしたり、スムーズな動作を出来るようにする必要があります。

ところが、「Vチューバー」であれば、こうしたハードルはロボットに比べてはるかに低いです。

ですから将来的には「Vチューバー」の製作ソフトの改良とAIとの組み合わせにより、アイデア次第で誰でも「Vチューバー」として人気を集め、かなりの収入を得られる時代がやってくると予測されます。

 

ということで、既存のビジネスが停滞していく中で、ネット社会は新たなビジネスの種を生む場としての存在感をどんどん増していきそうです。


 
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