プラスチックゴミの弊害については、これまでNo.4080 ちょっと一休み その657 『いずれ人の体内にもプラスチックが蓄積される!?』などで何度かお伝えしてきました。
そうした中、5月22日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で “脱プラスチック”の新素材について取り上げていたのでご紹介します。
5月からロンドンのマクドナルドで使われているストローは触ってみると普通のプラスチックのものと全く違います。
実はこのストローは紙で出来ているのです。
ヨーロッパをはじめとする世界各国で、このようにプラスチックの使用を控える“脱プラスチック”の機運が高まっています。
そうした中、プラスチックに代わるある素材を作り出した日本のベンチャー企業に注目が集まっています。
プラスチックゴミによる河川などの汚染が問題となっているイギリス、今年1月には今後25年間で不要なプラスチックを抑えるという環境対策が発表されました。
イギリスをはじめ、EUではプラスチックによる海洋生物への被害を深刻だとして、“脱プラスチック”の動きが加速、EUの行政執行機関である欧州委員会では、再利用出来ないプラスチック包装の数量に応じて、今後加盟国への課税を検討している他、フランスでは2020年1月から使い捨てのプラスチック製カップや皿などを禁止する法律が施行されます。
そうした中、注目を集めているのが過去にこの番組で取材した「LIMEX(ライメックス)」という新素材を開発したベンチャー企業、株式会社TBMです。
耐久性抜群で、水濡れにも強い、紙の代替品として注目を集めた「LIMEX」は、プラスチックの代替品としても期待を集めています。
そして、EUで広がる“脱プラスチック”の動きに対応した新素材を開発したといいます。
「LIMEX」は石灰石を主な原料として作られますが、一部に石油由来の樹脂が混ぜられています。
それをポリ乳酸というトウモロコシなど植物のでんぷんから作られた樹脂に置き換えたのです。
社長の山崎 敦義さんは次のようにおっしゃっています。
「土に還ったり、通常のポレオレフィンの樹脂と比較しても機能的にも劣らない。」
「これを持ってヨーロッパに行かしていただくんですけども。」
「100%の生分解性「LIMEX」は、非常にグローバルで求められていた素材なんです。」
「これをなんとかローンチ(発売)させたい。」
この新しい「LIMEX」は早速EUから注目を集めていて、5月23日からベルギーで開催されるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に関する国際的な会議でお披露目される予定です。
会議のパンフレットにも「LIMEX」が採用されました。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
新しく開発された「LIMEX」は、従来品の耐久性抜群で、水濡れにも強いという特徴に加えて、更に一部の原料として使われていた石油由来の樹脂をトウモロコシなど植物のでんぷんから作られたポリ乳酸という樹脂に置き換えたことによりSDGsにも合致するようになりました。
ですから、プラスチックの代替品としてとても望ましいと思います。
ただ問題は価格です。
いくら環境に優しいと言っても、価格が従来品と比べて割高だと中々普及が進みません。
ですから、「LIMEX」を開発したTBMには、是非従来のプラスチック製品に劣らない価格設定が出来るように工夫していただきたいと思います。
また、せっかく世界初のプラスチックに代わる素晴らしい素材である「LIMEX」が日本のベンチャー企業により開発されたのですから、現政権には世界に先駆けて国内での「LIMEX」の普及により、“脱プラスチック”政策を進めていただきたいと思います。