2017年09月10日
No.3804 ちょっと一休み その611 『急成長する“ユーチューバー”ビジネス!』

時代とともにテクノロジーが進化し、それに伴い従来の職業が衰退する一方で新しい職業が誕生していくのが世の常です。

こうした新しい職業の一つがYouTubeクリエイター、すなわちユーチューバーです。

ユーチューバーとは、主にYouTube上で独自に制作した動画を継続的に公開する人物や集団を指す名称です。(ウィキペディアより)

そうした中、8月31日(木)放送のニュース(NHK総合テレビ)で急成長する“ユーチューバー”ビジネスについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ユーチューバーは、おもちゃを楽しく紹介したり、食べることで特産品の魅力を発信するといったように、ユーチューブ上で独自のコンテンツを公開しています。

そして、ユーチューブを運営しているグーグルから収入を得ています。

 

その収入を管理したり、制作などを支援したりする会社があります。

芸能事務所のような存在ですが、そのマネジメント会社、UUUM株式会社が8月30日に東証マザーズに上場しました。

ユーチューバーのマネジメントを行う会社は複数ありますが、専業で上場を果たしたのは初めてです。

UUUMの鎌田 和樹社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「上場出来たという事実は、世の中の企業様から信頼を得られたと思っています。」

 

2013年6月に創業したUUUMのオフィスは、六本木ヒルズ(東京都港区)にあります。

社員は200人、年間の売り上げは69億円にのぼるといいます。

映像編集の部隊ではネット上の番組向けのコンテンツを作っています。

 

UUUMが収益を上げる仕組みは、以下の通りです。

視聴者がユーチューブ上で動画と合わせて表示されている広告を見ると、広告主の企業からグーグルに広告料が支払われます。

そのうちの一部がマネジメント会社に、そしてマネジメント会社はその8割を所属するユーチューバーに渡し、残りの2割を得て収益としています。

ですから、視聴回数が増えれば増える程儲かるのです。

 

さて、ユーチューバーは受けるネタは何かをいつも考えています。

そして、ユーチューバーは撮影から編集まで全て自分たちで行っています。

中には、毎日動画をアップしているユーチューバーもおります。

 

鎌田社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(上場して次に描く夢、あるいはどのような会社にしていきたいのかという問いに対して、)好きな時間に好きなクリエーターが(動画を)何本でも無限に上げられる、インターネットの世界での“新しいテレビ”という表現が正しいのか分からないですけども、そういった発信が加速しているというところから会社が伸びていると感じています。」

「IPO(上場)をしながらも、あくまでもベンチャーであるということを変わらずに突き進んでいきたいと思っています。」

 

なお、UUUMには専属のユーチューバーが170人あまりいて、中には年収1億円以上稼いでいるスーパースターもいるといいます。

こうしたことから、ユーチューバーは、最近は男子中学生の人気職業ランキング3位に入るなど、急成長する新しいビジネスであると番組では伝えています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

インターネットがこれほど普及するまでは、電通や博報堂を中心とした広告業界や新聞、週刊誌、テレビ、ラジオなどの媒体が広告・宣伝の役割を果たしてきました。

ところが、ネットの普及拡大とともに、ユーチューブなどネット上の動画サイトの視聴者数が増えるにつれて、ユーチューバーの発信する情報が商品の購入動機に大きな影響を与えるようになってきたのです。

その背景には、商品のメリットや使い方など、ユーザーの立場から自分の思うことを誰でも簡単に自由に発信出来るツールが登場したことにあります。

そして、従来の広告媒体に比べて、より身近な存在である一般ユーザーの中でも優れた発信力のあるユーチューバーが発信する情報が一般視聴者に大きな影響を与えていること、およびその情報が視聴者を通してどんどん拡散していくこと、更には気に入った商品をその場でネットを通して簡単に注文出来ること、しかも早ければ当日、あるいは翌日には注文した商品を届けてくれるといった一連のプロセスが確立されていることが背景としてあげられます。

こうしたことが多くのユーチューバーの登場のみならず、今回ご紹介したUUUMの東証マザーズの上場につながっていると思います。

 

また、今や携帯電話やスマホは若者を中心に日々の暮らしに欠かせない存在となっています。

要するに、テレビを観たり、ラジオを聴いたりする日はなくとも、携帯電話やスマホに触れない日はないのです。

そういう意味では、携帯電話やスマホを通したネット上での情報の入手、発信は今後とも増えることはあっても衰えることはないと思います。

また、ユーチューバーの中には年収1億円以上稼いでいるスーパースターも生まれていることから、ユーチューバーが最近の男子中学生の人気職業ランキング3位に入ったことにつながっていると思います。

このことは、ユーチューバーの情報発信力が今後とも増々洗練されていくことを暗示しています。

また、並行して、お笑い芸人の養成機関として吉本興業などによる芸能養成学校があるように、ユーチューバー養成学校も普及していくものと予想されます。

 

ということで、テクノロジーの進歩により新しい職業が誕生していく実例の一つとしてユーチューバーやそのマネジメント会社があげられるのです。


 
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