2017年11月29日
アイデアよもやま話 No.3873 広がるIoTの活用!

IoTについては、アイデアよもやま話 No.3289 IOT,センサー、GPS,AI、ロボット・・・の組み合わせから見えてくる新たな世界 その1 暮らしの変化!などでこれまで何度となくお伝えしてきました。

そうした中、9月8日(金)放送の「おやよう日本」(NHK総合テレビ)で広がるIoTの活用について取り上げていたのでご紹介します。 

 

あらゆるモノがインターネットでつながるIoT(Internet Of Things)は、家電製品のみならず公共的なシステムにまで利用が広がっています。

ドイツのベルリンで毎年開かれる世界有数の「ベルリン家電ショー」に今年は約1800社が参加し、最新の製品を披露しました。

世界中のメーカーが一斉に発表した新しい家電製品、インターネットにつながることは今や当たり前になっています。

各メーカーは、IoT技術をどう製品に生かすか工夫を競います。

 

サムスンの冷蔵庫はタッチパネル付きで、インターネットとつないで料理のレシピなどを調べることが出来ます。

一方、パナソニックが発表したのは未来の洗濯乾燥システムです。

洗濯物を入れると、素材が何かやどの程度汚れているかをセンサーで確認します。

そして、インターネットを経由して蓄積したデータにアクセス、それをもとに素材に最適な方法で洗濯します。

また、オランダのフィリップスが展示したのは赤ちゃんに係わる製品です。

こちらの哺乳瓶はミルクをいつどれだけの量を何分かけて飲んだかを計測します。

体温計でその時々の体温や測った時間を記録します。

これらのデータはスマホで一括管理し、医師と情報共有することも出来ます。

 

IoTを使ったシステムの有用性は公共サービスの分野でも注目されています。

ロンドン近郊に拠点を置くアーバンコントロール社では、街灯を管理するシステムを開発し、自治体への導入が進んでいます。

その仕組みは、街灯の一つ一つにセンサーを付け、電球が切れると自動で通知されます。

また、これらの情報はアブレット端末で確認出来るので管理が容易になります。

更に街灯の明るさを周囲の通行量に応じて調整することも出来るといいます。

 

あらゆるモノがインターネットにつながる現代、暮らしや社会をより豊かにする可能性を秘めています。

 

IoTというとインターネットにモノがつながるというイメージですが、その本質は人を介さずにモノの情報をやり取りすることにあると、番組では伝えています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

ます、番組でも伝えていたように、IoTの本質、あるいは目指すところは単に全てのモノがインターネットにつながることではなく、全てのモノの情報がやり取り出来て、その情報をもとにいかに個々人や企業、国や地方自治体などにサービスを提供出来るかにあると思います。

なお、この点については、先日のある講演会で坂村 健さんはIoS(Interenet Of Service)という言葉で表現されております。

 

具体的なイメージについて、私の思うところを以下に2つ挙げてみます。

まず1つ目は、番組でも取り上げていた冷蔵庫の事例です。

一般的に、冷蔵庫の中にいつどの食品を買って、その消費期限がいつであるかを全て把握している家庭はほとんどないと思います。

そうした状況において、もしそれぞれの食品にICタグがついていて、それぞれの賞味期限や消費期限が簡単にスマホなどで把握出来れば、次の食事はどの食材を使って料理しようか、あるいはどの食品を食べようかなどの判断が出来ます。

また、あらかじめ登録していた食材が残り少なくなってきたら、そろろそ補充が必要だとか、ネットなどを介して自動的に注文されれば、これも便利だと思います。

更には、こうした前提で使い得る食材の組み合わせの料理のレシピが表示されれば、家庭の主婦などユーザーにとってはとてもありがたい情報になります。

 

2つ目は、一人一人の健康状態や病歴などの管理です。

既にマイナンバー制度が導入されていますが、現在の健康状態や病歴、あるいはかかりつけの病院などの情報が一元化されて管理され、それらの情報がマイナンバーと紐づけされ、そうした情報を本人がいつでも見ることが出来、担当医、あるいは薬局が必要に応じて見ることが出来れば、診断したり、薬の調剤などにとても役立ちます。

更に、AIを活用して病状に照らして最適な薬の調合が出来れば、現在のような病院とは別に存在する薬局が不要になり、その分医療費が安くなります。

更に、病気予防の観点からも、AIを活用した病気の予防に適する食材などの提案なども出来ます。

 

このような日々の暮らしに即したサービスにつながってこそIoT、あるいはIoSなのです。

ただ、こうしたサービスは限られた業種の企業だけでの実現は期待出来ません。

日々の暮らしの中で実際に行われている作業プロセスに即したサービスの実現に必要なIT技術を持ち合わせた企業が共同で技術開発することによって速やかに実現出来るのです。

また、とても大切なことは、このような一つ一つのインターフェースのプロトコルの標準化です。

もし、こうした標準化がなされなければ、ユーザーの視点からは、とても使いづらいサービスとなってしまいます。

なぜならば、メーカーごとの製品の囲い込みにより、操作方法が大きく異なるなどの弊害が起きてしまうからです。


 
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