2017年08月04日
アイデアよもやま話 No.3773 いい香りがするごみ収集車!

6月6日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でいい香りがするごみ収集車について取り上げていたのでご紹介します。

 

業界トップシェアを誇るごみ収集車のメーカーが労働環境を改善するある技術を生み出しました。

目指すのは人手不足の解消です。

新明和工業株式会社は、生ごみの臭いをフルーティな香りに変える収集車を開発しました。

その秘密は、ごみの取り込み口にあります。

ごみの取り込み口にノズルが3つあり、ここから特殊な液体が出て、生ごみの臭いと一緒になることで香水のような香りに変えることが出来るというのです。

 

この技術は香水からヒントを得たといいます。

実は、香水には糞尿のような臭いがわずかに含まれています。

その状態を私たちはいい香りと感じているといいます。

一方、今回の特殊な液体はあらかじめ臭い臭いを取り除いた、言わば“気の抜けた香水”のようなもので、ここに生ごみの臭い臭いを足すことで“香水のような香り”が出来るのです。

新明和工業の横瀬 秀人さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(生ごみの臭いを)消臭するものはあったんですけど、一緒になって生ごみの臭いを原料として使って更に良い匂いにするのは初めての・・・」

 

「女性の進出とか人手不足を何とか私どもの方でお力添え出来たらという・・・」

 

このごみ収集車で業界が抱える悩みを解消したいと意気込みます。

商品名「噴霧装置付きG−PX」で、車体価格約900万円〜、噴霧装置13万5000円で7月上旬から発売予定といいます。

 

番組の取材では、ノズルから噴射された液体だけで匂いをかぐと、芳香剤のような人工的な感じの香りなのですが、そこに生ごみの臭いを加えると自然な完熟マンゴーのような匂いになるというのです。

なお、家庭用のスプレータイプの商品も販売されているそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに生ごみの嫌な臭いのする中での作業では、特に若い女性に限らず多くの人たちから敬遠される傾向があると思います。

そういう意味で、今回ご紹介したいい香りのするごみ収集車は人手不足を解消する一つの方策として理に適っていると思います。

 

しかし、この方策だけではあまり大きな効果は期待出来ないと思います。

一部の労働環境だけを良くするのではなく、清潔感のある制服や清掃の行き届いた職場など、労働環境全体を改善することを目指すべきだと思うのです。

そして、個々の従業員が自分の働く会社に対して誇りを持てるようになることこそがゴミ収集業に限らずどの企業にとっても、そして社会にとっても望ましいと思うのです。

 

ここまで書いてきて、思い出したのはプロジェクト管理と日常生活 No.435 企業活動におけるプロセス管理の重要性!』でご紹介した株式会社真田ジャパン(栃木県那須塩原市)の取り組みです。

様々なメーカーはそれぞれの強みを生かした製品やサービスを商品として提供しています。

ですから、個々の企業は目指すべき職場環境や福利厚生を検討し、それに照らして必要とする商品を取り込んで、全体として従業員も顧客もより高い満足感を得られ、そうしたうえで会社の継続した収益向上につなげることが大切だと思うのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています