2011年04月13日
アイデアよもやま話 No.1797 カメラ搭載ボールが完成すればスポーツ中継の革命!
3月20日(日)放送の夢の扉〜NEXT DOOR〜(TBSテレビ)で「世界一使いやすいシステムへ 次世代コンピュータ開発最前線」をテーマに取り上げていましたのでご紹介します。

ゲストは電気通信大学・大学院情報システム学研究科の小池 秀樹教授(49歳)でした。
実は、小池教授には大変お世話になったことがあります。
以前勤務していた会社時代にあるコンピュータのセキュリティ管理関連の社外研修コースを受講した時の講師がたまたま小池先生だったのです。
当時、小池先生はコンピュータのセキュリティ関連を専門に研究されているのかと思っていたのですが、それは大間違いであることがこの番組を通して分かりました。

小池先生の研究テーマは、ヒューマン・コンピュータ・インストラクションで人が直感的に使えるシステムを目指しています。
マウスやキーボードを使うのではなく、見たものに直接触れたいとか、聴きたいとか、そういったものが直感的なシステムです。
そして、コンピュータを使った実にさまざまなアイデアをかたちにしています。
しかも、その技術はどれもが世界の最先端で海外からも絶えず注目されています。

小池先生は、番組の中で次のようにおっしゃっていました。
「アイデアは多くの人が思いついて何人もの人が試しに作ってみることはある。」
「一番重要なのは、それを最後まで作りきることだ、と。
「人のやっていることはやるな、と。」
「今までだれもやっていないことをやるとか人が気付いていないことをやるとか、そういうのが研究者の使命じゃないか、と。」
「技術におぼれてはいけない。」
「どうしても最初に素晴らしい技術があってしまうと、これを使わなきゃと思ってしまう。」
「”本来どうあるべきか”をまず考えて、それのために”必要な技術は?”って考えていかないといけない。」

やはり、どんな素晴らしいアイデアも、それをかたちにするまで決して諦めない、という強い意志が必要なのです。
同時に、ユーザーの立場に立ったものづくりが必要なのです。

以下は、小池先生による開発の一例です。
・手で触れる、煙で映像を映し出す三次元的なディスプレイ
・わずかな顔の向きだけで自由に動かせる究極の使いやすい次世代型壁ディスプレイ (顔の向きでカーソルが移動し、画面に近づいていくと詳しい情報が表示される)
・透明なプレートを重ねるだけで瞬時に英語が翻訳できるプレート
・指を動かすだけで楽しめるゲーム
・電磁コイルを近づけると加速し、同時に周りのグラフィックも連動して変化するコマ(インタラクティブ・トップ)
・ディスプレイの中のハチを押すと電流が流れてビリビリ感じるゲーム(BIRIBIRI)
・手元のカメラを動かすとその動きに連動し、顔のCT画像が自在に動くシステム
・カメラ搭載のボール

どれもとても独創的だと思いますが、私が特に面白いと思ったのは、カメラ搭載のボールです。
ちなみに、このボールにはボールの飛ぶ方向のみを連続的に記録する技術が隠されています。
もし、サッカーやバレー、そして野球などのボールにカメラが搭載されて、その映像を実況中継に使ったら、今まで見たこともない迫力ある観戦を楽しむことが出来るようになります。
これこそ、スポーツ中継の革命と言えます。
いつもながら、このようなアイデアに接すると単純にワクワクした気分になってきます。

 
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