2017年07月12日
アイデアよもやま話 No.3753 ボール目線のカメラ!

5月8日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でボール目線のカメラについて取り上げていたのでご紹介します。

 

サッカーに野球にラグビーと様々なボールがありますが、東京工業大学の小池 英樹教授はカメラの入ったボールを開発しました。

その目的は、ボール視線でスポーツを観戦するためといいます。

ボールを転がしたり、投げたりしてもボールからの映像が見られるというのです。

ところが、このカメラ内蔵ボールで撮影した映像を再生してそのまま見ても速過ぎて目が回りそうになります。

そこで、小池教授はこの映像を見やすくするための技術を開発しました。

そして、ピッチャーが投げたこのボールをキャッチャーが受け取るまでの軌跡を修正後の映像で見ると、ボールがそのまま真っすぐ前に進む様子がよく分かります。

 

実は、ボールの中には2台のカメラが内蔵されており、回転させてももう一台のカメラで360度撮影出来るようにしているのです。

これを単純に再生すると訳の分からないような映像になりますが、画像処理を行い、ズレを修正することで分かり易い映像になるのです。

1秒間に30枚の画像を修正して、最終的に全部の画像をまとめて一つの映像にしているのです。

 

この技術を使えば、ボーリングや水球など、様々な球技に利用出来そうです。

小池教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「まずは2019年のラグビーワールドカップでのエキシビジョンマッチでの使用を目指してまして、例えばスクラムの中とか、普段見られないような映像が撮れる。」

 

今後、オリンピックも目指しているということですが、スポーツ以外にも例えば災害現場で人が入れないような場所にこのボールを投げて中の様子を観測するようなことにも応用したいといいます。

なお、この「ボールカメラ」ですが、価格・発売は未定といいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

実は小池教授については、以前アイデアよもやま話 No.1797 カメラ搭載ボールが完成すればスポーツ中継の革命!でもご紹介してきたようにとてもアイデアマンなのです。

 

さて、今やIoT(モノのインターネット)時代となってきつつありますが、ボールまでネットにつながるようになっているのです。

実際にこうしたボールを使って公式競技をするようなことはないと思いますが、趣味で球技を楽しむような場合には、「ボールカメラ」によって、普及しつつあるドローンとは違ったこれまで見たことのないような迫力ある映像を見ることが出来るようになると期待出来ます。


 
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